図表でわかる財務分析 マイクロソフト(Microsoft)2025年3Q決算・4Q予想 2025年7月29日 CFDレポート

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図表でわかる財務分析 マイクロソフト(Microsoft)2025年3Q決算・4Q予想 2025年7月29日 CFDレポート

 

(写真提供:Adobe Stock)

 

 クラウドとAIを軸に力強い成長を続けるマイクロソフト(Microsoft)。業績好調な同社の2020年 (FY20)から2024年(FY24)までの通期ベースの決算内容と、2025年の1Qから3Qまでの四半期ベースの決算内容を丁寧に読み解き、加えて2025年(FY25)4Q(通期)がどのような結果になるのかという業績予想から、マイクロソフト(Microsoft)の将来を展望して見ました。

(1)マイクロソフト(Microsoft)の直近業績と2025年4Q(通期)の業績予想

 まず、損益計算書を使って、マイクロソフト(Microsoft)の「今」と「すぐ先の未来」を見ていきましょう。以下の表は、2023年(FY23)1Qから2025年(FY25)3Qまでと市場が予測する2025年(FY25)4Qの業績予想をまとめたものです。

 直近の業績トレンドは、マイクロソフト(Microsoft)がいかに強力な成長サイクルに入っているかを明確に示しています。売上高は前年同期比で常に二ケタ成長を記録し、特に驚異的なのは営業利益率です。巨大企業でありながら、その利益率は40%と非常に高水準を安定して維持しており、「アジュール(Azure)」と呼ばれるクラウドと「コパイロット(Copilot)」と呼ばれるAIを組み込んだ法人向けビジネスが、圧倒的な収益源となっていることがわかります。

 ハイテク・IT市場を担当する米証券アナリストが示した2025年(FY25)4Qのマイクロソフト(Microsoft)の業績も、この力強いトレンドの継続を見込んでいることがわかります。4Qの売上高は四半期ベースで過去最高の75,000百万ドルに達する見込みです。これは、生成AI関連サービスの収益化が本格化し、「アジュール(Azure)」クラウドサービスの成長を、さらに加速させることへの強い期待が込められています。

 一方で、AI開発競争をリードし続けるためには、データセンターなどへの巨額の設備投資が不可欠です。この投資負担をこなしながら、高い利益率を維持できるかが、今後の課題となります。また、世界的な規制当局による監視の目も、常に意識すべき経営リスクです。

(2)通期ベースで見たマイクロソフト(Microsoft)の成長と収益性

 会社の「年間の成績」をまとめたのが損益計算書です。この5年間でマイクロソフト(Microsoft)の「稼ぐ力」がどう変化したのかを、過去5年間の通期ベースで見ていきましょう。

 

1)売上高の動向

 マイクロソフト(Microsoft)の売上高は、2020年(FY20)の143,015百万ドルから2024年(FY24)の245,122百万ドルへと、5年間着実に成長しています。特に2021年(FY21)から2022年(FY22)にかけて、クラウドサービスの「アジュール(Azure)」急拡大を背景に、高い成長率を記録しました。2023年(FY23)は成長が一時的に鈍化しましたが、2024年(FY24)には生成AI関連サービスの需要を取り込み、再び成長が加速しています。2025年(FY25)もこの勢いは続くものと予想されています。

2)営業利益の動向

 本業の儲けを示す営業利益は、売上高の成長を上回るペースで増加しており、マイクロソフト(Microsoft)の収益性がいかに高いかを物語っています。特筆すべきは営業利益率です。2021年(FY21)以降、常に40%を超えるという驚異的な水準を維持しています。これは、強力な製品ラインナップやサービス価格の決定力と、効率的なコスト管理が両立できている証拠です。2025年(FY25)には、AI関連の高付加価値サービスの貢献により、利益率がさらに上昇すると見込まれています。

3)当期利益の動向

 最終的な利益である当期利益も、ほぼ右肩上がりで増えてきました。2023年(FY23)は、巨大ゲーム会社「アクティビジョン・ブリザード」の買収に関連する費用や、大規模な従業員削減に伴う退職関連費用により、数億ドル規模の特殊な一時費用が発生したため、純利益はわずかに減少しましたが、これらの一過性要因が解消された2024年(FY24)には、純利益は過去最高の88,136百万ドルを記録。さらに2025年(FY25)には、AI事業の本格的な収益化を実現、112,042百万ドルと予想されており、当期利益は再び力強い成長軌道に戻っています。

(3)株主価値指標の動き

1)EPS(1株当たり利益)

 EPSは会社が稼いだ最終的な利益を株式1株あたりに換算したものです。株主にとっては、自分の持っている1株がどれだけの価値を生み出したかを示す、最も重要な指標です。マイクロソフト(Microsoft)のEPSは、当期利益の増加に伴い、一貫して上昇しています。

2)PER(株価収益率)

 PBRは現在の株価が、EPSの何倍まで買われているかを示す指標で、市場の「期待度」を表します。PERは25倍から35倍の範囲で安定的に推移しています。超巨大企業でありながら、市場から依然として高い成長性を期待されていることを示しています。

3)PBR(株価純資産倍率)

 株価が、1株あたり純資産(会社の解散価値)の何倍かを示す指標で、ブランド力や技術力といった無形の価値も評価に反映されます。PBRも10倍を超える高い水準で、同社の持つ強力なブランドや技術力が市場から高く評価されていることがわかります。

(4)貸借対照表で財務の「安定性」をチェック

 続いて貸借対照表のデータを分析してみます。会社がどれくらいの財産(資産)を持ち、どれくらいの借金(負債)を抱え、最終的にどれだけの純資産を持っているかというバランスから財務の安定性を計測します。会社の「健康診断書」です。

1)資産・負債・純資産の動向

 事業拡大で資産は増加し続けています。一方で負債の伸びはそれを下回っています。その結果、会社の「真の財産」である純資産は、2020年(FY20)の118,304百万ドルから2025年(FY25)3Qは321,891百万ドルとなり、5年で2倍以上に増加しています。利益を着実に内部に蓄積し、会社の体力が飛躍的に強くなっていることを示しています。

2)流動比率

 流動比率(短期的な支払い能力)は、2020年 (FY20)には251%超で、最近でも常に120%超える高水準を維持しており、短期的な安全性は万全です。

3)自己資本比率

 自己資本比率(長期的な安定性)は年々上昇しています。近年は50%を超える極めて健全な水準です。マイクロソフト(Microsoft)が借金に頼らず、安定した経営を行っていることが読み取れます。

(5)キャッシュフロー計算書で「健全性」を判断

 最後にキャッシュフロー計算書を確認しましょう。利益が出ていても、現金に余裕がなければ、企業経営は苦しくなってしまいます。現金の「出入り」を示す「会社の家計簿」から、その健全性をチェックします。

1)営業キャッシュフロー(営業CF)

 本業で稼ぐ現金を示す営業CFは、2020年(FY20)の60,675百万ドルから2024年(FY24)には118,548百万ドルへと、力強く増加し続けています。マイクロソフト(Microsoft)のビジネスが、会計上に記された「数字の利益」だけでなく「本物の現金」を生み出していることを示しています。

2)投資キャッシュフロー

 投資キャッシュフロー(投資CF)は常に大きなマイナスです。これは稼いだ現金をAIやデータセンターといった未来の成長分野へ積極的に再投資している証拠です。

3)財務キャッシュフロー

 資金のやりくりを示す財務キャッシュフロー(財務CF)が一貫して大きなマイナスとなっているのは、マイクロソフトが株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと位置づけているためです。具体的には、「増配を続ける配当金」と「大規模な自己株式取得」を両輪で行っています。

 特に自己株式取得の規模は非常に大きく、2021年(FY21)に承認された60,000百万ドル(600億ドル)のプログラムを使い切る前に、2024年(FY24)の9月には、それを置き換える形で、同程度となる60,000百万ドル(600億ドル)規模のプログラムを、新たに承認しています。この継続的な大規模還元が、借入金の返済と並んで、財務CFの大きなマイナスとなっている要因です。

(6)マイクロソフト(Microsoft)の2025年4Q(通期)予想は・・・

 さて、マイクロソフト(Microsoft)の過去の財務データを分析したことで、同社が驚異的な収益性と盤石な財務基盤を持つ優良企業であることを確認しました。

 そして、2025年(FY25)4Q(通期)の業績予想は、売上高・利益ともに過去最高を更新する力強い見通しとなっています。これは過去の分析で明らかになった「本業(営業CF)で圧倒的に稼ぎ、未来(投資CF)に投資し、株主(財務CF)に還元する」という理想的な経営サイクルが、AIという新たな成長ドライバーを得て、さらに加速することを示唆しています。売上や利益といった単純な数字だけでなく、高い利益率、潤沢なキャッシュフロー、盤石な財務状況など、複数の視点から高い評価を下すことができます。巨大企業「マイクロソフト(Microsoft)」の真の強みと今後の明るい展望が、図表でわかりやすく示した財務分析から明らかになりました。

 

(本文ここまで)

岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。
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図表でわかる財務分析 マイクロソフト Microsoft

ERPパッケージは年々価格が下がっており、中小企業向けに特化したものやオープンソースのものまで幅広くあります。自社の業務にあわせたカスタマイズが発生しますが、ERPベンダーやERPパッケージによってカスタマイズ範囲やかかる費用が大きく異なります。

Azureを利用するメリットは、巨大なバックボーンネットワークが使用可能であることです。AzureはMicrosoftによって世界各国に拠点が展開されています。各拠点はバックボーンネットワークで接続されているため、ユーザーはこのネットワークを利用した通信が可能です。データの分散やシステムの連携など、多くのエリアで展開されたサービスを利用したい場面でも、少ないネットワーク遅延で利用が可能となっています。

Microsoftが提供するクラウドサービス「Azure」をご存知でしょうか。企業はもちろん消費者もクラウドを利用する時代です。しかし、今さら「クラウドって何?」と聞けない人がいるかもしれません。あるいは、Azureの費用が分からない、何ができるか知りたいなど、さまざまなレベルの疑問を持つ人々がいるのではないでしょうか。

Azureは多様なOS、DB、プログラミング言語に対応しているというメリットがあります。MicrosoftのOSといえばWindowsですが、Linuxも利用可能です。またDBもOracleやMySQL、PostgreSQLなどさまざまな製品に対応しています。プログラミング言語についてもPython、JavaScript、Java、.NET、Goなど、多数の言語に対応しているため、多くのユーザーがv自身の得意な言語で開発を進めることが可能です。

マイクロソフトは、Copilot for Financeで次のようなことが自動化されると説明しています。

このとき、クラウド移行のための自動化ツールを利用すると、現在の環境とアプリケーションの依存関係が分析できます。迅速に作業を完了するためには、依存関係の少ないアプリケーションの移行から着手することが重要です。なお、SQL ServerをAzure に移行する際の互換性を確認するツールとして、「Data Migration Assistant」が用意されています。

Azure Portalは Azureを統合的に管理するためのコンソール画面です。Azureにログインするのみで利用できます。AzureはCLIなどコマンドベースの操作が可能です。しかし、Azure Portalの利用でGUIによるコマンドが不要で分かりやすい画面での操作も可能となっています。よって、プログラミングやコマンドの知識がなくても利用が可能というところがメリットです。Azure Portalの利用によって全てのリソースに対して操作が可能です。また自身が使いやすいようにカスタマイズすることもできます。

PowerPoint(パワーポイント、パワポ)はマイクロソフト社が提供するプレゼンテーションソフトです。PowerPointにはスライド機能や図の作成機能、アニメーション機能などプレゼン資料の作成に必要な機能が一式揃っており、プレゼン発表において使用される機会が非常に高いソフトです。初心者でも直感的に操作できるソフトでありながら、使いこなすことで凝ったデザインを作成することもでき、幅広い人に使用されているのが特徴です。

システム部門とユーザ部門、そしてERPコンサルタントがよくERPを理解した上で話し合いましょう。カスタマイズすべきこと、システムにあわせるべきこと、カスタマイズ以外の方法でいくべきことをうまく調整するのが失敗を避けるコツです。特に、標準機能の他の方法で行けることでもERPコンサルタントが不勉強で安易なカスタマイズに走るということもよくありますので注意して下さい。

さて、マイクロソフト(Microsoft)の過去の財務データを分析したことで、同社が驚異的な収益性と盤石な財務基盤を持つ優良企業であることを確認しました。 そして、2025年(FY25)4Q(通期)の業績予想は、売上高・利益ともに過去最高を更新する力強い見通しとなっています。これは過去の分析で明らかになった「本業(営業CF)で圧倒的に稼ぎ、未来(投資CF)に投資し、株主(財務CF)に還元する」という理想的な経営サイクルが、AIという新たな成長ドライバーを得て、さらに加速することを示唆しています。売上や利益といった単純な数字だけでなく、高い利益率、潤沢なキャッシュフロー、盤石な財務状況など、複数の視点から高い評価を下すことができます。巨大企業「マイクロソフト(Microsoft)」の真の強みと今後の明るい展望が、図表でわかりやすく示した財務分析から明らかになりました。

Microsoft Copilot for FinanceはSAPやマイクロソフトのERPを含む、Copilot Studioによるさまざまなデータソースと接続したうえで、AIにプロンプトで指示することにより、これまで経理部門が手作業などで行っていた決算書や未収金の確認、財務諸表の監査、予実分析などを自動的に実行もしくは支援してくれるというものです。

ERPは年商500億円以上の大企業を中心に普及しました。大企業は経営資源が大量でその管理の効率化が必要だったことと、ERP導入においてカスタマイズ費用がかかるため大企業でないとコスト負担に耐えられないといった理由がありました。大企業向けのERPとしてはSAP、Oracle、Microsoftの3社で世界シェアの過半数を超えています。

OfficeやShare Pointなど、他のMicrosoft製品を利用している場合は、Azureのサービスと連携して運用できます。同じ会社の製品・サービスのため操作感が似ており、Azureを新たに導入する場合でも抵抗を感じにくいでしょう。

ERPは膨大なデータを1か所に集め、多くの業務システムがアクセスするため、データベースがネックとなりパフォーマンスが悪くなることがあります。それでも標準機能ではかなりチューニングされており気にならないことが多いのですが、カスタマイズした部分でパフォーマンスが出ないという報告が多くあがります。

Azureでは、提供されている仮想マシン(VM)のスペックを選択する際に、あらかじめ決められたサイズや構成から選ぶ必要があります。このため、特定の要件に合わせてVMをカスタマイズする柔軟性が制限されることがあります。

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