
- <第194回> 2025年7月25日
- 問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
- 問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
- 問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
- 問4:今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通しについてお答えください
- 問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
- 問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
- 問7: 2025年1月から6月までの損益状況について、投資資金の何%となっていますか。次のうちから選んでお答えください(ひとつだけ)。
- 問8: 2025年後半の為替相場を左右する主要テーマとして、あなたが最も注目しているものはどれですか?(ひとつだけ)
<第194回> 2025年7月25日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2025年7月18日(金)13:00~2025年7月22日(火)24:00
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は 547 件。
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問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が58.9%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は20.3%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△38.6%ポイントと前月の△8.8%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後の米ドル/円相場は、149円付近の高値圏で推移。トランプ関税の影響が徐々に米国の物価に反映され始めたとの見方から米長期金利が上昇する中でドル買いが強まった。また、日本の参議院選挙を受けた政局の混迷や財政拡張への懸念も相まって、米ドル強気・円弱気の個人投資家が増加したと考えられる。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が158.00円、最安値が138.00円となり、高値の平均値は150.51円、安値の平均値は145.16円であった。高値の中央値は150.00円、安値の中央値は145.00円だった。実勢レートが前月調査時(最終日)から1.8円ほど切り上がったのに対して高値・安値の予想中央値は2.5~3円程度、米ドル高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、49.9%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は17.7%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△32.2%ポイントと前月の△19.0%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後のユーロ/円相場は、約1年ぶりの高値圏で推移。欧州中銀(ECB)の利下げ打ち止め期待などを背景に172円台を中心とする高止まりの展開だった。日本の参議院選挙の前後で政局不安や財政懸念が浮上したことも相まって、個人投資家はユーロ高・円安地合いが続くと見ているようだ。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が150.00円となり、高値の平均値は174.06円、安値の平均値は168.96円であった。高値の中央値は174.00円、安値の中央値は170.00円であった。実勢レートが前月調査時(最終日)から4.1円ほど切り上がったのに対し、高値・安値の予想中央値は5~8円程度、ユーロ高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、42.0%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は18.3%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△23.7%ポイントとなり、前月の△6.8%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、96円台中心の値動きとなった。日本の参議院選挙後に円買い戻しの動きも見られたが、米株価指数が史上最高値を更新するなど世界的に株価が堅調に推移する中で豪ドルの下値は堅かった。こうした動きから、個人投資家は豪ドル/円相場に対する強気スタンスを強めたようだ。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が102.40円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は97.73円、安値の平均値は94.35円であった。高値の中央値は98.00円、安値の中央値は95.00円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが2.1円ほど切り上がったのに対して、高値・安値の予想中央値は2.5~3円程度、豪ドル高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、45.7%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は17.2%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△28.5%ポイントとなり、前月の△14.2%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後の英ポンド/円相場は、199円台後半へ上昇して1年ぶり高値を付けた。日本の参議院選挙における与党の敗北が想定内だったとの見方から197円台に反落する場面もあったが下値は堅かった。政局不安定により日銀が利上げしづらくなるとの見方もあって個人投資家は英ポンド/円相場の先高観を強めたようだ
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が208.10円、最安値が178.00円となり、高値の平均値は200.46円、安値の平均値は195.13円であった。高値の中央値は200.00円、安値の中央値は196.55円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが1.2円ほど切り上がったのに対して、高値・安値の予想中央値は前回から2.5~4.5円程度、ポンド高・円安方向へシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が44.2%と最も多かった。次いで「円」が20.1%、「ユーロ」が11.0%で続き、「メキシコペソ」と「スイスフラン」が5.1%で並んだ。「米ドル」が2カ月連続の首位となり、回答割合は前回の36.4%からさらに上昇した。一方、前回に続いて2位だった「円」は回答割合が前回の27.6%からさらに低下した。なお、3位の「ユーロ」も回答割合は前回(13.7%)からやや低下しており、「米ドル独り勝ち」の見方が再び強まりつつあるようだ。
「米ドル」が最も強くなると思う理由については「アメリカ経済が強い」、「FRBの利下げが予定より遅くなる」、「基軸通貨の底力」、「いまや高金利通貨」などの声が挙がった。また、「ほか(の通貨)よりいいから」との意見も出た。その他、「トランプ政策で国内の所得税増税無しで桁違いの経済対策/投資を世界から呼び込んだ」として、トランプ大統領の減税や関税強化が米ドル高につながるとの見方もあった。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が52.3%と圧倒的に多かった。2位の「米ドル」は21.2%で、以下、「ユーロ(5.7%)」、「トルコリラ(4.9%)」、「中国人民元(4.6%)」と続いた。「円」は6カ月ぶりに首位の座を「米ドル」から奪回。回答割合も前回(33.4%)から18.9%ポイント伸ばした。問1~4の結果からもうかがえるように、ここにきてFX投資家による「円独り負け」の見方が強まっていることがわかる。
「円」が最も弱くなると答えた理由としては、「財政不安、円ロングの巻き戻し」、「参院選の結果による国政不安」、「政権弱体化と国債増発懸念」、「日銀の利上げが思ったより進んでいない」など、様々な意見が見られた。さらには「どの通貨と比べても弱くしか見えない」、「円が買われる要素が見当たらない」といった厳しい声も出ていた。
問7: 2025年1月から6月までの損益状況について、投資資金の何%となっていますか。次のうちから選んでお答えください(ひとつだけ)。

今回の特別質問として「2025年1月から6月までの損益状況について、投資資金の何%となっていますか」と尋ねたところ、「0%(変化なし)」が23.8%で最も多かった。次いで「+1~5%」が15.5%、以下「-30%以下」が11.0%、「+5~10%」が10.4%、「+10~20%」が10.2%などと続いた。単純にプラス(収益)かマイナス(損失)かを集計すると、プラスは合算で44.6%、マイナスは31.6%となり、上半期のFX取引で収益を上げたとの回答がやや多かった。損益の要因について自由記述形式で尋ねたところ、プラスの層からは、「ドル安トレンドに乗れた」との声があった一方、「円安で利益が出た」、「関税ショックの押し目を拾えた」との声もあり、相場変動に応じたこまめな取引が奏功した可能性をうかがわせる内容であった。そのほか、「トルコリラのスワップ(ポイント)」、「レバレッジを落としてメキシコペソを長期保有」など、高金利通貨投資が収益につながったとの回答も目立った。他方、マイナスと回答した向きからは「トランプ米大統領の言動に振り回された」との声が多く出ていた。また、「ユーロの予想外の上昇で損切りできなかった」との反省の声もいくつか上がっていた。
問8: 2025年後半の為替相場を左右する主要テーマとして、あなたが最も注目しているものはどれですか?(ひとつだけ)

もう一つの特別質問として「2025年後半の為替相場を左右する主要テーマとして、あなたが最も注目しているものはどれですか」と尋ねたところ、「米国の関税政策」が42.0%と最も多かった。次いで「米国の金融政策(21.4%)」、「米国の経済・物価動向(9.7%)」、「日本の金融政策(7.7%)」、「米国の政治動向(6.8%)」、「日本の政治動向(3.5%)」などと続いた。回答者のおよそ80%(合算割合)が2025年後半の為替市場のテーマとして「米国」に注目していることがわかった。米国の関税政策や金融政策および、経済・物価動向や政治動向については、いずれも見通しが立ちにくいことから、折に触れて市場のテーマとして浮上しやすいためと考えられる。なお、日米関税交渉は調査期間終了直後の7月23日(日本時間)にひとまず合意が成立した。それとほぼ同時に、一部報道で石破首相が退陣する見通しも伝わった。仮に、これらが調査期間終了前であったならば、回答結果は違ったものになった公算が大きい。具体的には「米国の関税政策」の割合がより低くなる一方、「日本の政治動向」の割合が高まったであろう。


株式会社外為どっとコム総合研究所 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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