【2025年ドル円相場予想】年末157円到達か!? ~参議院選挙後の為替相場見通し~ 2025年7月23日 FX/為替 #円安 #インフレ

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【2025年ドル円相場予想】年末157円到達か!? ~参議院選挙後の為替相場見通し~ 2025年7月23日 FX/為替 #円安 #インフレ

はじめに

7月20日に投票が行われた参議院選挙の結果を受け、為替市場はどのような反応を示したのでしょうか。また、今後予定されているFOMCや日銀の会合を控え、ドル円相場はどこに向かうのか。外為どっとコム総合研究所のシニア外為アナリスト・神田卓也氏に詳しく伺いました。

 

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参院選直後の為替市場の反応

■円高への一時的な動き

参院選の開票が行われた日曜日、そして週明けの月曜日21日の為替市場では、円買い・円高という動きが見られました。ドル円は一時147円付近まで円高に振れる場面がありました。

■選挙前の思惑と結果後の反動

選挙前の段階で各種世論調査において与党大苦戦という結果が伝えられており、海外の短期筋を中心に以下のような思惑で円売りが先行していました:

・政局の不安定化への懸念
・財政拡張政策への警戒
・対米関税交渉の不透明感

しかし、実際の選挙結果は:

・与党の改選議席は122(過半数125に対し3議席不足)
・石破首相は続投を表明
・想定されたほどの政局混乱には至らず

この結果、「噂で売って事実で買い戻す」という典型的な市場の動きが見られました。

日銀の金融政策への影響

■短期的な影響は限定的

参院選の結果が日銀の金融政策に与える直接的な影響は小さいと考えられます。市場では9月の会合での利上げ期待値は15%程度に留まっており、現時点で日銀は関税問題が落ち着けば利上げを粛々と進めるスタンスを崩さないでしょう。

■財政懸念が高まった場合のリスク

ただし、今後減税等の措置により財政懸念が市場で高まり、株安・債券安・円安の「日本売り」の様相となった場合、日銀としては市場混乱の中での利上げは困難となり、利上げの後ずれリスクが高まる可能性があります。

■実質金利のマイナス継続

日銀が利上げを行っても円相場への影響は限定的です。その理由は:

・日本のインフレ率:3.3%
・日本の政策金利:0.5%
・実質金利は大幅マイナスのまま

長期金利を見ても:

・30年金利:約3%(インフレ率3.3%を下回る)
・40年金利:3.35%程度(ようやくインフレ率並み)

このため、円を買う理由が乏しい状況が続いています。

アメリカの状況とドル復活の兆し

■トランプ関税への見方の変化

4月のトランプ関税発動後、一時的にドル安が進みましたが、最近はドル高に戻りつつあります。主な理由は:

1.関税の影響が限定的との見方

・”Trump always chickens out”(結局ビビって緩くする)という見方が定着
・実体経済への悪影響がほとんど見られない

2.関税の本質的な効果

・貿易赤字縮小がドル安圧力を軽減
・アメリカの実質金利は30年でもプラス

3.FRBの姿勢

・インフレ懸念を受け早期利下げに消極的
・金利差がドル買い要因となる

今後の相場見通し

■年末までの予想レンジ

ドル円相場は年末にかけて最大157円まで円安が進む可能性があります。

根拠は:

・FRBの利下げ期待の後退(年内2回→1回またはゼロの可能性)
・日銀の利上げ困難(年内利上げ期待は6割程度)
・トランプ政権発足時の156円台半ばへの回帰

■投機筋のポジション動向

IMM(シカゴ・マーカンタイル取引所)の円先物では:

・1月時点:円ロングがネットゼロ
・現在:円ロングが積み上がっているが減少傾向
・日銀利上げ期待の後退で円ロング解消圧力

構造的な円安要因

■資金フローから見た円の脆弱性

円売り要因(2024年実績)

・貿易赤字:約4兆円
・サービス収支赤字:約25兆円(デジタル収支約7兆円を含む)
・直接投資:31兆円(うち対米投資11兆円)
・家計の対外投資(新NISA等):52兆円(2024年だけで17兆円増加)

円買い要因

・為替介入:約15兆円
・インバウンド収支黒字:限定的

明らかに円売りフローが円買いフローを大幅に上回る構造となっています。

■関税交渉の影響

今後の日米関税交渉では、日本は以下を迫られる可能性があります:

・対米投資の拡大
・原油・天然ガス輸入の増加

これらは新たな円売りフローを生む可能性があり、関税交渉が日本有利に進んでも円買い要因とはならない可能性があります。

個人投資家への提言

■インフレ時代の資産防衛

現在の日本は3%超のインフレ状況にあり、体感的には30%程度の物価上昇を感じている方も多いでしょう。インフレは通貨安要因であり、円建て資産の実質的な目減りを意味します。

■外貨分散投資の重要性

資産を守るためには:

・ドル、ユーロ、オーストラリアドル、ポンドなど主要通貨への分散投資
・単純な利益追求ではなく、インフレリスクの分散が目的
・外貨積立やCFD取引など多様な手段の活用

まとめ

参院選後の為替市場は、短期的な円高の動きは見られたものの、構造的な円安圧力は継続しています。日銀の金融政策正常化は困難な状況が続き、一方でアメリカの金利政策は相対的に引き締め的な状況が維持される見込みです。

個人投資家にとっては、インフレから資産を守るという観点から、外貨建て資産への分散投資がより重要性を増していると言えるでしょう。

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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