関西地方ではエゾバフンウニなどの赤ウニがポピュラーである
世界で800種以上、日本で100種を超えるウニが生息するが、築地市場に入荷し、東京で賞味されるウニは主にエゾバフンウニ、キタムラサキウニの二種類。淡い色合いで「白ウニ」と呼ばれるキタムラサキウニに対して、エゾバフンウニは可食部の精巣の色が鮮やかで「赤ウニ」と呼ばれ、甘み旨みが濃厚で後味が強いことが特長。イタリア料理やフランス料理店でよく利用され、関西地方ではエゾバフンウニなどの赤ウニがポピュラー。
国産のウニの中で最も水揚げが多いのがエゾバフンウニ。可食部の精巣の色が鮮やかなオレンジ色で、キタムラサキウニなどが「白ウニ」と呼ばれるのに対して「赤ウニ」と呼ばれる。旨みが濃厚で甘く、後味が強い。キタムラサキウニが江戸前の寿司屋で人気であるのに対して、エゾバフンウニはイタリア料理やフランス料理店でよく利用される。関西地方ではエゾバフンウニなどの赤ウニがポピュラーである。国内で流通しているエゾバフンウニのほとんどが北海道産。殻から取り出して木箱に入った状態で流通することが多く、活け(イガウニ)は少ない。これは殻から取り出してみないとウニの品質がわからないためである。加工場でむき、箱詰めする際に選別することで、品質の揃った商品になる。同じ産地のウニでも、雌雄や成長年齢、漁獲時期などによって味が大きく変わってくるため、品質の揃ったウニ箱を出荷できるかどうかは、仕入れや目利きに左右される。木箱に入ったウニは、身が溶けるのを防ぎ、発色を良くするためにミョウバンが使われることが多いが、苦みの原因になる。ミョウバン不使用の生ウニは柔らかく、透き通る甘みと旨みがあり、高額で取引される。粒が揃っているもの、色が揃っているものは高価。生食するほか、焼きウニ、蒸しウニも美味。また酒肴として人気が高い塩ウニは、ウニの生殖巣を塩漬けにしたものである。アルコールを使っているため、作ってから時間が経ったものの方が熟成して味わいがまろやかになる。山陰から九州では瓶詰めにしたものが売られている。殻をむいたウニの場合、可食部(生食巣)が溶けかかっていたり、茶色く変色しているものは鮮度が悪い。食べる餌によってウニの味も変わってくるため、利尻や羅臼昆布を食べて育ったエゾバフンウニの味は絶品といわれる。
まんじゅう状の殻の形状が馬糞に似ていることからバフンウニ。この内、北方で獲れるものエゾバフンウニと呼ぶ。北海道では「ガンゼ」とも呼ばれる。


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