万博協会は「改善の余地があり 申し訳ない」と陳謝した
万博協会の石毛博行事務総長は12日の記者会見で、料金の値下げには慎重な姿勢を示しつつ、「P&Rは大きな荷物を車に積んで来場できる利点もある。使いやすさが行き渡ることが重要だ」と述べ、周知が必要との認識を示した。
万博協会は料金の設定にあたり、近郊からP&Rを利用した場合、鉄道よりやや高くなるようにした。試算では、神戸市から家族4人(大人2人、子供2人)で来場した場合、鉄道運賃は往復6240円だが、P&R(尼崎)の料金は高速代を含め6800円。
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今回の万博ではできるだけ公共交通機関での来場を促し、渋滞を起こさないことを目指した。万博協会幹部は「愛知のような渋滞は避けられているが、これだけ利用されないのは想定外だった」と話す。
万博協会は、市民が利用できなくなるなどとして、民間駐車場の利用自粛を求めている。
万博協会は、P&Rのシャトルバスの運行経費は約90億円で、駐車場の料金収入で賄う計画を立てているが、利用低迷が続けば、1160億円の運営費の収支に悪影響を与えかねない。
万博協会幹部によると、開幕1か月間の利用台数は1日計5000~7000台と見込んでいたが、実際には最大容量の1~2割にあたる1000~2000台にとどまっている。
念頭にあったのは、2005年愛知万博だ。来場者の半数がマイカーで訪れたため、P&Rの駐車場が満杯になり、周辺道路では連日渋滞が発生した。駐車料金は3000円だった。
日本国際博覧会協会は30日、大阪・関西万博の来場者に対する津波注意報の周知が遅れ、情報提供できたのは到達予想時刻後だったと明らかにした。協会の担当者は取材に「改善の余地がある。大変申し訳ない」と述べ、災害時の情報発信の在り方を検討する考えを示した。
大阪府への注意報が午前9時40分に発表されたのを受け、協会は対策会議を開催。万博会場はかさ上げされているため安全は確保できると判断し、通常通りの営業を決めた。だが、場内アナウンスや公式アプリで注意報を周知したのは、津波到達予想時刻の正午を過ぎていた。担当者は発信すべき情報の精査や、府や大阪市との調整に時間がかかったと説明した。
万博会場は人工島・ 夢洲(ゆめしま) (大阪市此花区)にあり、マイカーでの乗り入れは禁止されている。
料金は、万博会場近くのテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(同区)の駐車場(3600円)と比べて高くなっている。
民間駐車場のシェアサービスを展開する「akippa(アキッパ)」(大阪市)によると、4月13日~5月8日に万博での利用は3000回以上あった。中央線沿線に集中しており、1か月先まで予約が埋まっている駐車場もあるという。
ロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震で大阪府内に津波注意報が出たことについて、日本国際博覧会協会(万博協会)は30日、大阪・関西万博の会場内でアナウンスをしたのが午後0時7分で、府内への津波の到達予想時刻(正午)に間に合わなかったことを明らかにした。万博協会は「改善の余地があり、申し訳ない」と陳謝した。
日本国際博覧会協会(万博協会)はマイカー客向けに、予約制のP&Rを夢洲の隣の 舞洲(まいしま) (同区)と堺市堺区、兵庫県尼崎市に計3か所用意した。駐車台数はそれぞれ最大6240台、2000台、3000台。基本料金は舞洲が5500円、堺と尼崎が5000円で、時期によって割引や加算がある。会場までのシャトルバスの料金は無料としている。


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