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動画で解説
CFD市場の相場分析ポイント解説
銀の強固な上昇パターン形成
今回のCFD分析では銀を取り上げます。チャートを見ると、先週は陽線・陰線・陽線・陽線・陽線という展開で、高い水準で引けており、チャート形状が大きく改善しています。火曜日に上髭を伴いましたが、水曜日の陽線でしっかりと埋めており、木曜日・金曜日と上値追いの動きを継続しています。
終値ベースでは6月17日以来の水準まで到達しており、テクニカル的には非常に良好な状況となっています。
株式市場との比較と投資判断
前回は株式市場を取り上げ、ファンダメンタルズとチャートが一致した非常にわかりやすい動きを見せていました。株式市場もしっかりとした上値追いの動きを継続していますが、7月3日・4日にかけての動きがやや微妙な印象を受けています。
2日から3日の休暇を挟んで市場参加者が冷静になった結果、「株が買われすぎではないか」という議論が出てくる可能性があり、一時的に落ち着く展開も想定されます。
銀の相対的な魅力と金との対比
こうした状況下で、銀のチャートは株式市場よりも良好な形状を示しており、投資対象として推奨できる状況です。興味深いことに、金のチャートはいまいちな状況である一方、銀のチャートは際立って良好な展開となっています。
この違いには銀固有の要因が存在している可能性があり、金とは異なる需給環境や市場参加者の動向が影響していると考えられます。
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井上義教 氏
株式会社チャートリーディング 代表取締役 昭和39年東京都生まれ。 昭和63年大阪大学経済学部卒業、同年大和銀行入行、平成3年よりロンドンの証券現法にてディーリング業務に従事。 平成15年に退社するまで為替・債券・スワップ市場を歴任、チーフディーラーとしてチームを統括。 平成28年 株式会社チャートリーディング設立とともに代表取締役に就任。
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つまり「銀が買われやすい地合い」が訪れているとも言えるのです
「貧者の金」と呼ばれる銀は、金と比較して市場規模が小さく、より大きな価格変動をする傾向があるため、短期間で大きなリターンを狙うトレーダーにとって魅力的な投資対象です。
2025年6月現在、金と銀の価格差を示す「金銀比価」が歴史的な水準まで拡大しています。金の価格は1トロイオンス3,430ドル台に達し、銀は30ドル台で推移しており、比率は「100倍」に到達しました。
したがって、銀を運用する際には、必ず米ドル/円の為替変動も考慮に入れて計算しておくようにしましょう。
たとえば、1ドル=146円で100トロイオンス=2,300ドルの銀を購入したとすると、その価格は日本円で33万6,000円となります。
この水準は、湾岸戦争(1991年)やコロナショック(2020年)以来となります。通常、金銀比価が100倍を超えると、割安と見られる銀に資金が流れ、比価は縮小に向かう傾向があります。つまり「銀が買われやすい地合い」が訪れているとも言えるのです。
米ドルの買いが進めば、ペアである銀は相対的に価格を下げてしまう恐れがあるのです。
銀価格は、この20年間だけを見てもその価格が5倍程度まで伸びています。
銀価格は金価格と高い連動性を示すことが多く、金への投資が注目されるタイミングで銀も同時に買われる状況になりやすいという特徴があります。これにより、金市場の動向を参考にした投資判断が可能になります。
それを背景に、銀価格も年後半から大きく価格を伸ばし、2008年3月にはそのピークを迎え、ついに20ドル台を突破します。
銀投資を考えている方にぜひおすすめしたいサービスが、IG証券のCFD取引です。
また、金は平均的に銀の50倍程度の価格で推移するのですが、現在はそれが70倍程度と開いているため、銀にはさらなる上昇の余地があると見てもよさそうです。
しかし、2月頃から世界的に新型コロナが感染拡大、その影響で銀価格も急落すると、2月24日の18ドル台からわずか1ヶ月足らずで11ドル台にまで落ち込んでしまいます。
また、この頃から中国が銀の輸出国から輸入国へ転じるなど、新興国での需要が大きく伸び始め、その期待からヘッジファンドなどが大量に銀を買い入れるようになります。
量的緩和が縮小されれば、通貨にとって有利な状況となるため、それを嫌って銀から資金を引き上げる投資家も増えていると考えられます。
一方で銀は、実需に支えられた底堅さと金に対する相対的な割安感から、中長期的な投資妙味が高まっています。特に現在のような金銀比価が歴史的高水準にある局面では、銀CFDによる逆張り投資は合理的な選択肢といえるでしょう。
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