シャトレーゼ社長 成長止める戦略
休業手当の不払い、違法残業疑いなどの不祥事が今年、相次いで発覚した和洋菓子大手のシャトレーゼ(甲府市)の古屋勇治社長が産経新聞のインタビューに応じた。会社の急成長でコンプライアンスがおろそかになっていたとの認識を示したうえで、新規出店を大幅に削減する「成長を止める戦略」を進めていくとした。
JR甲府駅から車で30分。クリスマス商戦真っただ中の12月中旬、菓子大手シャトレーゼ(甲府市)の主力工場である豊富工場(山梨県中央市)では、製造ラインをひっきりなしに流れてくるケーキに、従業員がクリームやトッピングの装飾を施していた。その中でとりわけ目を引くのが、従業員と肩を並べ働くロボットの姿だ。クリスマス期間限定のモンブランの中心に狙いを定めると、四方八方からクリームを塗り上げる。出来栄えは、熟練のスタッフと比較しても遜色がない。
「常識をくつがえしてきた会長の数々のイノベーションが、今なおこの成長の原動力になっていると思っています」
不祥事相次ぐ人気菓子シャトレーゼの社長「成長を止める」 コンプラ重視で出店「凍結」
凄く大切ですよね→「同社としては“熱量”の高い人に参加してもらいたいと考えているという。普段から店舗で菓子を買っており、商品について一定の知識があり「シャトレーゼのことをもっと知りたい」と考えているような人だ。」
●一見、順風満帆に見える「シャトレーゼ」ですが、大きな苦労もありました。それは、1984年のことです。当時の主力工場が火事で全焼してしまい、満足に商品を取引先に卸せる状況では無くなったのです。急遽、新工場で試運転もせずに生産を始めましたが、主婦をはじめとした「ベテラン」のパートさんたちの大半が、新工場は家から遠いという理由で、次々に辞めてしまいました。新工場は何も分からない「新人」ばかりで、当然 毎日、生産ロスが生じ、計画通りに進みませんでした。しかも、同時期に、営業を全て担当していた「専務」、更には「工場長」を共に病気で失っていたそうです。本部では幹部の造反が起き、大量退社も発生してしまいました。つまり、自分の手足を全てもぎ取られた上に、本部も"機能不全"に陥ってしまいました。しかし「齊藤社長」は本当に凄いです。「会社がピンチに陥ったとき、従業員たちは全員トップの顔を見るもの。絶対にトップが"へこたれ"ていては駄目」と心に誓われたのです。ここで、目をつけたのは、地元で開催される「国体」です。社長がハンドボールをやっていたこともあり、会社がピンチの中、実業団チームをつくりました。その結果、社員の『団結力』が高まりました。これを機に、残ったメンバーで、ヒット商品を基に工場直売店を新たに始め、これが爆発的に成功しました。全国各地からフランチャイズの申し込みも相次ぎ、ここから成長が始まったのです。この時に社員に向けて言われたことが「人生には波があり、ピークが来ると、必ず次には落ちてしまう。けれども、その次には大きなチャンスが待っている。だから高い波が来ている時は おごらず、落ちている時は失望してはいけない。苦境に立たされた時こそ『アイデア』が出るものだ。」ということです。普通だと、こんな苦難があると諦めてしまうと思います。こんな苦難を乗り越えた「シャトレーゼ」は、何も怖いものが無くなったかも知れません。
1954年、今川焼き風の「甘太郎」という独自の商品を販売する、よくある地方の「お菓子屋さん」として創業したシャトレーゼ。現在は洋菓子や和菓子だけでなく、ワイナリーやホテル、ゴルフ場まで幅広く手掛ける。
『日経スペシャル ガイアの夜明け 時代を生きろ!闘い続ける人たち』(にっけいスペシャル ガイアのよあけ じだいをいきろ たたかいつづけるひとたち)は、2002年(平成14年)4月14日からテレビ東京系列に放送されている経済ドキュメンタリー番組。通称は「ガイアの夜明け」「ガイア」。番組開始から2003年3月30日までは毎週日曜日の22:00 - 22:54、2003年4月1日から2021年3月までは毎週火曜日の22:00 - 22:54、2021年4月2日からは毎週金曜日の22:00 - 22:54(JST)に放送されている。
各地でシャトレーゼファン、多いですよね。熱狂的なファンを作るためのこの施策はとても良いと思います!工場スタッフさんもエンドユーザーに触れることができて良いですよね。食べ放題も良いですが、ファンづくりに寄せる戦略はとても良いと思います。しっかりとマーケティングをしているメーカー、きっとマーケティングの方が優秀なのでしょう!>「シャトレーゼが展開する店舗数も増え、出店エリアも拡大していった。認知度向上を図るステージから脱却し、熱狂的なファンをつくることが今後重要になると考え、1泊2日のツアーを企画することになったという」
シャトレーゼでは、UR製、ファナック製、川崎重工業製など45台の協働ロボが稼働している。永田晋専務取締役は「10円でも値上げすれば客は減る。ケーキの原材料や人件費の高騰の中、お客様のお求めになりやすい価格を維持するための手段としてロボットを導入し始めた」と話す。
「食べ放題」という切り口だけで発信してしまうと、それだけを目的にした消費者が、背景を知らないまま消費だけして終わってしまう、というのは他にもよく見られるケースだと思います。価格や「お得」だけを訴求するのではなく、背景を丁寧に消費者に伝えることが、本当の価値を理解したファンの醸成につながると思うので、認知からファンづくりのフェーズにするために食べ放題をやめることに納得しました。>当時は1人で何本もアイスを食べて、そのまま別の目的地に移動するというケースも多かったが、アイスのサンプリングの場だと割り切っていた。また、アイス食べ放題が旅行雑誌などのメディアに取り上げられることで、ブランドの認知度向上に役立つというメリットもあった。本来伝えたかったのは「なぜおいしいのか」「なぜ安いのか」ということだ。しかし「シャトレーゼは太っ腹だ」「シャトレーゼのアイスがおいしかった」ということだけが強く印象に残っているのではないかとも考えるようになった。
日本経済新聞社が協力しメインスポンサーにもなっているため「日経スペシャル」とうたっている。日経スペシャルの番組の中でも地方局の系列外ネットが11局と多い。
ーーー【洋菓子業界について】●洋菓子業界業界の市場規模は、「約2兆円」と言われています。これは、前年比99%と横ばいで推移しています。しかし 実は、これには「コンビニ」の洋菓子への進出があり、洋菓子専門店で見てみると、潰れてしまう企業も増えていて、いまだ成長しているのは「シャトレーゼ」他 数社しかありません。因みに 洋菓子業界には、巨大企業として「不二家」を運営する「株式会社 不二家」があります。売上高は「1,000億」を超えていますが、ここ10年は、かなりの苦戦を強いられています。つまり 近年のスイーツ店は、個人経営の店や不二家などの老舗チェーンが不振と言われ、コンビニなどに顧客を取られている中で、「シャトレーゼ」には無縁の快進撃ということです。
安全柵を必要とせず、人と同じ空間に設置し、人と協働作業が可能な「協働ロボット」。調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、2021年時点での協働ロボット世界首位はユニバーサルロボット(UR、デンマーク)で、世界シェアの約5割を占める。シャトレーゼと同じ山梨県に本社を構える大手ロボメーカーのファナックは1割程度で、2位と見られる。
休業手当の不払い、違法残業疑いなどの不祥事が今年、相次いで発覚した和洋菓子大手のシャトレーゼ(甲府市)の古屋勇治社長が産経新聞のインタビューに応じた。会社の急成長でコンプライアンスがおろそかになっていたとの認識を示したうえで、新規出店を大幅に削減する「成長を止める戦略」を進めていくとした。 【写真】一代で1000店舗に育て90歳で亡くなったシャトレーゼ創業者の斉藤寛さん 古屋氏は一連の不祥事について「重く受け止めている。これまで支持してくれた全てのステークホルダーに心配をかけた。深くおわびしたい」と改めて陳謝した上で「急成長してきた中で、会社がバランスを崩した」と語った。 2014年度に430億円だった売上高が、23年度には約3倍の1313億円に達し、店舗数も2・2倍に増えた。新型コロナウイルス禍でも、自治体の休業要請などの対象外だった郊外の店舗が多かったため営業を継続。存在感を強め、業績拡大につながった。 古屋氏はこうした急成長の中で「会社の基盤がついていかなかった」と反省し、コンプライアンスが不十分になっていたとの認識を示した。「社会的責任をしっかり果たしていく企業」にしていくためには成長を止める戦略が必要とした。 新規出店は不祥事発覚前から準備していた店に絞り、今年度の前半は30店舗程度で、後半はほとんどない予定だ。「新規出店の話があっても凍結している」と語る ■労働安全推進部が発足 組織的にも既存の品質保証部に加え、労働安全推進部を新たに発足させ、全社的に安全、品質、コンプライアンスをチェックする態勢に拡充した。社内のコンプライアンス教育も改めるほか、弁護士に入ってもらっての年2回の点検作業を実施し、コンサルタントに改革への評価を求めていく。 成長をとめ、こうした基盤強化に注力する期間は「少なくとも2年間とみているが、期限は切らない」と語る。顧客の需要に対する供給力不足に陥る可能性は高いが、基盤強化を優先する中では「量が少なくなることもあり得る」と理解を求めた。 シャトレーゼを巡っては3月、製造委託した包装資材などを正当な理由なく受け取らなかったのは下請法違反に当たるとして、公正取引委員会が製品の受け取りと、委託先への保管・運送代金の支払いを勧告。


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