
今晩は引き続き神経質な展開か。昨日は主要3指数が高安まちまち。ダウ平均が165.6ドル安(-0.37%)と2日続落し、S&P500も0.07%安とわずかながら2日続落した一方、ハイテク株主体のナスダック総合は0.03%高とわずかながら反発して終了した。半導体株が上昇したものの、関税政策の不透明感が意識される中、アナリストが投資判断を引き下げた大手金融株の下落が相場の重しとなった。
今晩の取引では主要3指数が最高値圏にあることや、関税政策の不透明感などで引き続き神経質な展開か。金融政策の見通しを巡っては、取引時間午後に公表される6月17-18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まる。6月FOMCでは政策金利が市場予想通り据え置かれ、メンバーのFF金利見通し(ドットプロット)では年内2回の利下げ予想が維持されたものの、経済見通しではスタグフレーションの可能性が示された。公表される議事要旨で議論の内容に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほか、MBA住宅ローン申請指数、5月卸売在庫、米10年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
(執筆:7月9日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY株見通しー神経質な展開か FOMC議事要旨に注目
もともと、デフレ体質からの脱却という構造的な変化を海外投資家は日本株買いの一つの理由として挙げていたため、今回の物価見通しの上方修正に伴う政策修正はネガティブなことでもないだろう。YCCを修正したとはいえ、マイナス金利政策を維持している限り、諸外国と比べて依然として十分に金融緩和的であるし、長期金利が少し上昇しても、短期の日米金利差は依然として大きいことから為替の円高余地も大きくないと考えられる。実際、ドル円はその後1ドル=140円台を回復し、再び141円台にまで上昇してきている。
極小陽線引け。週初に雲を下抜けるも、2日連続で96円台後半で下げ渋った。一目均衡表は主要指標がすべて売り示唆の三役陰転中だが、明日にも転換線が基準線を上抜き、買いサインが1つ点灯する見通し。勢いに乗って再び一目・雲の下限97.91円を突破できれば、雲の上限98.96円を視野に入れた続伸もあり得る。反対に下値は目先のサポート96円後半を明確に割り込むと17日安値96.07円が見えてくる。
4.個別銘柄動向 決算が市場予想を上回る増収増益で、自社株買いも発表したティファニー(TIF)が急伸し23%を超える上昇となりました。市場予想を上回る2019年1月期の見通しを発表したホームセンターのロウズ(LOW)も急伸し10%以上上げています。さらに決算で売上高が市場予想ほど減らなかったラルフローレン(RL)も14%を上回る上昇となっています。一方で2018年12月期のエネルギー関連事業の利益が横ばいにとどまるとの見通しを公表したゼネラル・エレクトリック(GE)が7%以上下落し、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で1株利益が市場予想を下回ったディスカウントストアのターゲット(TGT)も5%以上下げています。
本記事では、クラウドストライク(CRWD)の2025年3月発表2025年度第4四半期決算を振り返り、6月に控える2026年度第1四半期決算の見どころを解説します。同社は近年、AI技術を積極的に活用した製品開発を進め、収益基盤の強化に取り組んでいます。投資家にとって今回の決算は、こうした戦略の進展や収益力の維持状況を確認する絶好の機会となります。前回決算のハイライトクラウドストライクが2025年3月上旬に発表した2025年度第4四半期(2024年11月〜2025年1月期)決算では、売上高が前年同期比で約25%増の10億6,000万ドルを記録しました。非GAAPベースの1株当たりの純利益(EPS)は1.03ドルで市場予想を上回り、好調な業績を示しました。特に注目されたのが年間経常収益(ARR)で、前年同期比23%増の42億4,000万ドルに達しました。ARRの純増額も2億2,400万ドルと市場予想を超える水準で、安定した収益基盤の拡大を裏付けました。ただし、GAAPベースでは8,530万ドルの営業損失となり、前年同期の黒字から赤字転落となりました。この背景には、AI分野への積極的な研究開発投資や新たな販路開拓に伴うコスト増が影響しています。また、同社は通期業績ガイダンスを慎重な姿勢で据え置きましたが、これは中国市場における規制強化などの外部環境を考慮した対応と見られています。前回決算以降の主要ニュース前回決算以降、クラウドストライクはAI技術を活用した製品ラインナップの強化を積極的に進めています。2025年4月には主力プラットフォーム「Falcon」にAIベースの高度なクラウドリスク管理機能を追加しました。これは企業がAIを用いたアプリケーションやサービスをより安全に利用できるよう支援するもので、市場からの関心も高まっています。さらに欧州市場における販売チャネルの拡充にも取り組んでおり、地域的な売上基盤を強化しています。また、コスト管理策として2025年5月には全従業員の約5%に相当する500名規模の人員削減を発表しました。これはAI技術を活用した業務効率化を進める中での戦略的な措置であり、市場ではポジティブに評価されています。株価はこれらの動きを受けて年初来で約25%上昇し、時価総額は5月下旬時点で1,140億ドルを超える水準となっています。ただし、株価売上高倍率(PSR)が約28.9倍と非常に高く、市場が将来的な高成長を強く織り込んでいる状況でもあります。今回決算の注目点今回の決算でまず注目すべきは、AI関連製品がARRの拡大にどの程度寄与しているかという点です。クラウドストライクはAIを活用した新製品を通じて高単価のライセンス販売を目指しています。特にNVIDIAとの連携による高度なAI機能が顧客に広く浸透しているかどうかが、成長持続性を占う上での重要なポイントです。次に、営業利益率の維持状況も確認すべき要素となります。研究開発や販路拡大に伴うコストが増加傾向にある中、非GAAPベースの営業利益率が20%台半ばの水準を維持できているかどうかが、投資家にとって大きな判断材料となるでしょう。また、地域別の収益動向も重要です。前回決算では中国市場での売上鈍化を欧米市場の成長でカバーしましたが、引き続き中国市場での地政学的リスクが懸念されています。欧州などその他の地域での販売拡大が順調に進み、全体として売上減少の影響を抑え込めているか注目されます。株価評価と投資家への視点クラウドストライクの現在の株価水準は、売上成長や利益率の高さを背景に、市場が将来の成長性を高く評価していることを示しています。今回の決算でARRや利益率が市場予想を上回ることができれば、さらに株価が上昇する可能性が高まります。しかし、逆にこれらの指標が期待を下回る場合は、高いバリュエーションの反動から短期的な株価調整が発生する可能性もあります。投資家としては、決算発表後の経営陣によるカンファレンスコールを通じて、AIライセンスの販売状況、地域ごとのARRの推移、通期の業績見通しの修正があるかをしっかりと確認することが必要です。これらの情報を踏まえ、各自のリスク許容度や投資戦略に照らし合わせて適切な判断を行うことが重要になります。
消費者物価指数、生産者物価指数とも総合指数は原油価格の上昇が寄与して前年比伸び率が前月から拡大する見通し。FRBによる利下げ開始時期の後ずれにつながるリスクが意識されそうです。
・10-12月期決算は、売上・EPSとも市場予想を上回りました。2024年見通しは調整後EBITを120~140億ドルとして、中央値は2023年実績の124億ドル、市場予想の109億ドルを上回りました。
・2023年は労働者のストライキに加え、EVトラックの不振、自動運転によるロボタクシーに対する当局の調査など、苦しい年になりましたが、2024年は明るい見通しをもっています。CEOは「(同社が独自開発した)『アルティウム』バッテリーによるEVのブレイクスルーの年にする」とコメントしています。また、米政府がEV普及策の規制を緩和したことも安心感を生んでいます。
一方、インテル(INTC)は新しく立ち上げたファウンドリ事業の赤字が2024年に拡大し、黒字化には数年かかるとの見通しを明らかにして嫌気されました。ただし、主力事業の回復で、会社全体のEPSは2023年の0.35ドルから2024年の1.33ドルへ拡大すると見込まれています。
・2023年11月に仮想化ソフトウェアのVMウェア買収を完了して、2024年10月期の売上高構成比は半導体が約60%、インフラ・ソフトウェアが約40%になる見込みです。半導体はスマホ向けが低迷している一方、AI関連需要によりデータセンターでの通信向けが伸びる見込みで、半導体売上に占めるAI関連構成比は35%に高まる見通しです。


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