給食牛乳なくなる 猛暑で乳量減
7月から記録的な猛暑に襲われた新潟県内で、畜産業者から悲鳴が上がっている。乳牛は暑さで搾乳量が落ち、秋以降も含め、今後の供給に懸念が出てきた。鶏の産む卵のサイズが小さくなり、個数も減少。暑さのため、全県で5千羽以上の鶏が死ぬ被害も出た。豚の食欲を維持するため、冷房を24時間稼働してしのぐ業者もある。8月に入り雨は降ったものの、暑さは続き、関係者は不安を募らせる。 【表】県内の7月の平均気温 猛暑で大きな影響が出ているのが乳牛だ。暑さで牛の食欲が落ちると、搾乳量が減ってくる。 県酪農業協同組合連合会(新潟市中央区)の藤田毅代表理事会長(68)によると、7月の県内全体の乳量は昨年に比べ15%減少した。学校給食が再開する9月以降は供給不足となる可能性があるという。 藤田会長は「今年は7月から長く暑さが続いた。暑さでダメージを受けた牛は乳量が落ち、今後も影響が続くだろう」と危機感を口にする。 新潟県によると養鶏関係では7月23日までに、約5500羽の鶏が死んだ。現場は暑さ対策に力を入れる。 8月上旬、約1万4千羽の採卵鶏を飼育している五泉市のキムラファームでは、猛烈な暑さを和らげるため、鶏舎に水をまいていた。副代表の木村道雄さん(58)は「36〜38度になると鶏の首がだらっと横に寝てくる。毎日午前、昼、午後と3回水をかけている」と話す。二つの鶏舎で計22基の換気扇を置き、日中は最大風力で稼働、夜も回しっぱなしだ。 それでも気温が上がった6月ごろから採れる卵のサイズは小さくなり、個数も減っている。Lサイズの卵は通常時の半分程度しか採れていない。 養豚業では豚の“夏バテ”防止が急務だ。豚は涼しい場所を好み、暑くなるとストレスから餌を食べる量が落ちる。「しろねポーク」の産地・新潟市南区で、年間300頭を肥育するアースレンジャーの渋川伸也代表(33)は「肉が付きにくくなり、出荷が1〜2週間遅れる可能性がある」と懸念する。 年間約8千頭を生産するキープクリーン(新潟市南区)は豚舎で24時間冷房を実施し、外気より最大7〜8度気温を下げている。換気扇や照明も含めたトータルの電気代は月約120万円。小嶋洋朗代表(67)は「猛暑と電気代高騰で、年々(支払額は)上がっている。ここまで跳ね上がると収支がプラスになるか分からない」とため息をつく。 例年8〜9月は繁殖のため、種を付ける時期でもある。小嶋代表は繁殖を行う他の業者では冷房設備がないところも多いとし、「猛暑では受胎率が低下して生まれる頭数が減るのではないか。市場価格の値上がりにつながるかもしれない」と指摘している。
7月から記録的な猛暑に襲われた新潟県内で、畜産業者から悲鳴が上がっている。乳牛は暑さで搾乳量が落ち、秋以降も含め、今後の供給に懸念が出てきた。鶏の産む卵のサイズが小さくなり、個数も減少。暑さのため、全県で5千羽以上の鶏が死ぬ被害も出た。豚の食欲を維持するため、冷房を24時間稼働してしのぐ業者もある。8月に入り雨は降ったものの、暑さは続き、関係者は不安を募らせる。


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