
午前の為替予想は… 関税協議進展でドル全面高 注目は米中協議とFOMCへ
作成日時 :2025年7月29日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 中村勉
ドル円予想レンジ
147.700-149.500円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。米国と欧州連合(EU)の関税協議が合意に達し、中国との関税停止措置が延長されるとの期待の高まりも相まって、全般的にドル買いが優勢となり148.58円前後まで上値を伸ばした。
米国の関税政策を巡る不透明感が徐々に晴れつつある中で、トランプ米大統領の就任後に売られたドルの買戻しにつながっている。本日は米中関税交渉の2日目で、協議終了後に両国から何らかの発表があるだろう。市場の期待通りに関税協議に進展が見られるか注目したい。関税においては、米国のインフレを高止まりさせ、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げに動きにくくなるとの見方につながることから米中協議に進展があればドルは続伸するだろう。一方で、本日から2日間にわたり米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることから、結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がりやすく、ドルの上値が抑えられることも考えられる。7月16日高値の149.18円前後や200日移動平均線の通る149.59円前後が上値目途として意識されよう。材料面では米6月JOLTS求人件数や米7月消費者信頼感指数が発表される。
今朝 最新のドル/円チャート

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 関税協議進展でドル全面高 注目は米中協議とFOMCへ
29日の東京外国為替市場でドル円は小動き。8時時点では148.50円とニューヨーク市場の終値(148.53円)と比べて3銭程度のドル安水準だった。前日終値付近での小動きとなった。アジア時間は手掛かり材料難が予想されるが、株価や米金利動向などをにらみながら、昨日からのドル買いの流れが継続するか見極めたい。また、本日はスポット応当日が月末とあって仲値前後の実需勢の動向にも注意が必要となる。
欧米通商合意に加え、米中協議で成長見通しが改善。さらに、米7月ダラス連銀製造業活動指数が予想外のプラス圏に改善、また、7月連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き観測、5年債入札も低調で長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。日本の政局不安に円売りも強まった。
28-29日にストックホルムで開催されている米中通商協議では、5月のロンドンでの協議のように合意に向けた前向きな結果、あるいはロシア産原油輸入に対する第2次関税による紛糾で3カ月延期などのシナリオを想定しながら結果を待つことになる。
(各市場の動き) ・ユーロドルは頭が重かった。欧州連合(EU)と米国が関税率15%で合意したことを受けて、週明け早朝取引では一時1.1779ドルまで値を上げたものの、欧州市場に入ると全般ユーロ売りが目立った。市場では欧米の貿易合意について「詳細な内容に不透明な部分が残る」「米国のニーズを満たすために再び条件が変更されないかどうかが不透明」との指摘があった。NY市場に入ると、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、3時前に一時1.1590ドルと日通し安値を付けた。
昨年7月末のFOMCでは、政策金利は据え置かれたものの、パウエルFRB議長が利下げに言及したことで、植田日銀総裁の利上げ示唆と合わせてドル売りに拍車がかけられていた。
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ポジティブサプライズの背景としては、トランプ米大統領やベッセント米財務長官が中国との関係が良好という融和的な姿勢を示し、王毅中国外相も「レアアースの輸出について他国と協力する」というスタンスを示していたことが挙げられる。ネガティブサプライズの背景としては、米国がロシアから輸入している国に第2次関税を課すことを警告していることによる協議難航が挙げられる。
ユーロ円は5営業日ぶりに反落。終値は172.15円と前営業日NY終値(173.36円)と比べて1円21銭程度のユーロ安水準。ユーロ全面安となった流れに沿って、一時172.07円と日通し安値を更新した。 なお、ユーロ豪ドルは一時1.7770豪ドル、ユーロNZドルは1.9409NZドル、ユーロポンドは0.8666ポンド、ユーロカナダドルは1.5907カナダドル、ユーロスイスフランは0.9304スイスフランまで値を下げた。
ところが、22日に発表された米7月リッチモンド連銀製造業指数は▲20と、6月の▲7から改善予想に反して悪化し、5カ月連続のマイナスとなり、昨年8月以降ほぼ1年ぶりの低水準となりました。これを受けてドル/円は1ドル=147円台前半から1ドル=146円台半ばへのドル安・円高となりました。
23日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)の終値は前日比507・85ドル高の4万5010・29ドルとなり、昨年12月4日の過去最高値(4万5014・04ドル)に迫った。日米関税交渉が合意に至り、米国と欧州連合(EU)など他の国・地域との協議も進展するとの期待が高まった。IT企業の銘柄が多いナスダック総合指数の終値は127・33ポイント高の2万1020・02で、2営業日ぶりに過去最高値を更新した。
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いで148.58円まで上昇した。ユーロドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いで1.1585ドルまで下落した。
しかし、22日には、パウエル議長について「今辞任すべき理由は見当たらない」と支持を示しました。マーケットを刺激しないように硬軟織り交ぜての発言のようにみえますが、トランプ政権からさらにFRBへの圧力が強まると米国(ドル)への信任問題へとつながる可能性があるため要注意です。
31日のFOMCやパウエル議長の記者会見で、FRBへの批判や圧力に対してどのような反応を示すのか注目です。内容によっては相場が大きく動き出すかもしれません。
ユーロ・ドルは1.1662ドルから1.1585ドルまで下落し、引けた。
ドル円は、攻防の分岐点である149.60円台の200日移動平均線に向けて上昇基調となっている。しかし、トランプ米大統領やベッセント米財務長官が円安を牽制しており、トランプ米大統領が非関税障壁としての円安に不満ならば、対日関税が25%に戻る可能性は念頭に置くべきかもしれない。


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