
本日のロンドン為替市場では、ユーロドルは昨日に続き動きづらいかもしれない。その理由として、市場の関心が米国に移っているほか、ユーロ圏で目玉となりそうな経済イベントが見当たらないことが考えられる。
まず、現在の市場の関心についていえば、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測や、次期FRB理事の人事などが注目されるところである。ただ、次の米連邦公開市場委員会(FOMC)はまだ1カ月以上先であり、その間に雇用統計が1回、消費者物価指数は2回発表される。これらを控えていることもあり、今週に入ってからの対ユーロでのドル売りは今一つの印象がある。また、次期FRB理事についてはトランプ米大統領の発表待ちとなっていることも、手控えムードにつながっているかもしれない。
ユーロ圏については、先月24日の欧州中銀(ECB)理事会で8会合ぶりに政策金利が据え置かれたほか、ラガルドECB総裁は会見で「様子見に入ったと言えるかもしれない」「基調インフレは、インフレが目標水準で安定することを示唆」「長期的なインフレ期待は引き続き2%前後で推移」などと発言したことで、関税協議の合意内容次第ではあるものの利下げ打ち止め観測が浮上している。ただ、こちらも次の理事会は約1カ月先ということもあり、積極的にユーロを買う動きは見られない。
本日の経済イベントは、欧州序盤に独で6月製造業新規受注が、その後ユーロ圏で6月小売売上高が発表予定。ただ、市場の中心テーマが欧州ではないこともあり、ユーロ相場への影響は限られる見通し。
ユーロドルは今週に入り、1.15ドル台でのもみ合いが続いている。トレンドは一般的に「上昇」「下落」「横ばい」があるとされるが、現状は「横ばい」といえる。ダウ理論では「明確な転換シグナルが出るまでは現在のトレンドが継続する」とされている。日足チャートを見ると1.16ドル台に乗せるか1.14ドル台に下落したほうに相場の流れが傾く可能性があるものの、足元の立ち位置はどちらに傾くか見守る局面といえる。
なお、英国では7月建設業購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。明日の英中銀(BOE)金融政策委員会(MPC)では政策金利の0.25%引き下げが織り込まれていることもあり、予想比で上下に振れたとしてもポンド相場への影響は限られる見通し。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.1601ドル。超えるとピボット・ターニングポイント1.1659ドル
・ポンド円:日足・一目均衡表の転換線197.28円
想定レンジ下限
・ユーロドル:5日安値1.1528ドル。割り込むとピボット・ターニングポイント1.1479ドル。
・ポンド円:4・5日安値195.04円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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