グンゼ一部工場閉鎖 希望退職募集
国内4工場の閉鎖は、単なる生産縮小ではなく、グンゼが国内アパレル分野の“中量型自社生産”を事実上終了する転換点となった。これにより、同社の生産体制は今後、基幹拠点への集約と海外比率の引き上げを両立させる方向に進むとみられる。
物流センター福知山事業所は、大正末期に開設された郡是製糸福知山工場を起源とし、現在はアパレル製品の倉庫管理、出荷業務などを担っている。グンゼは「立地も良く、物流の拠点として活躍した場所で、惜しまれながらの閉鎖となります。地元への説明なども今後考えたい」という。
Q1. 希望退職は何人規模で行われるのか?A1. 募集人数は現時点で開示されておらず、今後の協議によって決定される。
ただし、国内での雇用と生産の役割をどこまで残すかという判断は、単なる合理化だけでは済まない重みを持つ。今後は、生産効率と地域責任の両立が図られるかが、グンゼの企業価値を測る基準の一つとなるだろう。
グンゼは「従業員の意向を尊重した配置転換・再就職支援に努める」と表明しているが、現地自治体との調整や雇用対策協議会の設置など、地域経済に与える影響の最小化が課題となる。特に、地元企業との協力体制や中小サプライヤーの生産委託先再編など、二次的な影響にも備えが求められている。
肌着の製造などを手掛けるグンゼ(本社=大阪市北区・綾部市、佐口敏康社長)は6日、連結子会社のグンゼ物流が京都府福知山市中ノに置く「京都物流センター福知山事業所」の閉鎖を発表した。来年12月末をめどに操業を停止する予定で、跡地の利活用などは今後検討していくとしている。
アパレル部門では10月に希望退職を募集する。間接部門と営業部門の40歳以上の従業員が対象。募集人員は未定で、退職加算金の支給や再就職支援を実施する。退職日は26年1月20日を予定する。
[東京 6日 ロイター] - グンゼは6日、アパレル事業で生産・物流拠点の再編や希望退職の実施を決めた。人口減少や少子高齢化で国内市場が縮小し、量販店の衣料撤退などが進む中、5月に公表した経営計画では、収益改善に向け2025─26年度で聖域なき構造改革の完遂を打ち出していた。
このほか、京都物流センター綾部事業所(綾部市)、梁瀬工場(兵庫県朝来市)、関連会社工場の養父アパレル(同)と東北グンゼ(山形県寒河江市)、矢島通商(秋田県由利本荘市)の閉鎖を決めている。
グンゼは、アパレル事業構造改革を2025年からの2カ年で完遂させ、持続的に利益を創出する事業への再生に取り組んでいる。その一環とし、アパレル関連の生産、物流拠点の集約と再編、人員の適正化を図る。
グンゼが、インナーウェアの工場の一部を閉鎖すると発表した。併せて、アパレル各事業の企画 ・営業部門を集約した事業部「アパレルカンパニー」では希望退職も募集する。
グンゼの今回の発表は、コスト構造の見直しと収益性の回復を狙った「守りの経営判断」でありつつも、機能ソリューション事業の拡大を視野に入れた「選択と集中」の戦略でもあった。


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