
今週の最大の注目材料は、30、31日に行われる日銀の金融政策決定会合とFOMCです。両方とも、今回は政策金利の据え置きは確実なので、市場の関心は会合後の植田日銀総裁、パウエルFRB議長の会見に集中しています。
日銀に関しては、今回のトランプ関税の影響をどう見ているかに注視をしておきましょう。FRBに関しては、トランプ大統領から利下げの要求を突きつけられていますので、それに対してどのような発言が出てくるかに注目をしておきましょう。
この2つのイベントにサプライズがなければ、緩やかな円安が進むと予想しています。ドル円の予想レンジは、146.50-149.00円としておきます。
【ドル/円(USD/JPY) 日足チャート】

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株式会社マットキャピタルマネージメント 代表取締役
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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ドル円は狭いレンジの持ち合いへ
今週のレジスタンスライン、予想レンジの上限は151.25レベル 円高が一服しているタイミングで3月の日銀会合(声明文や植田総裁の会見)が円安の要因となれば、ドル円(USD/JPY)の上昇を想定したい。週間の予想レンジ上限は、1月10日の高値と3月11日安値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し151.25レベル。このテクニカルラインをトライするサインとして、目先は21日線と4時間足の23.6%戻しの攻防に注目したい。ドル円が後者のテクニカルラインを突破する場合は、150円台へ再上昇するサインと捉えたい。
ドル円が145.00を目指すサインとして、先週サポートラインとして意識されたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準146.95レベル、3月11日の安値146.54レベル(日足チャート、黒矢印を参照)、そして146.00レベルの攻防に注目したい。
今週のサポートライン、予想レンジの下限は145.00レベル 日銀イベントが円安の要因となっても、米FOMCが米ドル安の要因となれば、ドル円(USD/JPY)の下値リスクを警戒する状況が続こう。週間の予想レンジ下限は145.00レベル。
日米の中銀イベントが円安・米ドル高の要因となればドル円は150円台へ上昇し、かつこの水準を維持する可能性が高まろう。このケースでは、151円を視野に上昇幅の拡大を想定したい。151.00~151.25レベルはレジスタンスゾーンとして相場の上昇を止める可能性がある(4時間足の黒矢印を参照)。
【今後の投資戦略】 ・植田総裁会見→次回利上げ時期探る。FOMC→ドットチャート変化あるか? ・ユーロドル押し目買い。ドル円は狭いレンジの持ち合いへ。
つまり、今回のFOMCは、政策金利水準がより高くより長くなることを、そして日銀金融政策決定会合は、金融緩和は当面継続される可能性が高いことを、それぞれ市場に意識させる結果となり、ドル円については、ドル買い・円売りの材料になりやすいと思われます。改めて、年初からのドル円相場の推移を振り返ると、図表1の通り、ドル高・円安トレンドにあることが確認されます。
投機筋の円売りを警戒 今週のドル円(USD/JPY)は、日米中銀イベントで上下に大きく振れる展開が予想される。警戒すべきは、急速に進行した円高の調整(円安)である。


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