【FX】ドル/円米雇用統計FX売買戦略!8月相場を徹底分析 #外為ドキッ(2025年8月1日(金) 12:00~13:00)
FX実践解説、相場分析&リアルトレード、ドル円などの注目材料(2025年8月1日(金) 21:00~23:00)
執筆日時:2025年7月29日 13時00分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
8月1日の米国雇用統計の予想と戦略「米移民問題が強まれば雇用は底堅い展開か、今月もノイズを含み波乱となる危険も」2025年8月号-By 外為どっとコム総研 #外為ドキッ
はじめに-民間部門や移民の動向に着目
2025年8月1日(金)、日本時間21時30分に米国で7月分の雇用統計が発表されます。6月分のNFP(非農業部門雇用者数)は民間部門の弱さを政府部門が補う格好となり、市場の一部ではノイズが含まれていたのではないかとの見方が優勢でした。こうしたノイズが取り除かれ、労働市場の基調的な様子が確認できることが期待される一方で、今月は移民問題がノイズになる可能性があり、労働市場の強弱を判断しづらい状況が続くかもしれません。まずは前回の振り返りからです。
前回のおさらい-利下げ再開見通し高まらず
・政府部門の急拡大が波乱要因に
7月3日に発表された米国の6月NFPは、市場予想の11.0万人に対して14.7万人となり、労働市場がなおも底堅さを維持していることを示しました。5月分のNFPも13.9万人から14.4万人へ上方修正されています。
また、失業率は4.1%と前月の4.2%から低下しました。ただ、平均時給は前月比で0.2%、前年比で3.7%といずれも前の月から低下しました。結果を受けて、FRBの7月利下げ期待は大きく低下し、最短でも9月利下げを織り込む形になっています。
もっとも、内訳を見ると、民間雇用者数が7.4万人と、5月の13.7万人から半減した一方で、政府部門は5月分の7千人(0.7万人)から7.3万人へ大幅増加し、全体を押し上げました。しかも、教育分野が政府部門の8割強を占めました。異例の結果を受け、一部アナリストは季節調整の問題を指摘するなど、今後の雇用情勢を注視する必要があります。
図表1.分野別新規雇用者数(千人)※出所:データ米国労働省
各市場の反応
【為替市場】
米ドル/円は145.232円まで上昇しました。
目先の米利下げ期待が後退する中で、長期金利の指標となる米10年債利回りが4.35%台と6月24日以来の水準まで上昇したことで、米ドル買いが進展しました。
【株式市場】
底堅い雇用データを受けて米経済への不安が和らぎ、株価を押し上げました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合は続伸し、史上最高値で取引を終えたほか、S&P500種も過去最高値を更新しています。
ダウ平均は前日比 0.77%(+344.11)上昇の44,828.53ドル、
ナスダック総合は前日比 1.02%(+207.97)上昇の20,601.10、
S&P500種は前日比 0.83%(+51.93) 上昇し6,279.35 で取引を終えました。
【金市場】
米金利が上昇する中で、金利が付かない資産である金の魅力が相対的に低下し、スポット価格は 3,312ドル付近まで下落。下げ一巡後は、3,327ドル付近へ戻したものの、米ドル高の流れから戻り幅は限定されました。
図表2.前回発表前後のドル円の動き
米ドル/円 5分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」
今回の見どころ-民間部門のリバウンドを期待
・労働市場は硬直化の兆し
・失業率は4.2%へ悪化予想
株価が堅調であるほか、移民政策の影響により農業や建設業などで外国人の労働力不足が散見され、企業の人員確保が困難になりつつあります。そのため、民間部門の雇用は建設業中心に前月の落ち込みからの回復が期待されます。また、新規失業保険申請件数の悪化がピークアウトしている点も雇用回復を期待させる材料です。
図表3.米労働市場における米国外生まれの労働者の割合(%)

出所:各種公表データを基に外為総研が作成
ただし、Indeedの求人指数は鈍化傾向が続いているほか、チャレンジャー社の調査における人員削減予定数の減少からは、企業が採用を控える一方で、人員削減を控えている様子がうかがえ、労働市場の硬直化が進んでいる可能性があります。こうした状況では、雇用創出のペースは加速しにくく、雇用市場の停滞が懸念されます。
これらを踏まえると、雇用創出の勢いは限定されるものの、移民政策による労働力を補う分の採用増加が期待でき、7月分のNFPは一時的に底上げされる可能性があります。雇用統計の結果は、米FRBが利下げを急がないことを正当化する材料となるのではないかと考えられます。
また、前月は労働参加率の低下から失業率は4.1%へ改善したものの、雇用の底堅さを受けて労働市場へ戻ろうとする求職者は一定程度いるとみられ、7月は4.2%へ悪化が見込まれています。
図表4.雇用関連データの推移

出所:各種公表データを基に外為総研が作成
新規失業保険申請件数、継続受給者数は雇用統計の調査期間と同じ期間のデータ
米ドル/円は、FRBが利下げを急がない姿勢を続けるとの思いから、買い目線を維持する構えで臨む動きが見られます。指標発表前の水準次第ですが、149.60円付近の200日移動平均線の突破を期待したいです。逆に、予想を下回る結果でも、終値ベースで21日移動平均線が推移する146.82円付近で踏み止まれば、買いを検討したいです。
図表5.ドル/円チャート

米ドル/円 日足
出所:外為どっとコム「ネオチャート」
付随データ
図表6.[雇用統計の実績と予想]
| 年月 | 非農業雇用者数変化(万人) | 失業率(%) | ||
| 予想値 | 初回結果 | 予想値 | 初回結果 | |
| 2025年07月 | 11.0 | – | 4.2 | – |
| 2025年06月 | 11.0 | 14.7 | 4.3 | 4.1 |
| 2025年05月 | 13.0 | 13.9 | 4.2 | 4.2 |
| 2025年04月 | 13.0 | 17.7 | 4.2 | 4.2 |
| 2025年03月 | 14.0 | 22.8 | 4.1 | 4.2 |
| 2025年02月 | 16.0 | 15.1 | 4.0 | 4.1 |
| 年月 | 平均時給/前月比(%) | 労働参加率(%) | |
| 予想値 | 初回結果 | 初回結果 | |
| 2025年07月 | 0.3 | – | – |
| 2025年06月 | 0.3 | 0.2 | 62.3 |
| 2025年05月 | 0.3 | 0.4 | 62.4 |
| 2025年04月 | 0.3 | 0.3 | 62.6 |
| 2025年03月 | 0.3 | 0.3 | 62.5 |
| 2025年02月 | 0.3 | 0.3 | 62.4 |
◇関連の経済データ実績
| 年月 | ISM製造業雇用指数 | ISM非製造業雇用指数 |
| 2025年07月 | – | – |
| 2025年06月 | 45.0 | 47.2 |
| 2025年05月 | 46.8 | 50.7 |
| 2025年04月 | 46.5 | 49.0 |
| 2025年03月 | 44.7 | 46.2 |
| 2025年02月 | 47.6 | 53.9 |
出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー」
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8月1日の米国雇用統計の予想と戦略 米移民問題が強まれば雇用は底堅い展開か 今月もノイズを含み波乱となる危険も
この1年、FRBの金利を巡る市場の期待は揺れ動いてきました。今年初めには年内に25ベーシスポイントの利下げが7回あると織り込まれていましたが、4月までにはこうした予想がほぼなくなりました。現在は年内にほぼ4回相当、25年には5回の追加利下げが織り込まれています。最初の利下げが25ベーシスポイントになるか50ベーシスポイントになるかを巡る予想を反映した債券市場の動きは、今月かなり激しくなっています。直近では、先週の経済成長・インフレ指標が予想を上回ったことで、市場は25ベーシスポイントの利下げを予想する方向に傾いています。
本日は弊社欧州サステナビリティ・リサーチの責任者であるマイク・キャンフィールド(Mike Canfield)が、すべての人に影響を与える話題についてお話しします。健康を害することの経済的代償や、高齢化と平均寿命の延びが医療にどのような根本的変化をもたらしているのかについて解説します。このエピソードは8月8日にロンドンで収録されたものです。
このエピソードは8月5日月曜日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
サウジアラビアで粛清が続いている。11月4日にサウジアラビア国家警備隊を率いていたムトイブ・ビン・アブドゥッラー、衛星放送のMBCを所有するワリード・ビン・イブラヒム・アル・イブラヒム、ロタナTVを含むエンターテイメント会社のロタナ・グループの大株主であるアル・ワリード・ビン・タラル王子、ネットワーク局ARTを創設したサレー・アブドゥッラー・カメルを含む人々が汚職やマネーロンダリングなどの容疑で逮捕された。中国で展開されてきた反汚職キャンペーンを真似したとも言われている。こうした粛清を指揮しているのはサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王とその息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子。国王は6月21日に皇太子を甥のムハンマド・ビン・ナーイフからビン・サルマンへ交代させ、ナーイフは自宅で軟禁されたと言われている。この新皇太子は国防大臣で、軍事部門や情報部門に大きな影響力を持ち、その兄弟も要職についている。今年4月にエネルギー担当大臣へ就任したアブドラジズ・ビン・サルマンや駐米大使になったハリド・ビン・サルマンだ。次のステップとして、ビン・サルマン皇太子が国王に就任するのではないかと見られている。こうした動きは昨年(2016年)から始まっているようで、12月には数十名の王子や王女が国外へ脱出し、カタールに対する兵糧攻めに反対した人々は逮捕され、今年9月には聖職者や司法関係者も逮捕されたと報道されている。ビン・サルマン皇太子はサウジアラビアを穏健なイスラムへ戻すとしているが、こうした逮捕者の中にはサウジアラビア王室のシリア侵略やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を批判してきた人も含まれているようだ。シリアやリビアへの侵略戦争が始まった時点でサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)、あるいはチェチェンの反ロシア勢力を動かしていたのはブッシュ家と親しいことで有名なバンダル・ビン・スルタン。2005年10月から15年1月まで国家安全保障会議の議長、12年7月から14年4月まで総合情報庁(サウジアラビアの情報機関)の長官を務めていた人物だが、ロシアが軍事介入した時点ではビン・サルマン皇太子に交代していたと言われている。今回の粛清劇を「穏健なイスラムへ戻す」だけで説明することはできないだろう。こうした粛清に対する反発が暴力の行使につながっている可能性もある。例えば、8月にビン・サルマン皇太子の暗殺未遂事件が伝えられ、10月7日にはジッダにある宮殿近くで宮殿への侵入を図った人物と治安部隊との間で銃撃戦があったという未確認情報も流れている。ダーイッシュやアル・カイダ系武装集団はタグを付け替えただけで、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力の傭兵部隊にすぎないことは本ブログで何度も説明してきた通りだが、2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍によってそうした武装勢力は壊滅寸前だ。アメリカやイスラエルはクルドを新たな傭兵にしようとしているが、クルドを敵視しているトルコは三国同盟から離反、カタールも離れてしまった。トルコとカタールはイランやロシアへ接近している。三国同盟が使ってきた傭兵の中核はサラフィ主義者とムスリム同胞団だが、そのムスリム同胞団への影響力はカタールの方が強いとされている。トルコも戦闘員を供給していたと言われているが、その2カ国が三国同盟から離脱したわけだ。この2カ国に続き、サウジアラビアもロシアへ接近していることは本ブログでも書いたことがある。サルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王は10月4日から7日にかけてロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、ロシアの防空システムS-400を含む兵器の取り引き、石油価格の安定化、シリア情勢などが話し合われたと言われている。サラフィ主義者やムスリム同胞団を主力とする武装勢力の劣勢が明らかになり、アメリカが手駒をクルド勢力へ切り替えたのは今年5月から7月頃。その間にサウジアラビアでは皇太子が交代、支配層での粛清が始まっている。イラクのサダム・フセインはCIAによって権力者になった人物であり、リビアのムアンマル・アル・カダフィやシリアのアサド親子はアメリカ支配層に協力してきたが、状況の変化で排除された。サウジアラビア国王が「疑心暗鬼を生ず」ということになっても不思議ではない。
■海外経済の回復に支えられたアベノミクス11月1日、第4次安倍内閣が発足した。全閣僚が再任され、政策を運営に当たっては経済の再生が最優先される方針が示された。具体的には、”生産性・人づくり”を進めることで経済成長を実現していくことが強調された。この内容は、これまでの安倍政権が重視してきた政策の内容と大きく変わらない。今後、政府が最重点で取り組むべきは規制を緩和し、企業がイノベーションを発揮しやすい環境を整備していくことだろう。政治的なしがらみを解消しながら、民間の活力を高めなければならない。それが生産性の向上や人材の育成につながる。それは容易なことではないが、構造改革を進めることができるか否かが安倍政権の課題だ。2012年12月の総選挙にて自民党が政権与党の座に返り咲いて以来、わが国の経済は緩やかな回復を維持している。当時の状況を振り返ると、米国の景気は緩やかに回復していた。それに加えて、中国政府が財政出動を進めてインフラ投資などを進め、需要が回復してきたことも見逃せない。米中の景気回復が国内経済を支えたことは重要なポイントだ。この見方に基づくと、2013年4月以降に日本銀行が進めた「異次元の金融緩和」は、米国主導で進んできたドル高・円安の流れをより強くしたといえる。事実、2011年10月末にドル/円は史上最高値の1ドル=75円32銭をつけ、それ以降は円が徐々に減価した。つまり、日銀の異次元緩和は円安のマグニチュードを増幅し、2015年半ばまで一時的なドル高・円安トレンドを支えた。こうして企業業績がかさ上げされ、株価も上昇した。その一方、労働市場を中心に多くの経済の専門家が注目してきた成長戦略=構造改革は十分に進まず、ある意味では御座なりになったともいえる。その証拠として、景気の回復にもかかわらず、実質ベースで賃金は増加していない。直近のデータを見ても、8月の実質賃金は前年同月比で0.1%の増加だった。これは、8ヵ月ぶりの増加だ。11月1日、第4次安倍内閣が発足した。全閣僚が再任され、政策を運営に当たっては経済の再生が最優先される方針が示された。具体的には、”生産性・人づくり”を進めることで経済成長を実現していくことが強調された。この内容は、これまでの安倍政権が重視してきた政策の内容と大きく変わらない。今後、政府が最重点で取り組むべきは規制を緩和し、企業がイノベーションを発揮しやすい環境を整備していくことだろう。政治的なしがらみを解消しながら、民間の活力を高めなければならない。それが生産性の向上や人材の育成につながる。それは容易なことではないが、構造改革を進めることができるか否かが安倍政権の課題だ。2012年12月の総選挙にて自民党が政権与党の座に返り咲いて以来、わが国の経済は緩やかな回復を維持している。当時の状況を振り返ると、米国の景気は緩やかに回復していた。それに加えて、中国政府が財政出動を進めてインフラ投資などを進め、需要が回復してきたことも見逃せない。米中の景気回復が国内経済を支えたことは重要なポイントだ。この見方に基づくと、2013年4月以降に日本銀行が進めた「異次元の金融緩和」は、米国主導で進んできたドル高・円安の流れをより強くしたといえる。事実、2011年10月末にドル/円は史上最高値の1ドル=75円32銭をつけ、それ以降は円が徐々に減価した。つまり、日銀の異次元緩和は円安のマグニチュードを増幅し、2015年半ばまで一時的なドル高・円安トレンドを支えた。こうして企業業績がかさ上げされ、株価も上昇した。その一方、労働市場を中心に多くの経済の専門家が注目してきた成長戦略=構造改革は十分に進まず、ある意味では御座なりになったともいえる。その証拠として、景気の回復にもかかわらず、実質ベースで賃金は増加していない。直近のデータを見ても、8月の実質賃金は前年同月比で0.1%の増加だった。これは、8ヵ月ぶりの増加だ。その意味で、アベノミクスが国内経済を本格的に回復させたとは言いづらい。政治基盤の安定により長期の視点で経済の動向を考える環境を整備したこと、金融緩和で一時的な期待を高めたことを考えれば、100点満点中60点が妥当な評価だろう。ただ、いつまでも米中の回復が続くわけではない。米中の景気が悪化すると、国内経済は厳しい状況に直面する恐れがある。■求められる成長戦略の原点回帰経済政策に焦点を絞ると、異次元の金融緩和以外にアベノミクスがそれなりの成果を示すことのできた政策はないと考えられる。通貨膨張を意味する「リフレ理論」に基づき、年間80兆円に達するペースで国債を買い入れ、企業や家計の借り入れ意欲を刺激しようとしてきた日銀の政策も限界に達した。更なる金融緩和は、金融機関の収益性悪化など経済にマイナスの影響を与えかねない。財政政策の側面では、高齢化の進展によって膨張する社会保障費の削減が必要だ。追加的な財政出動の余地は限られている。このように金融・財政政策の手詰まり感が高まる中、政府は構造改革を進め、民間企業の「新しい取り組み」を支える必要がある。それが、当初のアベノミクスが目指した「成長戦略」の本義であったはずだ。第4次安倍内閣は生産性の向上と人づくりを重視している。いずれの論点においても、”需要”がなければ実現は難しいはずだ。そのために政府ができることを考えると、規制緩和などを進めて、従来にはなかった取り組みを促進していくしかないだろう。民間企業が”イノベーション”をめざし、これまでにはない新しいモノやサービスを創出しようとする環境を作り出すことが求められる。このように考えると、安倍政権は成長戦略の原点に立ち返るべきだ。政府は、規制の緩和を進め、既存の企業と新規参入企業の両方が切磋琢磨して付加価値の増大を追求する状況を整備することに注力すればよい。それこそが、少子高齢化が進む中での潜在成長率の引き上げと、生産性の向上や人材の育成などに寄与するだろう。
株価は8月5日に直近の安値をつけてから上昇基調が続いています。この期間、米失業保険申請件数、ISMサービス業購買担当者指数など、いくつかの経済指標が市場予想を上回りました。こうした値動きは、短期的にはリスク資産が今後も成長に関する観測頻度の高いデータに反応し続けるという見方を裏付けるものです。以前弊社が算出した米S&P 500株価指数のフェアバリューのレンジは5,000-5,400ですが、成長に関する経済指標の改善が続けば、相場はこれを上回る水準を維持することも可能になるでしょう。
グアム島のアンダーソン空軍基地からは米韓合同軍事演習などのたびにB1爆撃機が朝鮮半島に飛来。これを敵視する北朝鮮は8月、中長距弾道ミサイル「火星12」4発を同時に発射し、島根県、広島県、高知県の上空を通過してグアム島周辺30〜40キロの海上に着弾すると威嚇していた。
もうひとつ重要な点を指摘すると、8月の米国の財政赤字は予想をおおよそ900億ドル上回り、年初来の財政赤字は1兆8,000億ドルを超えました。この財政政策は成長の助けとなった半面、民間経済と金融市場のクラウディングアウトの原因にもなっていると思われます。
本日は、モルガン・スタンレー米国公共政策ストラテジストのアリアナ・サルバトーレ(Ariana Salvatore)が、米国選挙の結果にかかわらずM&Aサイクルの力強い回復を予想する理由について解説します。このエピソードは8月13日にニューヨークで収録されたものです。
私の見解では、市場にとっての本当の試練は、9月6日に発表される8月の米雇用統計です。
このエピソードは8月1日木曜日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
2番目に、求人率は4.6%に低下し、FRBのウォラー(Waller)理事が失業率の上昇ペースが速まる目安として挙げた4.5%に接近しています。3番目に、FRBが先週発表した地区連銀経済報告によると、経済活動は鈍く、12地区のうち9地区で横ばい、あるいは減少しています。ただ、労働市場に関する説明はネガティブというよりもむしろニュートラルでした。これらのデータはコンファレンス・ボードの雇用トレンド指数とぴったり一致しており、雇用トレンド指数は労働市場の方向性を総合的に測る非常に客観的な指標だと私は考えています。コンファレンス・ボードが9日朝発表した最新の8月の雇用トレンド指数は軟化基調が続いているとはいえ、必ずしも景気後退を示してはいません。
北朝鮮が公式の立場を表明する媒体である『労働新聞』が10月28日に興味深い署名論評を掲載した。「われわれの国家核戦力の建設は既に、最終完成のための目標が全て達成された段階にある」と主張したのだ。北朝鮮の公式メディアが「目標達成」と報じたのはこの論評が初めてで、その後、「国家核戦力完成の終着点に達した」(朝鮮中央通信11月4日)などという同様の趣旨の言及が行われるようになった。 北朝鮮はこれまで、核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)が完成するまで一切の交渉に応じないという姿勢を見せてきた。今回の論評は、国際社会からの警告と制裁を完全に無視して核・ミサイル開発を急いできた金正恩政権の姿勢変化を示唆するものだ。 『労働新聞』の論評は署名入りが原則で、重要な論評の筆者は限られている。この論評を執筆したチョ・ナムス氏は、そうした重要論説を担当する一人。対米関係のほか、日本や韓国に対する批判的な論評を執筆し続けてきた人物だ。署名論評とはいえ、最高領導者の意向と異なる記事は掲載されない。金正恩委員長の認識を反映していることは確実だろう。 本来ならば、ICBMの発射実験を追加で1回は行ってから大々的に勝利宣言を出す、という形の方がすっきりしている。日米韓の専門家の間でも、追加実験を行った上で「米本土への核攻撃能力を確保した」と主張し、米国に対話を迫ろうとするのではないかという観測が強かった。中途半端な印象を与える『労働新聞』の論評という形式を取った意図はよく分からないし、トランプ米大統領の対応によってはミサイル発射を再開するつもりかもしれない。ただ、どちらにしても北朝鮮の出方について予断を持たず注視すべき時期に入ったようだ。■変化の予兆は7月のICBM発射から 北朝鮮の国営メディアの論調に変化が見られるようになったのは、米国の独立記念日に当たる7月4日のICBM発射以降である。北朝鮮メディアの報道によると、発射に際して金正恩委員長は「米帝との長い戦いもついに最後の局面に入った」「独立記念日の贈り物が気にくわないだろうが、今後も大小の贈り物を頻繁に送り続けてやろう」と語った。 北朝鮮メディアはその後、連日のように祝賀宴会の開催を報じつつ自国の戦略的地位向上を強調するようになった。 8月に入ると金絡謙戦略軍司令官が弾道ミサイル「火星12」4発を米領グアム沖に同時発射する計画があるなどと発言したことが報じられた。トランプ米大統領はツイッターで「北朝鮮が浅はかな行動を取れば、軍事的に対応する準備は完全に整っている」などと威嚇したが、金正恩委員長はこれに対して「愚かで間抜けなヤンキーの行動をもう少し見守ろう」と応じた。米国の反応を慎重にうかがいつつ、肩透かしを食わせようとするような論調が北朝鮮メディアでは続いた。 9月3日の6回目の核実験の際には、『労働新聞』が1面で朝鮮労働党の常務委員会によって実験実施が決まったと報じた。常務委の開催が確認されたのは初めてだ。外交を担当する金永南・最高人民会議常任委員長や経済を担う朴奉珠・内閣総理も入る常務委での決定であることを強調しようとしたのだろう。外交や経済も含めた長期的戦略をもって核実験に臨んでいることを内外に示したということだ。 北朝鮮は8月29日と9月15日に北海道上空を通過する形で弾道ミサイル「火星12」を発射したが、その後は本稿執筆時点(11月5日)までミサイル発射などを行っていない。■9月下旬から民生関連の現地指導を再開 金正恩委員長自身の動きからも、軍事から民生へのシフトが読み取れる。化粧品工場を視察する金正恩氏(提供写真)(提供:KCNA/AFP/アフロ) 金正恩委員長は9月下旬から、リンゴ畑や田圃、靴工場、化粧品工場といった国民生活に密着した「現地指導」を再開した。これらの現地指導は、今春から激減し、7月、8月には一度も行われていなかった。最高指導者が現地指導に訪れる先の分布はその時々の重点項目を示すものであり、核・ミサイル開発に集中して気を張り詰めていた時期はひとまず終わったと考えることができる。 10月7日の朝鮮労働党中央委員会第7期第2回全員会議(総会)で行われた大型人事も同様の文脈で理解できる。党中央委員会の開催は事前に予告されるのが通例だが、前回から1年5カ月ぶりとなる今回は予告なしでの開催だった。その背景は分からないが、金正恩委員長が突然開催を指示したということであろう。人事のポイントは、「軍人以外の登用」だ。党の政治局委員や委員候補に多くの幹部が抜擢されたが、その顔触れに生粋の軍人は一人しか入っていなかった。ここで昇格したのは、金正恩委員長の妹である金与正氏や新任の宣伝扇動部長、現役の外相、それに経済を担う幹部たちが中心だった。 北朝鮮が米国からの攻撃に備えているのであれば、この時期に外交・経済中心の人事シフトを敷いたりはしないだろう。そもそも党中央委員会を開く必要も、余裕もないはずだ。 そして冒頭に触れた『労働新聞』の論評である。さらに11月3日の北朝鮮・祖国平和統一委員会のウェブサイト「わが民族同士」は、「水爆とその運搬手段であるICBMまで保有したわが方が今になって米国の白昼強盗さながらの要求に応じることができると考えるなら、それよりさらに間の抜けた妄想はない」という論評を掲載した。米大陸を狙う核ミサイルを完成させたという立場を既成事実とみなすことにした可能性をうかがえるものだ。■先に核抑止力、後に経済建設が「並進路線」 金正恩政権は2013年3月、「並進路線(経済建設と核武力建設を並進させることについての新たな戦略的路線)」を新しい国家戦略として打ち出した。これは、経済建設と核武力建設(核・ミサイル開発)を同時並行で進めるというものではない。 金正恩委員長の発言をよく読むと、それは事実上の二段階論であることが分かる。「平和も、富強繁栄も、人民の幸福な生も、強力な核武力の上にあります」「自衛的な核保有を永久化し、それに基づいて経済強国を建設して決定的勝利を成し遂げましょう。そこに並進路線を提示したわが党の意図があります」などと述べられている。 つまり、先に抑止力を確保する。それによって平和が確保され、経済建設に集中できる、という論理なのだ。だからこそ金正恩政権は、強い経済制裁にもかかわらず核・ミサイル開発に邁進してきた。叔父の張成沢氏を処刑したり、幹部を突然降格させたかと思いきやすぐに再昇格させたり、金正恩委員長には主として人事政策と関連して「暴走」イメージが持たれやすい。だが、少なくとも「並進路線」については自分なりの論理に基づいた行動で一貫している。 金正恩委員長は「並進路線」によって、「国防費を増やさずとも、少ない費用で国の防衛力をさらに強化しながら経済建設と人民生活の向上に大きな力を回せるようにする」という展望を示したのである。■まず核開発を急いだ理由は、リビアの教訓と国内での権威付け とにかく核戦力の完成を急ごうとする並進路線が金正恩時代になってから登場した背景には、いくつかの要因が考えられる。核・ミサイル開発の第一の目的が抑止力確保であることは昔から変わらないのだが、金正日時代よりも金正恩時代の方がその傾向を強く見せている。 第1の理由としては、金正日国防委員長が死去し、金正恩国務委員長が権力を継承した2011年という時期を挙げられる。2003年に核開発計画を放棄したリビアのカダフィ体制は、まさに2011年に崩壊した。金正恩委員長は、カダフィ体制は核開発を放棄してしまったから自分を守ることができなかったと認識している。 金正恩委員長は並進路線を打ち出した頃、「バルカン半島と中東地域の諸国の教訓」から学ぶ必要を強調し、「核兵器保有国だけは軍事的侵略を受けなかった」と主張した。「中東」はリビアを念頭に置いた発言だ。リビアは核開発放棄によって内戦へのNATO軍の介入を防げなくなり、体制崩壊とカダフィ大佐殺害につながったという認識だ。 第2の理由は、権力継承時の年齢だろう。金正恩委員長が国のトップになったのは弱冠27歳の時で、現在でも33歳にすぎない。北朝鮮メディアは金正恩委員長の偉大性を国民に周知させようとする大々的なプロパガンダを繰り広げているが、祖父や父に比べれば実績不足は明白だ。それを核・ミサイル開発で補おうとしたことは明らかである。 北朝鮮の国営メディアは金正恩時代になってから、核実験やミサイル実験の実施を最高領導者自ら命じていることを大きく宣伝し始めた。核・ミサイル開発の成果を金正恩委員長個人に帰属させることによって、「若き指導者が先代も作れなかった核兵器やICBMを開発した」「国際社会は驚き、米国や日本は怯えている」「金正恩委員長はすごいではないか」という宣伝を展開してきたのである。 金正恩時代の「並進路線」が核・ミサイル開発を優先させる背景には、抑止力確保を急がねばならないという脅えとともに、金正恩委員長の権威付けという国内政治の文脈があった。そのために、これまで外交は後回しにされてきたと考えられる。■今後を読む鍵は金正恩氏の「現地指導」 昨年5月に開催された第7回党大会においても「並進路線」が恒久的な路線だと確認された。今年10月7日の党中央委員会全員会議では、「並進路線を堅持して主体の社会主義の道に沿って力強く前進してきたことは至極正しかったし、今後も変わることなくこの道へ前進しなければならない」と表明された。 あくまでも並進路線を追求するということだが、冒頭に述べたように対米抑止力を確保したという認識に至ったのならば、今後は経済に軸足を移していくことも考えられる。究極的には米国を相手にした交渉を行って自らに有利なディールをまとめたいのだろうが、抑止力が確保されたのならば、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換するための交渉を急ぐ必要はない。 それよりも、核・ミサイル実験を一時的に停止するだけでも対話に応じてきそうなロシアや韓国を相手にすればよいと考えているかもしれない。ロシアや韓国との対話を始めることによって国際包囲網を揺さぶりつつ、米国が無条件で対話のテーブルに着くのを待つというシナリオを考えている可能性すらありそうだ。 金正恩氏は、初めて「並進路線」について言及した際、その目的を「経済建設にさらに大きな力を注ぎ、わが人民達が社会主義富貴栄華を心ゆくまで享受する強盛国家を建設するため」だと規定した。現在もなお、経済建設の重要性は連呼されている。今後も民生関連の現地指導を主としていくのか、それとも軍関連が再び増えるのか。金正恩委員長の動静報道が情勢を見極めるヒントの一つとなろう。
モリカケ問題追及チーム(立憲民主党)/(C)日刊ゲンダイ 野党はスッタモンダしている場合なのか。6日、立憲民主党が「森友・加計学園問題」プロジェクトチーム(PT)の準備会合を開催。福山哲郎幹事長をはじめ、新人議員を含めた17人が参加した。 座長に就任予定の逢坂誠二衆院議員は「問題は行政の私物化。徹底追及する」と力を込めて語ったが、新人議員のために“イチから”レクチャーし、モリカケ問題をおさらいしている状況だ。 加えて、野党はまとまる気配がない。実際、希望の党は7日、加計問題の初会合を開く予定で、分裂前に民進党が計45回開いた「加計学園疑惑調査チーム」の会合は、各党主導でバラバラになっている。「野党が“一枚岩”になりきれてないのは、希望が代表選を控えている上に、参院中心の民進が党執行部人事を決めていないからです」(政界関係者)■「全員野球」を目指すと言うが… 来月9日までの特別国会の実質審議を無駄にしないためにも、野党は共闘すべきじゃないのか。立憲民主の会合終了後、PT事務局長の阿部知子衆院議員に「追及の超党派構想」について尋ねると、こう言った。「現時点で、超党派での動きはありません。当面は、各党で追及することになるでしょう。民進時代は一部の先生方が中心となって関係省庁にヒアリングをしていました。問題を深掘りできても、あらゆる論点を共有しないといけません。新人議員を含めた『全員野球』を目指します」 加計学園の獣医学部の開学を認める文科相への答申が今月10日にも出る見通し。この調子だと、官邸の関与といった重大な疑惑がウヤムヤのまま、来年4月の開学を迎えてしまう。 国会審議を目の前にして肝心の野党がバラバラなら、政権の逃げ切りを許すだけだ。
本日は弊社CIO兼米国株チーフストラテジストのマイク・ウィルソン(Mike Wilson)が、目先の資産価格に対する経済指標の重要性について解説します。このエピソードは8月27日にニューヨークで収録されたものです。


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