アメ車 日本で売れるための「壁」

アメ車 日本で売れるための「壁」
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 アメ車 日本で売れるための「壁」

アメ車には燃費が悪いというイメージが根強く残っています

結果としてユーザーは欧州車か国産車へと流れ、アメ車は選択肢に入りにくい状況が続いています。

日本では、道路の左側を走るため、右ハンドル車が主流です。しかし、アメ車は長年にわたり左ハンドルモデルが中心でした。輸入車であっても、右ハンドルであれば違和感なく乗ることができます。実際、ドイツ車やイタリア車などは日本仕様として右ハンドルを用意しています。アメ車でも、最近ではキャデラックやジープが右ハンドルを導入していますが、それでも全体としては数が少なく、モデルによっては選べないこともあります。この点で、日本の消費者にとって「乗りにくい」と感じる心理的な壁が生まれています。

アメ車には燃費が悪いというイメージが根強く残っています。実際には、近年のモデルでは改善されている車種もありますが、1990年代から2000年代初頭にかけて、燃費の悪い大型車が多く出回っていたことが背景にあります。また、修理費用や部品の入手もヨーロッパ車に比べて不安があると考える人も少なくありません。輸入車はすべて維持費が高いと思われがちですが、アメ車は特にその印象が強いようです。一方、メルセデスやBMW、アウディなどの欧州ブランドは、日本国内に販売や修理のネットワークを広げており、信頼性が高まっています。

一方で、メルセデス・ベンツやBMWなどのドイツ車は、日本でも確固たるブランド価値を確立しています。性能、デザイン、信頼性に加え、“所有する喜び”という無形の価値が存在しています。それに比べて、シボレー(587台)やキャデラック(449台)のようなアメ車は、「どんな物好きが乗っているのだろう」と好奇の目を引くほどの希少性しかありません。

コンパクトモデルの展開が豊富欧州車は、アメ車に比べてサイズのバリエーションが豊富です。都市部の狭い道にも対応できるコンパクトカーから、高級セダン、SUVまで幅広く展開しています。たとえば、メルセデス・ベンツの「Aクラス」やBMWの「1シリーズ」などは、全長4.5メートル未満で日本でも扱いやすく、女性ドライバーにも人気があります。小さくても高性能で高級感を保っている点が評価されています。燃費や環境性能への対応が早かった欧州車はディーゼルエンジンやハイブリッド、そしてEVの導入にも早くから取り組んできました。日本の消費者は燃費や環境への意識が高いため、この対応力が高い評価を受けています。とくに2020年代以降は、環境配慮型の車を選ぶ人が増えてきました。BMWやアウディのEVモデルは、日本の充電設備に合わせた対応も進んでいます。

今回の協議過程で「トヨタ販売網の活用」という構想が浮上している。中嶋裕樹CTOがその可能性を言及した。しかし販売チャネルが拡充すれば、アメ車は売れるようになるのだろうか。私は難しいと思う。車は機能性のみならず「情緒性」も求められるからだ。日本でドイツ車が売れるのは「質実剛健」「高級感と実用性の両立」といったイメージが定着しているから。ブランドは長い時間をかけて熟成されていくもの。今回「関税」という武器で「ごり押し」されたイメージが定着すれば、日本人の心はよけいにアメ車から離れていくのではないか、と懸念する。

結局のところ、「非関税障壁」がどうこうというより、アメ車が「日本の消費者の心の壁」を超えられていないことこそが、本質的な問題なのです。

まもなく始まるトランプ政権との関税交渉。ポイントの1つが「自動車」です。トランプ大統領は「日本の規制がアメリカ車の販売を妨げている」と主張していますが、なぜ売れないのか?本当の理由を探りました。赤沢経済再生担当大臣 「言うべきことは言うということと、あとは信頼関係を築く」“トランプ関税”の交渉を担う赤沢大臣は、あすの出発を前に、自民党の「対策本部」の会議に参加。出席議員から相次いだのは、農業分野への影響を懸念する声です。ホワイトハウス レビット報道官(3月11日) 「日本はコメに700%の関税をかけている」政府は、コメなどの農産物の市場開放などを求めてくるとみられます。さらに、トランプ氏がこだわるのが…。トランプ大統領(7日)  「我々は日本でまったく車を売っていない。ゼロに近い。一方で、日本はアメリカに何百万台もの車を売っている」日本はアメリカ車に関税をかけていませんが、アメリカ側は関税以外の“壁”が存在すると主張しています。一体、その壁とは?「輸入してから1年近く経つんですけど、未だに登録できない」1980年代から90年代にかけてブームとなった“アメ車”。多くの若者を魅了しました。しかし去年、日本で売れた輸入車(新車)のうち、アメ車は全体の7%ほど。なぜ、アメ車は売れないのか?埼玉県内にある輸入車専門店。50台以上のアメ車を扱っています。スカイオート 村上周平 社長 「ピックアップが特徴で、日本にはないサイズ感」およそ30年、アメ車を販売する村上さん。販売を難しくしている“壁”は確かにあると話します。こちらの車。このままでは日本の道路では走れません。スカイオート 村上周平 社長 「ウインカーが赤いんですよ、これも駄目なんです。オレンジにする必要がある」日本の安全基準にあわせるため、ウインカーは赤ではなくオレンジに。シートベルトの警告灯もつける必要があります。さらに、騒音や排ガスのテストなどが必要で、1台200万円のコストがかかることも。アメリカ側は、こうした日本の安全基準などが“非関税障壁”としてアメ車の販売を妨げていると主張しています。一方で、それ以外の問題もあるとの指摘も。大手自動車メーカー関係者  「ニーズが日本人に合っていないだけでは」日本の車検を通ったアメ車に乗せてもらいました。スカイオート 村上周平 社長 「V8サウンドに乗りたくて乗っている方って結構多いと思うので、日本車では味わえない感覚と言うんでしょうか」この車はディーゼル車。燃費性能はいい方ですが、リッター7キロ。日本のハイブリッド車では20キロ超えはあたりまえです。また、日本の狭い道では…。スカイオート 村上周平 社長 「日本車だと、すって回れるところでも、アメ車だと前なんかもギリギリで入っていかないといけない。運転技術が必要なところはあります」車幅や小回りの良さも重要です。本格的に始まる日米交渉。赤沢大臣は、無理難題をふっかけるアメリカに対峙することはできるのでしょうか。

車体が大きく、日本の道路環境に合わないアメ車の多くは、アメリカ国内の広い道路や長距離運転に合わせて設計されています。そのため車体が大きく、小回りも利きにくいものが多くあります。日本の道路は、住宅街や都市部など狭い道が多く、駐車スペースも限られています。幅の広いアメ車では運転や駐車がストレスになることもあります。たとえば、アメリカの人気SUV「キャデラック・エスカレード」は全長5.2メートル以上あり、日本の立体駐車場には入らないケースが多いです。これでは都市部の家庭にはとても使いにくいです。一方、メルセデス・ベンツやBMWは、欧州の都市にも対応したコンパクトモデルを用意しており、日本でも扱いやすいサイズ感が人気の理由になっています。

日本市場に合わせたモデル開発今後、アメ車が日本で再び存在感を示すためには、日本市場に特化したモデルの開発が欠かせません。車体サイズを抑えたモデルや、燃費性能の高いEVやハイブリッド車の投入が求められています。トヨタやホンダが得意とする小型EVのようなジャンルにも、アメリカの技術力で挑戦できれば注目を集める可能性があります。

輸入車専門店「キャルウイング」 植野史祐竜さん「輸入した車の整備には時間とコストがかかる。少しでも安全基準が緩和されれば、アメ車のよさを多くの人に知ってもらい、いろいろな車種をより安く届けられるようになる」

実際、アメリカの自動車メーカー自身が、日本でアメ車が売れない理由を最も理解しているはずです。2024年の米国車の販売台数は日本全体の新車販売に対しわずか0.4%(約1万6700台)。1996年には約7万2900台だった販売台数も、今では8割減という惨状です。

日米自動車関税が15%で決着した。ただ、日本は条件を突きつけられている。アメリカ車と米国産のコメの輸入拡大だ。90年台には最大年間15万台が日本に輸入されたアメリカ車。しかし近年は低迷している。昨年は日本からアメリカへの輸出台数は約140万台だったのに対し、アメリカからの輸入はわずか約1万6000台。トヨタの販売網を使ったアメ車拡販策は具体案の一つに浮上するが、燃費・サイズ・価格の壁は依然高い。関連記事をまとめてみた。

加えて、信頼性のイメージも悪化していた。1990年代にはシボレー・アストロが一時的にブームとなり、並行輸入が急増した。だが、なかには走行距離を改ざんした車両や、メンテナンスが不十分なまま販売された個体も多く、結果的に「アメ車=壊れやすい」という印象を定着させてしまった。

政府がアメ車の日本参入を支援するために「特例措置」などを検討しているとも報じられていますが、商品そのものが欲しいと思われなければ意味はありません。たとえば、iPhoneユーザーに「Xperiaを無料で差し上げます」と言っても、使う人が限られるように、“市場ニーズ”とは単なる価格や性能の話ではないのです。

コメント

` this.fetchProxy(url, options, 0).then( res => res.json() ).then( data => { if (data.body) this.srcdoc = data.body.replace(/]*)>/i, `
タイトルとURLをコピーしました