東京に中国東北料理店 なぜ多い
中国は広いですが、なぜ彼らの数が多いのでしょうか。理由を簡単に説明すると、彼らは中国国内でも上海などの沿海地方への出稼ぎ者が多く、飲食業に携わる人口も多いのです。そして、日本に暮らす中国人の中でも東北地方出身者は半数近くを占める多数派です。それには日中の歴史的な経緯もありますが、最近は中国全土から留学生が来日するようになったので、比率は下がってきていると思います。そんな理由から「ガチ中華」のオーナーたちもそうですが、おそらく従業員の約7割は東北地方出身者で占められているといわれます。たとえ、四川料理の看板を出している店でも、厨房や配膳の仕事をする人たちの多くは東北出身者だったりします。詳しくは、ぼくが連載しているForbesJapanのコラムで、先ほどの味坊集団の梁さんの人生を語りながら、解説していますので、もしよろしければお読みください。
また、在日中国人の居住区だけでなく、在日中国人が通う学校や企業の近くなど、彼らの動線の近くにガチ中華は増えている。代表的な例が東京の高田馬場や上野、御徒町だ。
池袋で活躍する中国人起業家にはなぜか女性が目立つ。
東京で味わえるガチ中華のうち、最も店舗数が多いのは中国の「東北料理」だと言われたら、意外に思うだろうか。 表看板に「東北料理」と掲げていない店でも(いや、むしろ堂々と掲げる店はそれほど多くないが)、間違いなく東北地方出身者による店が多数派であることは、日本在住の中国の人たちの間では周知の話である。 一般に中国の東北地方とは、遼寧省、吉林省、黒龍江省の3省と内モンゴル自治区の一部を指す。かつて日本が進出していた満洲の地といえば、おわかりになる人もいるかもしれない。 ◾️中国東北料理のユニークな食文化 東北料理(中国では「東北菜」という)は、中国を代表する四大料理や八大料理には入らず、どちらかといえば田舎料理扱いだが、厳寒な気候や風土に根差した独自の味覚を生んでいる。 もともと中国の主要民族の漢族ではなく、清朝を興した満州族やモンゴル人、朝鮮系住民などが暮らしている土地で、本来の中国の料理とは異なるユニークな食文化もみられる。 主な料理は鍋料理や煮込みで、濃い味つけが多い。冬はマイナス30度にもなる気候のため塩気も全体に強め。水餃子や饅頭(肉まん)などの、いわゆる粉ものがよく食べられ、敗戦後、満洲から引き揚げてきた日本の人たちが国内に広めた話は知られている。 食材としては、夏の間に収穫した大量の白菜を発酵させた酸菜(スァンツァイ)がよく使われる。内モンゴル自治区に隣接しているため、羊肉もよく食べられている。 代表的な料理としては、農村風の大きな鉄鍋による煮込み料理の「鉄鍋燉(ティエグオドン)」や3種の野菜を素揚げして醤油煮した「地三鮮(ディーサンシェン)」、豚肉の天ぷら甘酢かけの「鍋包肉(グオパオロウ)」などだろうか。 吉林省東部には延辺朝鮮族自治州があり、東北全域に朝鮮系民族が広く居住していることから、東北料理とミックスした朝鮮料理が食べられるのも、この地方ならではだろう。 最近では、韓国料理の影響も受け、この地方の朝鮮料理も多様化している。実は日本にも、朝鮮系中国籍の人たちが多く住んでいることから、東京には延辺朝鮮料理店が「千里香」「四季香」「延吉香」などの店名で10数軒あることはあまり知られていないかもしれない。 さらに、東北地方ならではの食文化といえば、黒龍江省の省都ハルビンではロシア料理のレストランが多く、ロシアの影響を受けた食品も多数みられることだ。ハルビン市内の百貨店では、昔からロシア風のパンやソーセージ、ユーラシア全域で広く飲まれている清涼飲料のクワスが売られている。 というのも、この地は20世紀初頭、帝政ロシアがモスクワからウラジオストクまでをつなぐシベリア横断鉄道を敷設するため、最短ルートとなる清国領内に、突如、建設された町だったからだ。当時、多くのロシア人やユダヤ人、ポーランド人などが入植したため、この地に彼らの食文化が根づくことになったのだ。
東京で味わえるガチ中華のうち、最も店舗数が多いのは中国の「東北料理」だと言われたら、意外に思うだろうか。
なのになぜ「中華料理」や「中国料理」ではなく「台湾料理」を名のるようになったのか?
ところで、都内にどれくらいの数の「ガチ中華」の店があるのか、正確な統計はないのですが、オーナーたちと話していて、共通の意見として聞かれるのは、最もオーナーの数が多いのは東北地方の出身の人たちだというものです。ぼく自身、都内を「歩き食べ」した経緯から、それは実感しています。つまり、東京の「ガチ中華」を主に支えているのは東北地方の人たちだといっていいのです。
横浜といえば、「横浜中華街」の他にも、異国情緒漂う西洋館が立ち並ぶ「山手地域」など、外国人との交流が盛んであったことが伺える風景が色濃く残っています。なぜ横浜はこんなにも外国とゆかりが深い地域なのでしょうか?
東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。
東京都豊島区池袋の北口も、“新たなチャイナタウン”と呼ばれ、中国人コミュニティが新しく発生しています。平成31年における豊島区内の在留中国人数は、14,250人にものぼり、区内在留外国人のうち5割弱をも占めます。豊島区発表 「人口と世帯数の月次推移」
「以前深圳に住んでいた江西省出身の中国人が東京に江西料理店をオープンして美味しいと聞いた。ぜひ行ってみませんか?」
東京・池袋といえば、近年は「ガチ中華が多いエリア」として知られている。筆者もときどき食べに行くが、とくにここ数年の出店ラッシュと変貌ぶりはすさまじい。
筆者と友人が待ち合わせたのは、池袋駅西口(北)を地上に出て徒歩3~4分の場所にある江西料理店「金喜悦」池袋北口店。なぜ、この店を選んだのかというと、友人が次のように言ったからだ。



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