ハッピーセット巡る対策 識者見解
またマクドナルドの「ハッピーセット」で転売騒動が起こった。日本マクドナルドが運営する『マクドナルド』で人気の「ハッピーセット」は、1987年から販売されている子供向けのセットメニューで、ハンバーガーやドリンクと共におもちゃが付いてくるのだが、この「おもちゃ」が転売の対象になってしまうのだ。
日本マクドナルドは5月24日、ハッピーセットの「マインクラフト ザ・ムービー」「ちいかわ」第2弾の早期終了を発表した。同時に5月30日から開始予定の第3弾の中止も発表している。
回答では、「このたび実施いたしましたハッピーセットR『ポケモン』ポケモンカードキャンペーンにより、一部のお客様による転売を目的とした大量購入や、それに伴う店頭ならびに店舗周辺での混雑・混乱の発生、またご注文いただいた食品の放置・廃棄といった事象が発生したことを確認しております。日頃よりマクドナルドをご利用のお客様にご不便をおかけしてしまったことに加え、店舗で働くクルーの皆様、近隣にお住いの住民の皆様、テナント入居先のオーナーの皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます」と一連の騒動について謝罪。
マクドナルドではモバイルオーダーをはじめ、公式アプリの利用を推進している。ハッピーセットの購入においてもアプリを利用することを必須とすれば、アプリやモバイルオーダーの利用率も上がり、対面レジなどにスタッフを割かずに済むため、人件費が抑えられたり、スタッフを調理や接客に専念させることができる。
マクドナルドのハッピーセットを巡っては、今年2月、「星のカービィ」のコラボセットが販売翌日に早期販売終了。5月には「ちいかわ」「Minecraft(マインクラフト)」コラボが同じく販売2日後に終了となるなど、景品のおもちゃ目当てに人気が過熱している。一方で、セットの食品が大量に廃棄されたり、フリマサイトに景品が多数出品されるなどの問題も。今回コラボしたポケモンカードも近年人気が高騰しており、新シリーズの発売日には毎回抽選による争奪戦や大量転売が起こるなど大きな問題となっている。
もしハッピーセットを従来通り、数量を限定して希少性を高めて販売する戦略を取るのであれば、福袋と同様にアプリによる事前抽選システムを導入すれば良い。アプリはスマートフォンごとに紐づいているため、一人による大量購入も避けることが出来、店舗での混乱も起こらないだろう。
とはいえ、希少価値があるからこそ商品を欲するのは人間としての本能でもある。いつでも誰でも手に入るとわかった時点で、転売業者のみならず本来のターゲットである子どもたちも見向きもしなくなるかもしれない。希少性があるからこそ、マクドナルドのハッピーセットは話題になるのだ。
マクドナルドは公式サイトで、「ハッピーセットは『ほん』や『おもちゃ』で、子供たちが夢中になって遊びながら、いきいきと自分らしさを発揮し、発達することをサポートしていきます」と、本来は子供向けであることをうたっている。
ネット上では他にも、食品が大量に廃棄された写真が多数投稿されており、「売り切れてるのに、転売ヤーがモバイルオーダーするだけして取りに来ないせいで、店内に溢れかえるハッピーセット」「開店から3時間待ってるのに買えない」「隣で一緒に待ってた小学生泣いてた」「子供の夢潰しやがって」「転売ヤーばかり。ハッピーセットは年齢制限するべき」など批判の声が続出。中には店員が「カードだけでいいお客様は先にお渡しします」とルールを無視した配布を行ったとする報告や、配布前日にフリマサイトにカードが出品されるなど、店員による横流しを疑う投稿もある。「日本マクドナルド社が、フードロスを無くそうとか言ってんのどんなお笑いなん?」など、一向に改善されないマクドナルドの対応にも疑問の声が上がっている。
「転売ヤーであることは一目瞭然でした。『ハッピーセット25個』と片言の日本語でオーダーし、その後も何度も並んでいました。ガラの悪い外国人が占有するテーブルにどんどん商品が置かれていくなか、2時間待ってようやく順番が回ってきたと思ったら『すみません、カードの方売り切れてしまって』と言われて。それを聞いた途端、外国人グループはおもちゃとカードのパックだけ別の袋に移し替え、食品は置き去りにして出ていきました。ずっと並んで待っていた小学生の子たちの顔は、今でも悔しくて忘れられません」
最近のハッピーセットは、必ずしも子供向けとは言いがたい。実際、2022年のアニメ映画『すずめの戸締り』コラボの際は、CMに神木隆之助さんが出演して、大人も購入できることをアピールしていた。
国分太一氏のコンプライアンス上の問題をめぐり、日本テレビの親会社は外部有識者による意見書の中間とりまとめを公表しました。外部の有識者で構成されるガバナンス評価委員会は意見書で、国分太一氏の問題行為が発覚して以降の日本テレビの対応について「コーポレートガバナンスが有効に機能していた」と評価しました。さらに、日本テレビが問題の詳細について「コンプライアンス違反」として具体的な説明をしなかった対応についても、プライバシー保護などの理由により、「やむを得ないもの」だとして理解を示しました。日本テレビHDは意見書について、「より適切で適正な経営に生かしてまいります」としています。
元々、ハッピーセットは「お子さまセット」という名称だったが、1995年から現在の名称に変更になった。通常のセットにおもちゃの「おまけ」が付いてくることを考えると、原価率が高く、利益率が高い商品とは言えないだろう。
一連のハッピーセットを巡る騒動については「私自身、マクドナルドの上層部に対して不満を募らせています。以前問題になった『ちいかわ』『マイクラ』のハッピーセットに引き続き、杜撰(ずさん)な対応が改善されないままの発売だったと思います」と本音も口に。その上で「例えば、ハッピーセット購入時におもちゃの引き換え券をつけて、受注生産の後に最寄りの店舗で引き渡すなど、混乱を避けるための対応はいくらでも考えられると思います。もちろん、コスト面で難しい部分もあるかもしれませんが、買えない子どもたちのためにも、忙殺されるクルーのためにも、顧客への呼びかけだけでなくもう少し具体的な対策をしてほしいです」と早急な改善を訴えている。
ならば、こうしてはどうだろう。マクドナルドでは、オリジナルグッズやクーポンが入った「福袋」を年末年始や夏に販売しているが、ハッピーセットのような混乱は生じていない。これはマクドナルドアプリで店舗を指定してエントリーした人の中から、抽選によって購入者が決定する仕組みを導入しているからだ。


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