
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
最新のマーケット情報まとめ
<本日の注目ポイント>
・米7月消費者物価指数(CPI)
予想以上にインフレが加速すれば、ドル円相場149円台への上昇も
<テクニカル分析>
・週足チャート
先週は下ヒゲ長めの陽線を形成
26週線がサポートとして機能
7月高値139円からのフィボナッチリトレースメント38.2%水準がサポート
52週線突破で149円台上昇の可能性
・日足チャート
38.2%水準で下ヒゲを伸ばしてサポート確認
先週はレンジ相場(148円付近が上値抵抗)
金曜日に終値ベースで突破、10日・20日移動平均線も突破
・上値目標
149円ちょうど付近
200日移動平均線(149円30銭台)
最終的には150円も視野
<警戒材料>
・13日:ゼレンスキー大統領と欧州各国首脳、トランプ大統領との電話会談
・15日:米ロ首脳会談
・自民党総裁選実施の可能性(石破首相退陣の可能性)
<結論>
・上昇シナリオ
CPI予想上振れ → ドル買い → 149円台試し
・下落シナリオ
CPI鈍化 → 148円割れ → レンジ相場回帰(146.60円~148円)
お知らせ
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『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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利下げ期待の後退は米ドル高の要因となろう
ただ、米ドル/円は年初から7円程度上昇してきており、今回の上げは8合目あたりまで来ているように見えます。
米金利の低下幅が拡大したきっかけは、昨年12月の米コアCPIの鈍化にあった。ゆえに今回もコア指数の内容が米金利と米ドルの変動要因となることが予想される。コア指数が予想外に上昇する場合は、インフレ再燃のリスクが意識されることで、「米金利の反発→米ドル高」を想定しておきたい。特に先週の外為市場では、対米ドルで2.5%も円高が進行した。ゆえにアメリカの物価指数が米金利の反発要因となれば、今週は円高の逆回転相場を警戒する必要があろう。
また、メキシコペソ/円などのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もまだ上昇の余地はあると考えています。円売りの方針を維持します。
先週、国内の債券市場では10年債利回り(長期金利)が13年10カ月ぶりに1.3%へ上昇した。日米利回り格差の縮小が進行しドル円は、2ヶ月ぶりに150円台へ下落した。クロス円も総じて円高優勢となった。だが今週は、円高の逆回転相場を警戒したい。そのきっかけになり得るのが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言とアメリカの1月物価指数となろう。今週のドル円の予想レンジは148.20-154.00。
一方、コア指数でインフレの鈍化が確認される場合は、米ドル安・円高のトレンドが続くことが予想される。
・アメリカ物価指数の内容と国内金利の動向次第では、米ドル安と円高が同時に進行するだろう。このケースでは、瞬間的に148円台へ下落する可能性がある。テクニカルの面では、昨年9月30日の安値を基点としたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準148.23のトライが焦点となろう。この水準を今週の予想レンジの下限と想定しておきたい。
アメリカ消費者のインフレ期待は、実際の物価動向に大きな影響を与える。今週11日にパウエルFRB議長は上院銀行委員会で半期に一度の議会証言に臨む。インフレ再燃を警戒し今後の利下げについて慎重な姿勢を強調する場合は、今年前半(6月まで)の利下げ期待がさらに後退することが予想される(12日にパウエルFRB議長は下院金融委員会の議会証言に出席するが、上院銀行委員会と同じ発言が繰り返されると思われるため材料視される可能性は低い)。利下げ期待の後退は米ドル高の要因となろう。なお、先週7日時点でOISに基づく利下げ確率を確認すると3月と5月の利下げ見送りが織り込まれ、6月の利下げ確率は30%台へ低下している。
米ドル・円は、7月11日に120日平均線を突破。6月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と、2ヶ月連続で加速。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も2.9%上昇となり、4ヶ月ぶりに加速するなど、トランプ米政権が発動した高関税政策の影響が顕在化しつつあるとの見方から、FRBによる早期利下げ観測が後退。米長期金利が上昇し、円売りドル買いの動きが加速する中、15日に6月23日の148.03円も上回り、4月3日以来の149円台に乗せる場面も見られております。





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