火災保険は同じ条件であっても保険会社によって保険料が異なります
築年数の古い住宅の割合が増えているため、損害の発生しやすい住宅が相対的に増えています。台風や大雪などの際の損壊リスクのほか、電気や給排水設備の老朽化による火災リスク・水漏れリスクも高まる傾向にあります。
火災保険が大幅値上げされることによって建物オーナーにとって負担は大きくなってしまううえ、今後さらに火災保険の値上げや災害リスクは高まっていく可能性が高い状況です。
また、火災保険料は、大きく「純保険料率・付加保険料率」で構成されています。純保険料率とは災害などの際に保険会社が支払う保険金に充てるお金、付加保険料率とは各保険会社の運営経費に充てられるお金です。このため、支払う保険金が増えたり、人件費などの運営経費が増えたりするほど、火災保険料も上がっていくことになります。
何らかの災害に見舞われた場合、国などからの一定の支援もありますが、基本的には自助努力で被害を回復しなければなりません。つまり何らかの災害に見舞われた時は、常日頃からの貯金や備えとともに火災保険がモノを言います。そんな大切な火災保険の仕組みについて、しっかり理解しておきましょう。
物価高で手取りも増えないなか、火災・地震保険の保険料が驚くほど上がっている。家計への圧迫が響き、契約更新を断念するケースも出ているという。鹿児島県のトカラ列島近海での群発地震の行方が懸念されるなか、あらためて地震保険加入の意義も考える必要がありそうだ。
補償されるのは火災保険金額の最大50%で、受け取れる保険金は損害に応じたざっくり4区分(全損・大半損・小半損・一部損)です。この点は、住宅を再建できる保険金が受け取れる火災保険とは異なりますが、公的支援が限られるなか、地震保険は生活再建を支える有力な手立てとなりうるもの。とりわけ、持ち家で住宅ローン残債が相当額あり、手元の現金が少ない場合、被災後の生活再建は厳しくなりがちです。非常事態における家計予測を踏まえて加入を検討しましょう。
そもそも火災保険とは、火災だけに限らず、落雷・破裂・爆発・自然災害・盗難や水漏れなど、様々な災害・損害に備えることができます。ただし、「地震・噴火・津波」については火災保険の対象外であり、これらに備えるには別途「地震保険」が必要です(地震などは被害規模が極めて大きくなりやすいため、これらを通常の火災保険に混ぜると保険料がハネ上がってしまうため)。
火災保険金額は定期的に見直しましょう。長期間そのままにしておくと、実際に必要な額より少ない保険金しか受け取れないことがあります。火災保険金額は、現時点で住宅を再取得(再建)できる金額で設定するのが基本です。住宅新築時にその価格に合わせて火災保険金額を設定しても、その後に物価が変動すれば、住宅再建に必要な金額は変わります。適切な保険金額にしておかないと、思ったように保険金が受け取れないトラブルが生じがち。契約の際には、保険金額も確認して、必要であれば見直しましょう。
保険料が安い保険会社を探すには一括見積もりサービスが便利です。一度の情報の入力で複数社から火災保険の見積もりを取ることができます。一社一社個別に見積もりを依頼する手間が省けます。利用は無料なので、ぜひ気軽に利用してみてください。
火災保険がNGで地震保険がOKというのは、ちょっと不思議な感じもしますが、そもそも地震保険は、他の保険と大きく性格が異なっています。保険というより制度に近い仕組み、と言ったらいいでしょうか。実は、地震保険という商品は、1種類しかありません。他の保険と違って、法律に基づいて国と民間の損害保険会社が共同で運営されていて、どこの損保を通じて加入しても、保険料も補償内容も被害の判定基準も同一なのです。
保険料を重視するあまり、必要な補償をはずすことは避けましょう。とりわけ、床上浸水や土砂災害などの深刻な被害をカバーする「水災」は、優先度の高い補償です。水災による被害が全国で増加している現状がある一方、火災保険に水災補償を付帯する世帯は近年減ってきています。
火災保険も含め、加入している保険に特約が重複して付帯されていないか確認しましょう。付帯している特約が十分な保険金額なら、重複する特約はやめても問題ありません。
「2025年、火災保険の契約を更新する方々の中には、保険料の高さに驚く方も多いのではないでしょうか」「『なぜこんなに上がるのか?』『前より高いのに補償は減っていないか?』と疑問に思われるのも当然です」
実際にこの参考純率をどのように使うかは各保険会社の判断によりますが、2024年度にも各社の火災保険料は値上げとなる見込みです。
火災保険は同じ条件であっても保険会社によって保険料が異なります。銀行やハウスメーカーなどで勧められた火災保険以外にも目を向けることで保険料が安い保険会社と契約できるかもしれません。
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