トルコリラの焦点「通貨は大幅安も超高金利でカバー…年初来+6%のパフォーマンス」FX予想 2025/8/14 #外為ドキッ

FXブログ
トルコリラの焦点「通貨は大幅安も超高金利でカバー…年初来+6%のパフォーマンス」FX予想 2025/8/14 #外為ドキッ

トルコリラの焦点

中東に位置するトルコの通貨リラを取り巻く環境を分析し、トルコリラの今後の値動きを予想した。

執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也 X(Twitter)

リラ円、下落率最大ながら金利含めたトータル・リターンは上位5番

 8月14日時点のブルームバーグのデータによると、トルコリラ/円は年初来で19.2%下落している。これは、外為どっとコムが取り扱うクロス円の中で最大の下落率となる。2番目に大きいのが香港ドル/円の-7.7%であることからも、リラ/円の下落率が際立って大きいことがわかる。

 ただ、金利差調整(スワップポイント)を加味した「トータル・リターン」のランキングでは景色が大きく異なる。トルコリラ/円は+6.1%のリターンを誇り、メキシコペソ/円(+10.2%)、スウェーデンクローナ/円(+9.5%)、ノルウェークローネ/円(+7.0%)、ユーロ/円(+6.8%)に続いて第5位に入る。低金利の円を売って高金利のリラを買い持ちにした際の金利差収入が、通貨安を補う形でリターンをプラスに押し上げていることになる。

 

 トルコリラの下落の主因は高インフレだ。トルコのインフレ率はピークから鈍化したものの依然として33.5%(7月時点)の高水準にある。物価、つまりモノの値段が上昇すれば、対価である通貨の価値はそのぶん低下することになる。通貨安を食い止め、インフレを抑え込むためにトルコ中銀は政策金利を一時50.00%まで引き上げた。その結果、インフレが落ち着き始めたことから、中銀は7月に政策金利を43.00%へと引き下げており、今後もゆっくりと利下げを続ける姿勢を示している。

 なお、トルコリラ/円相場としては、金利の引き下げは金利差収入の減少要因となるが、インフレ率の鈍化は通貨安のペースも鈍らせる要因となる。このため、インフレ鈍化が続く中での利下げについてはリラ売り材料になりにくいと考えられる

トルコリラ/円(TRY/JPY) 日足チャート

ドル/トルコリラ(USD/TRY) 日足チャート

ユーロ/トルコリラ(EUR/TRY) 日足チャート

【トルコリラに関する外為どっとコムのキャンペーン】

【トルコリラの最新チャート】
「為替チャート|トルコリラ/円(TRYJPY)|60分足」はこちら
「為替チャート|米ドル/トルコリラ(USDTRY)|60分足」はこちら
「為替チャート|ユーロ/トルコリラ(EURTRY)|60分足」はこちら

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の外国為替市場の為替アナリストが、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 
kanda.jpg

株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル トルコリラの焦点「通貨は大幅安も超高金利でカバー…年初来+6%のパフォーマンス」FX予想 2025/8/14 #外為ドキッ

トルコリラの焦点 通貨は大幅安も超高金利でカバー年初来6のパフォーマンス FX予想

これは蛇足ですが、加えて関係の深いユーロ相場とトルコリラの関係も見ておきましょう。

株価の急落に批判が高まったことで、内田眞一日銀副総裁が、「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要」、「金融市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と発言したことが安心感を誘い、日経平均株価が大きく反発、トルコリラ円も一旦下げ止まりをみせましたが、米労務省が、2024年3月末までの一年間の非農業部門雇用者数の数値を大幅に下方修正し、FOMCでの更なる利下げの思惑が高まったことで、9月16日には、ドル円が139.58と2024年の安値まで下落、トルコリラ円は、トルコの7月貿易収支の確定値が大幅に悪化したことで、4.07円の歴史的な安値まで一時下落しました。

2023年は、年初のトルコ・シリア大地震に対する予防策から、一時8.50%まで金利を引き下げましたが、その後、初の女性トルコ中銀総裁に就いたエルカン総裁が、インフレ撲滅のために、政策金利を6月に15.00%まで、7月に17.50%、8月に25.00%、9月に30.00%、10月には35.00%、11月に40.00%、12月にも42.50%、2024年1月に45.00%まで強烈な引き上げを実施してきました。しかし、家族への便宜供与の疑惑が浮上したことで突然辞任に追い込まれました。

トルコ中銀は当面政策金利を50%で維持すると見られますが、インフレの落ち着きが見えれば、政策金利の引き下げもあるかもしれません。以前から申し上げていますが、トルコ経済の見通しは不透明ですが、トルコ中銀が、利下げモードに入るということは、トルコのインフレの鎮静化が実現したことを意味します。これは逆説的ですが、そういった局面が、トルコリラ買いの好機となるとみています。

トルコリラ円の中長期のスウィング・トレードの戦略ですが、流石に歴史的な安値圏であり、スワップ・コストの負担を考えると売ることは得策とは見ていません。あくまでチャンスがあれば、買い狙いからとなります。

これは米国の関税に関しては、通商法や通商拡大法の規定があって、議会での決定がなければ、トランプ次期大統領の一存だけでは変えることはできません。トランプ大統領第1期の時も、就任後直ぐには追加関税は実施できませんでした。ただ、この「メキシコとカナダの25%、中国に10%の追加関税」に関しては、米国で大きく問題となっている「フェンタニル」という麻薬密輸に関して、十分な措置が講じられていないという「国家安全保障上」の理由を適応することによって、直ぐに実施出来る料率のようです。その場合はやはり、当該通貨に売りが強まる可能性には注意が必要となります。

マトリックス・チャートも参考に、2025年のトルコリラ円の想定レンジを3.50から5.50とします。ただ、4.00が支える状況が続くなら、4.00から6.00となる可能性に注目したいと思います。

ドル・トルコリラを30.0000~40.0000、ドル円を140.00~160.00としましたので、これから算出されるトルコリラ円の最大想定レンジは、3.50から5.33となります。

また、欧州関連では、7月からブルガリアが、通貨ユーロを導入する予定を表明しています。現在の情報ではまだ確定しているわけではありませんが、もし今後決定するようなことがあれば、ユーロを取引する場合には注意が必要です。EUの参加国が新たにユーロを導入する場合、導入日に一気に通貨が変更されます。ブルガリアの場合、元来2025年から予定されていましたが、7月1日に一旦延期されたようです(過去の通例では1月1日に導入するのが基本)。その場合6月末のコンバージョン・ファクター(交換率)によって、一気にブルガリア内の資産・負債が、ブルガリア・シフからユーロに代わります。つまり、ブルガリアの企業や個人などは、この変更によって大きな為替リスクを負うことになります。当然それを避けるために、事前にヘッジしようとうする行為が自然に行われると思います。つまり、ユーロ・シフ相場では、7月に近づくにつれてユーロ買いが増加しユーロを押し上げる形になります。

それでは、以上を踏まえて、トルコリラ円相場の2025年の戦略についてお話します。

最後に、2つの新興国通貨についても簡単に見てみたい。南アフリカランド/円は、2024年後半は一時を除いて基本的に8円を上回る水準での推移が続いた。ただ、これを5年MAかい離率で見ると10%以上になる。2000年以降で見ても、南アフリカランド/円が5年MAを1割以上上回った時期は少ない(図表5参照)。その意味では、2025年にかけて「上がり過ぎ」の反動リスクを警戒する必要があるのではないか。予想レンジは、7~8.5円。

特に黒点のピーク時は、太陽内で水爆の100万個分相当の爆発が発生し、太陽フレアによる電磁波が地球にも大きな影響を与えるとされています。それが地球を回る衛星を破壊・損失させたりすれば、GPSや通信、インターネット回線や携帯端末に過大な影響を与えるかもしれません。それが世界的に発生した場合、どういった混乱となるか恐ろしい気がしますが、特に金融関連で考えるとインターネットやコンピューターを取引の基盤としている「仮想通貨取引」に大きな影響を与えるかもしれません。それでなくても異常な高値となっていて危険ゾーンにあるような気がしますが、2024年、10万ドルを超えたビットコイン相場が暴落でもすれば、その影響は世界的な資産クラッシュの動きにつながりそうです。

メキシコは2024年に政策金利を大きく引き下げたが、それでもまだ10%以上という水準は圧倒的な高金利の状況に変わりはない。そうであれば、これまでのメキシコペソの急落も、むしろ割安で高金利通貨のメキシコペソを買える状況になったとポジティブに考えられるのだろうか。

また、ファンダメンタルズ面からはレベル感は別としても、金利差で上がらないトルコリラ円ですから、前述の通りトルコ中銀が利下げスタンスに入る局面を確認して買いを考えるのも一考です。

テクニカル面からまず、トルコリラ円を構成するドル・トルコリラ相場の月足をチェックしておきましょう。

コメント

` this.fetchProxy(url, options, 0).then( res => res.json() ).then( data => { if (data.body) this.srcdoc = data.body.replace(/]*)>/i, `
タイトルとURLをコピーしました