ドル円午前の為替予想、米利下げ織り込み急上昇、過剰反応なら修正も 米債利回りがカギ 2025/8/4

ドル円午前の為替予想、米利下げ織り込み急上昇、過剰反応なら修正も 米債利回りがカギ 2025/8/4

午前の為替予想は… 米利下げ織り込み急上昇、過剰反応なら修正も 米債利回りがカギ

作成日時 :2025年8月4日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也

ドル円予想レンジ

146.400-148.200円

前日の振り返りとドル円予想

1日のドル/円は3円超の大幅下落となった。約4カ月ぶりに150.92円前後まで上昇する場面もあったが、米7月雇用統計で雇用者の伸びが著しく鈍化したことを受けてドルが急落。米7月ISM製造業景況指数が予想を下回ったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事が任期途中で辞意を表明したこともドル売り材料となり、147.29円前後まで下落した。なお、米国の非農業部門雇用者数は7月までの3カ月平均増加幅がわずか3.5万人増に縮小し、5年ぶりの低水準を記録。これを受けて米金利先物が織り込む9月利下げの確率は前日の40%前後から90%前後へ急上昇した。もっとも、パウエルFRB議長が「現在、最も重視すべき指標」として挙げた失業率は小幅な上昇にとどまっており、こうした点を踏まえると9月の利下げを一気に織り込む市場の動きは「過剰反応」の疑いもある。本日のドル/円は146円台への続落が視野に入るものの、FRBの早期利下げ観測に修正が入る形で流れが反転するリスクにも警戒が必要だろう。7月雇用統計を受けて幅広い年限で利回りが急低下した米国債の動きが本日のドル/円相場のカギを握ることになりそうだ。

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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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ドル円午前の為替予想 米利下げ織り込み急上昇 過剰反応なら修正も

ドル円(USD/JPY)については、参院選の結果だけでなく米利下げの動向も重要な材料である。

最初の焦点は、先週ドル円の上昇を止めた1月の高値と4月安値の半値戻しの水準149.38レベルの突破となろう。だが、参院選で自公大敗(シナリオ①)となれば、このテクニカルラインと心理的節目のライン150.00レベルを突破し、一気に151.00のラインを目指す可能性がある。

先週の米ドル/円は、前週に148円から反落した流れが続き、米金利が低下し日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小に連れながら一時142円台まで下落しました。ただ7月3日(木)に発表された米6月雇用統計が予想外に強い結果となったことで、米早期利下げ期待が後退し、米金利が大きく上昇したことから、米ドル/円も一時145円台まで反発しました(図表1参照)。

イスラエル・イランの戦争でドルは有事のドル買いで上昇し、原油が上昇しました。ドル/円も円安に動き、22日の米国の参戦で一気に1ドル=148円台の円安に動きました。

米ドル/円は「関税ショック」以降、142~146円をコアレンジとして、それを超えたところは「上ヒゲ」、「下ヒゲ」となってきました(図表5参照)。このため、このコアレンジの142~146円をどちらにブレークするかが当面の方向性を考える上で注目されるのではないでしょうか。

ところが、米国のイラン核施設の爆撃はFOMC後に起こったため、原油価格上昇に伴うインフレ懸念や経済悪化懸念からFRBは一層慎重姿勢になると思われましたが、停戦合意によって原油が再び70ドル割れとなったことからインフレ懸念が後退し、雇用重視姿勢に軸足が移るのではないかと市場は注目しています。

減税は、景気刺激の観点からも財政赤字拡大懸念の観点からも米金利上昇要因と考えられます。すでに見てきたように、雇用統計の結果を受けて米早期利下げ期待が後退したこともあり、週明け米金利は一段と上昇することになるかがまず注目されるでしょう。そして米金利が上昇し、日米金利差が拡大するなら、それに連れる形で米ドル/円も上昇することになるのか。

23日のボウマンFRB副議長の発言で7月利下げ期待が高まり、ドル安要因となりましたが、先週20日にはウォラー理事からも7月利下げの可能性を示唆する発言がありました。FRB高官からの相次ぐ7月利下げ示唆発言や停戦合意報道によって、7月29~30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が高まりつつあるようです。

ドル/円は、イスラエル・イラン戦争が起こる前は1ドル=145円がひとつの壁でした。紛争によって1ドル=145円を超えて148円台まで円安が進みましたが、停戦合意報道で1ドル=145円割れとなりました。まさに「行って来い」の相場となりましたが、この水準から米利下げ期待が高まるのであれば、再び1ドル=140円を目指して円高が進むシナリオも想定されます。

さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)ボウマン副議長が「(関税政策が)インフレに与える影響はごくわずか」とした上で、「インフレ圧力が抑制されたままなら健全な労働市場を維持するために、次回7月の会合での利下げを支持する」と述べたことも株高、ドル安に弾みをつけたようです。

米金利上昇、米国株下落となった場合、米ドル/円は政権1期目と同じように株安に追随して下落に向かうのか、それとも今回は違うのか。それが今週(7月7日週)の大きな焦点ではないでしょうか。

中東の混乱は、トランプ関税で減速する世界経済に追い打ちをかける事態となることが予想されます。しかし、中東情勢が落ち着いた時には、その後の経済先行き不安から米利下げ期待が高まる可能性があるというシナリオを描いていたところ、中東情勢はイスラエル・イラン停戦合意という急展開の動きとなりました。

雇用統計発表が終わったことで、次の焦点はいわゆるトランプ減税案が議会で成立したことが米ドル/円にどう影響するかに移ることになります。減税案はかねてよりトランプ米大統領が要請していた通り、7月4日の米独立記念日までに成立となりました。では、それが米ドル/円にどう影響するか。

24日、パウエル議長は米下院金融サービス委員会の公聴会で、「関税の引き上げが今年の物価を押し上げ、景気を下押しする可能性がある」として利下げを急がない姿勢を再表明すると同時に、「インフレが低下し労働市場が軟化した場合、利下げ前倒しの可能性も」と述べ、「インフレ率は予想ほど強くない可能性がある」などと発言すると、米長期金利の低下とともにドル売りとなり、1ドル=144円台半ばへと円高になりました。

トランプ米大統領は政権1期目にも大型減税を実施しました。この減税案が成立した後、米金利は大きく上昇し、それを受けて日米金利差も拡大しましたが、ただ米ドル/円は逆に下落しました。つまり、米金利上昇を尻目に米ドルが下落する「悪い金利上昇」となったのでした(図表3参照)。

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