
28日の日経平均は大幅続落。終値は457円安の40998円。米国株高や米EU間の関税交渉合意などを受けて上昇して始まったものの、早々にマイナス転換。アドバンテストなど半導体株の下げが大きく、全体にもネガティブな影響が波及した。300円超下げたところでいったん切り返したが、戻し切れず売り直されて安値圏で前場を終了。後場も売りが止まらず下げ幅を400円超に広げ、終値で節目の41000円を割り込んだ。一方、新興銘柄は相対的にしっかりとした動きを見せており、グロース250は小幅ながらプラスで終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0500億円。業種別では輸送用機器、繊維、サービスなどが上昇した一方、銀行、情報・通信、電気機器などが下落した。通期見通しを引き上げたユーグレナが、一時ストップ高となるなど急騰。半面、証券会社の投資判断引き下げが嫌気されたアドバンテストが9%安と派手に売られており、1銘柄で日経平均を約278円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり695/値下がり860。1Qが大幅な増益となったファナックが5%高。米中交渉の進展期待が高まったことで、安川電機に資金が向かった。ドル円が円安に振れたことから、ホンダ、マツダ、三菱自動車など自動車株が全般堅調。業績関連のリリースを材料に、伊勢化学工業やイーグル工業が急騰した。
一方、1Qが減益となったSCREENが9.7%安。アドバンテストの急落も嫌気されて、東京エレクトロンやディスコなど半導体株が売りに押された。ソフトバンクGが後場に崩れて4%近い下落。三菱UFJなど銀行株が弱く、ほくほくFGや七十七銀行など地銀株に下に値幅が出るものが散見された。東証から監理銘柄(審査中)に指定されたオルツがストップ安となった。
日経平均は大幅安。アドバンテストは6月中盤辺りから日本株の上昇を先導するような動きを見せていただけに、この銘柄が崩れてしまうと楽観ムードに水が差されてしまう。アドバンテストはあすの引け後に決算発表を予定しているだけに、あすも思惑が入り交じって振れ幅が大きくなる可能性がある。
米国ではあすからFOMCが開催される。今回は政策金利の変更はないとみられているが、直近でトランプ大統領が利下げを強く要求しており、結果を受けた大統領の発言がマーケットのかく乱材料となる可能性がある。そのため、発表前は上値追いに慎重となるだろう。日本では本日半導体株が弱かったため、あすは一時的に買い手不足に陥る展開も想定される。大崩れすることなく値を保ってほしいところで、節目の41000円や5日線(41045円、28日時点)を意識した動きが見られるかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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