シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング3週連続で減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円

ポイント
【円ネットロング2週連続で減少】
8月5日時点で円のポジションは、ドルに対して約8.2万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたことから、ネットロングは前週から約0.7万枚減少した。
期間中のドル/円相場は、米7月雇用統計の結果を受けて一時146円台へと反落したが、直前には日銀の追加利上げ期待が後退したことから約4カ月ぶりに150.92円前後まで上昇する場面があった。
日銀は政策金利を据え置いたうえで物価見通しを上方修正したものの、植田総裁が「物価の上方修正だけをもって金融政策が左右されるというようなものではない」と早期利上げに消極的な姿勢を示した。そのため、投機筋の円先高観が後退したようだ。

ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント
【ユーロネットロング3週連続で減少】
8月5日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約11.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが取り崩され、ショートがやや増加したことから、ネットロングは先週から約0.7万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米7月雇用統計の弱い結果もあり1.15ドル台後半まで急反発したが、ドル売りが一巡すると伸び悩んだ。
欧州連合(EU)は米国と貿易交渉で合意に至ったが、高関税の影響からEUの景気先行きが不透明になったことで、投機筋のユーロ先高観が後退したようだ。

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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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大口投資家の動向は ドル円4カ月ぶりに150円台後半まで上昇も反落 円ネットロングは減少
8月5日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約11.6万枚の買い越し(ネットロング)。ロングが取り崩され、ショートがやや増加したことから、ネットロングは先週から約0.7万枚減少した。期間中のユーロ/ドル相場は、米7月雇用統計の弱い結果もあり1.15ドル台後半まで急反発したが、ドル売りが一巡すると伸び悩んだ。欧州連合(EU)は米国と貿易交渉で合意に至ったが、高関税の影響からEUの景気先行きが不透明になったことで、投機筋のユーロ先高観が後退したようだ。
【円ネットロング2週連続で減少】8月5日時点で円のポジションは、ドルに対して約8.2万枚の買い越し(ネットロング)。ロングが取り崩され、ショートが積み増されたことから、ネットロングは前週から約0.7万枚減少した。期間中のドル/円相場は、米7月雇用統計の結果を受けて一時146円台へと反落したが、直前には日銀の追加利上げ期待が後退したことから約4カ月ぶりに150.92円前後まで上昇する場面があった。日銀は政策金利を据え置いたうえで物価見通しを上方修正したものの、植田総裁が「物価の上方修正だけをもって金融政策が左右されるというようなものではない」と早期利上げに消極的な姿勢を示した。そのため、投機筋の円先高観が後退したようだ。
6月末の円相場は1ドル=144円近辺で、7月に円安が加速した。20日投開票の参院選で与野党が財政拡張的な政策を打ち出したことで、日本国債売りと円売りを組み合わせた取引が活発化した。参院選で与党が敗北し、政権基盤が弱体化したとの見方も円売りにつながっている。
ただ相互関税を受けて日銀の早期利上げ観測が後退したことに加え、貿易赤字や国内勢の活発な対外投資など「構造的円売り」が続いたことで円高進行は一服。スイスフランなど一部の通貨に対して2024年の安値を突破する水準まで円安に振れるなか、対ドルでも円安・ドル高が進みやすくなった。
日銀は31日まで開いた金融政策決定会合で政策金利を0.5%に据え置くと決めた。会合後の記者会見で植田和男総裁が現状の円相場について「物価に直ちに大きな影響があるとはみていない」と言及した。次回9月の会合では利上げに動かないとの見方につながり、日米金利差が開いた状態が続くとの見方から円売り・ドル買いが強まった。
円相場は4月2日にトランプ米大統領が発表した相互関税を受けて円高・ドル安が進んだ。想定以上の関税政策を受けて保有資産の米国一極集中を見直す動きが広がり、幅広い通貨に対してドルが下落したためだ。4月22日には139円80銭台まで円高に振れる場面もみられた。
買いは147.70-80で押し目買い。損切りは147.20で撤退です。ドル売りは1日様子見か148.90-00の吹き値があれば売り向かい。損切りは149.20で浅めに撤退です。
パウエル議長は会見で関税が物価にどれほど転嫁されるか見極めるためには「正確な理解まで、まだ長い道のりがある」と説明した。9月の利下げ観測が後退したことで、ドルを買い戻す動きが強まった。SBIFXトレードの斎藤裕司エグゼクティブ・アドバイザーは「日米中銀会合の合わせ技で1ドル=152円程度まで円安が進む可能性が高まってきた」と指摘する。
31日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル=150円台を付けた。4月2日以来およそ4カ月ぶり。日銀は7月31日に金融政策の現状維持を決めた。一方で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が30日の記者会見で9月利下げを明示せず、日米金利差が開いた状況が続くとの見方から円売り・ドル買いが広がった。



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