フジへのCM再開 なぜ今相次ぐ
高松市に本社がある四国電力は、フジテレビが制作し、3つの系列局が、愛媛、高知、それに香川と岡山で放送している番組でのコマーシャルについて、21日、放送を見合わせることを決めました。契約済みの枠は公益社団法人の広告に差し替える対応をとるということです。四国電力は「一連の報道を受けて総合的に判断した」としています。
タレントの中居正広さんと女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたなどと週刊誌で報じられたことをめぐり、フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」は23日に臨時の取締役会を開き、これまでのフジテレビの対応に問題がなかったかを議論した上で社外取締役が求めている独立した第三者委員会の設置について検討することにしています。大手企業の間ではフジテレビの番組でのコマーシャルの放送を見合わせる動きがさらに広がっています。
明治は28日、フジテレビにCM出稿を8月1日から順次再開すると発表した。金曜午後8時のバラエティー番組「ウワサのお客さま」から出稿を再開するとしている。放送見合わせを要請していた1社提供番組「未来CHO人図鑑」(木曜・後10時54分)も合わせて再開することが決定した。
――フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングスは、2025年3月期の売上高の予想を501億円減に下方修正しました。CMを見合わせたスポンサー企業は1月下旬に70社を超えました。また、フジテレビの会長と社長は辞任に追い込まれました。
フジテレビへのCM再開の動きがここにきて加速している。
同社広報部は「経営体制の刷新などフジテレビ社の再生・改革に向けた取り組みについて一定の評価ができると考え、再開の判断をしました」と説明。「引き続きフジテレビ社に対して、人権尊重への取り組みや再発防止策に関し、確実に遂行していくことを求めて参ります」とした。
フジテレビの番組でのコマーシャルを差し止める動きは、大手企業の間で広がっています。差し止めを決めた企業(NHKが各社に取材)▼自動車▽トヨタ自動車▽ホンダ▽日産自動車▽スズキ▽マツダ▽ダイハツ工業▽SUBARU▽三菱自動車工業▼情報・通信▽NTT東日本▽KDDI▽ソフトバンク▽楽天グループ▼電機・機械▽三菱電機▽任天堂▽クボタ▼流通・小売り▽セブン&アイ・ホールディングス▽ローソン▽イオン▽ヤマダホールディングス▼飲食・レジャー▽オリエンタルランド▽日本マクドナルド▽ウーバーイーツ▼飲料・食品▽アサヒグループホールディングス▽キリンホールディングス▽サントリーホールディングス▽サッポロビール▽明治▽日清食品▽味の素▽ハウス食品▽JT=日本たばこ産業▼医薬品・化粧品・日用品▽花王▽ライオン▽P&Gジャパン▽塩野義製薬▼金融▽三井住友銀行▽日本生命▽第一生命▽明治安田生命▽大和証券グループ本社▼鉄道・物流・建設・不動産▽JR東日本▽三井不動産▽三菱地所▽東急不動産▽大東建託▽戸田建設▽佐川急便▼エネルギー▽東京電力ホールディングス▽東京ガス▽コスモエネルギーホールディングス▼団体▽日本中央競馬会また各地域でも同様の動きが出ていて、九州電力と四国電力はフジテレビが制作し、系列局が放送している番組でのコマーシャルの差し止めを決めました。一方、キッコーマンは単独のスポンサーとして提供している番組「くいしん坊!万才」について1月26日から当面、放送を見合わせるようフジテレビに要請しました。
九州電力はフジテレビが制作し、系列局が九州地方で放送している番組でのコマーシャル放映の見合わせを決めたということです。契約済みのコマーシャル枠を公益社団法人の広告に差し替えるとともに、新たな契約は当面、見送るとしています。九州電力は「一連の報道を踏まえ、当社としてもコンプライアンスを重視する観点から見合わせることとした」としています。
同社はフジテレビの元タレント・中居正広氏の女性トラブルに端を発する一連の問題を受け、1月20日から出稿を見合わせていた。
このほか、JR九州も同じくフジテレビが制作し、系列局が九州地方で放送している番組でのコマーシャル放映の見合わせを決めたということです。JR九州は「グループの人権基本方針に反する行為が疑われたため、総合的に勘案して決定した」としています。
福岡市に本社がある西部ガスはフジテレビが制作した番組でのコマーシャル放映の見合わせは決めたものの、フジテレビの人気アニメ「サザエさん」のキャラクターを起用したコマーシャルについては継続するとしています。西部ガスは「フジテレビの説明不足と会社全体のコンプライアンスの懸念を重視し、総合的に判断した。一方で、サザエさんは世代を超えて親しまれる国民的なキャラクターなので継続を決めた」としています。3社とも九州の系列局が制作する番組ではコマーシャルの放映を続けるということです。
塩野義製薬は、フジテレビで1964年の放送開始から単独のスポンサーとして提供している音楽番組、「ミュージックフェア」について、コマーシャルを見合わせることを決めたということです。公益社団法人の広告に差し替えるとしています。一連の問題をめぐるフジテレビの対応について塩野義製薬は「一連の報道が事実であれば容認できるものではない。事実内容と今後の対応について説明がなされるべきだ」としています。


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