来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「注目の豪四半期CPI!予想通りならRBAは利下げへ!?」ハロンズ FX 2025/7/26 #外為ドキッ

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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「注目の豪四半期CPI!予想通りならRBAは利下げへ!?」ハロンズ FX 2025/7/26 #外為ドキッ
 

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は96.48円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は88.44円前後で週初を迎えました。週末に実施された日本の参院選の結果が「警戒したほど悪くはなかった」との見方から、前週末にかけて売られていた円が買い戻されたことで、22日には豪ドル/円は95.62円前後、NZドル/円は87.44円前後まで下落しました。23日には日米が貿易交渉において関税率が当初の予定よりも低い水準で合意しました。また、米国は欧州連合(EU)とも合意間近、中国とは来週協議をすると報じられていたことで、関税交渉を巡る過度の懸念が後退。リスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルはこれらの材料を好感し、豪ドル/円は97.14円前後、NZドル/円は88.89円前後まで上昇しました(執筆時)。

注目の豪四半期CPI!

22日に豪中銀(RBA)は今月7-8日に開催した金融政策会合の議事録を公表。市場では25bp(0.25%ポイント)の利下げが予想されていた中で政策金利を据え置いた理由について、「消費者物価が持続的に2.5%に向かうことを確認するために、もう少し情報を待つことが有益である」との認識を示しました。その上で、会合では「追加緩和の適切な時期と規模について焦点が当てられた」と記してありました。豪州の消費者物価指数(CPI)は月次ベースで前年比+2.1%まで低下しており、RBAのインフレ目標(2.0~3.0%)の下限に近付いています。ただ、ブロック総裁は「月次CPIは変動が大きい」「第2四半期のCPIがわれわれの考える通りになり、低下し続けるならば、われわれの道筋の正しさを証明するものとなる」と語り従来通り四半期CPIを重視する姿勢を示しました。
直近の四半期CPIは2四半期連続で+2.4%となり、RBAの目標レンジ中央付近で推移しています。来週は30日に最新の四半期CPIである豪4-6月期CPIが発表されます。市場は前年比+2.2%へインフレの勢いは鈍化すると予想しています。市場予想通りにインフレの鈍化が確認できれば、RBAは次回8月12日の金融政策会合で追加利下げに動くことになりそうです。また予想以上にインフレが鈍化を示した場合、市場が現在織り込んでいるRBAの年内2回の利下げペースがさらに加速する可能性もありますので要注意です。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は6月16日以降終値ベースでのサポートとして機能していた日足一目均衡表の転換線をいったん下抜けましたが、同基準線や200日移動平均線(MA)がサポートとなり反発。来週も基準線や200MAが目先の下値目途となりそうです。この水準を下抜けると週足一目均衡表の転換線が94円台後半にありますので意識されそうです。一方上値では、7月15日高値の97.44円前後が目先の上値目途となりそうです。ここを上抜けると、次の上値目途として1月24日高値の98.76円前後が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表と200MA】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:94.50-98.50、NZD/JPY:87.00-90.00

7/28週のイベント:

07/30 (水) 10:00 NZ 7月ANZ企業信頼感
07/30 (水) 10:30 豪 6月消費者物価指数(CPI)
07/30 (水) 10:30 豪 4-6月期四半期消費者物価(CPI)
07/30 (水) 10:30 中国 7月製造業購買担当者景気指数(PMI)
07/31 (木) 10:30 豪 4-6月期四半期輸入物価指数 
07/31 (木) 10:30 豪 6月住宅建設許可件数
07/31 (木) 10:30 豪 6月小売売上高
08/01 (金) 07:45 NZ 6月住宅建設許可件数
08/01 (金) 10:30 豪 4-6月期四半期卸売物価指数(PPI)
08/01 (金) 10:45 中国 7月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)

一言コメント:

東京は猛暑日が続いています。ただ、建物や電車の中はエアコンが効いていて快適に過ごせます。一方で、ロンドンでは地下鉄が「無料のサウナ」と言われるほど熱いようです。原因は古くて狭いトンネルのようなので、簡単に解決できるものではないようです。東京は当面暑い日が続きそうですが、「ロンドンの地下鉄よりはマシ」と言い聞かせて乗り切ろうと思います。

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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来週の為替予想 豪ドル 円

豪州は中国との貿易関係が強いことから、豪ドル/米ドルは上海総合指数など中国株との間に一定の相関関係が確認できます(図表3参照)。中国株の長期下落傾向が、小動きが続く中でも豪ドルの下落要因になっていた可能性はあるでしょう。

豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。

金利差は、為替相場の変動率(ボラティリティ)に大きく影響することから、大幅な金利差のある米ドル/円やクロス円が歴史的大相場を展開したのに対し、豪ドル/米ドルのような対米ドルでの取引「ドルストレート」は小動きの状況が続いたということでしょう。このような金利差に著変なければ、2025年の豪ドル/米ドルも小動きが続く可能性が高いのではないでしょうか。

その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。

このような値動きは、過去の経験を参考にすると、豪ドル/円がすでに7月109円で天井を打って、複数年続く下落トレンドに転換した可能性が高いことを示すものです。

こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました。その後の反発で一時52週MAを回復したものの、最近にかけて再び52週MAを大きく割れるところとなりました(図表6参照)。

豪ドル/円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル/円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル/円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル/円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました(図表5参照)。

予想レンジは、85~102円で想定したいと思います。

2024年の豪ドル/米ドルは、0.63~0.69米ドル程度の小幅のレンジで、2023年に続き方向感のない動きに終始しました(図表1参照)。米ドル/円がここ数年記録的に大きな変動が続いていることと対照的に、豪ドル/米ドルの小動きが長期化している最大の理由は小幅な金利差でしょう。

豪米2年債利回り差は、足下で0.2%程度の豪ドル劣位です(図表2参照)。その一方で、日米2年債利回り差米ドル優位は3%を大きく上回っています。2022年の歴史的インフレ以降、先進国は軒並みインフレ対策で大幅な利上げに動いたのに対し、当初日本だけは金利上昇を抑制する政策を続けました。その結果、日本と米国など先進国の金利差は円劣位が大幅に拡大した一方で、日本以外の先進国間の金利差拡大は限られました。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

以上を踏まえると、2025年の豪ドル/米ドルは、2024年のレンジを下方修正し、0.6~0.7米ドル中心での展開と予想したいと思います。

こうした中で、豪ドルは10月下旬以降すでに1ヶ月以上52週MA(移動平均線、11月末現在0.66米ドル)を下回ってきました。さらに52週MAを下回る動きが続くようなら、豪ドル/米ドルは小動きが続く中でも、基本的には下落トレンドが展開している可能性が高いとの見方になります(図表4参照)。

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