ジャクソンホール会議でパウエル議長は何を語る?【外為マーケットビュー】
動画配信期間:公開日から2週間
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の内容抜粋
ジャクソンホール講演の重要性
• 今夜パウエルFRB議長がジャクソンホールで講演予定
• 過去のジャクソンホール講演では重要な政策転換が示されることが多い
FOMC議事要旨の影響
• 予想よりもタカ派的な内容でドルが急反発
• 雇用は過去最高レベル、インフレは2%目標に近づいているが未達成
• 次回FOMCでの利下げの可能性は微塵も感じられない内容
市場動向と予想
• 株価下落、金利上昇、ドル上昇でタカ派ジャクソンホールを織り込む動き
• 9月利下げ織り込み確率が低下
• 政権からの圧力に対し中央銀行の独立性維持が重要課題
結論
パウエルFRB議長のジャクソンホール講演を前に、FOMC議事要旨や好調な経済指標を受けて市場のセンチメントがタカ派寄りに変化。今夜の講演内容次第では、予想外にタカ派的発言があればドル高が進む可能性が高い状況となっている。
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外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。
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ジャクソンホール会議でパウエル議長は何を語るドル円の行方を探る 2025 8
2022年のドル円は円安が加速するか?
8月15日の米露首脳会談(日本時間16日未明)は、15日ということもあり、かなり注目していましたがプーチン大統領の思惑通りに進んだとの見方が多いようです。欧州への不満に対するプーチン大統領のガス抜きという見方もありますが、しかし、その後異例の早さでホワイトハウスに集結した欧州各国の対応には驚きました。
ADP社の2025年1-7月の月平均は+8.38万人となっており、7月に大幅に下方修正された後の非農業部門雇用者数の平均+8.50万人に近い数字となっています。ADP雇用統計もよく振れる数字ですが、今後は平均値として参考にするとよいのかもしれません。
パウエル議長は2024年8月23日のジャクソンホール会議での講演において、「政策を調整する時が来た」、「方向性は明確」と述べ、9月の利下げを示唆しましたが、先行きの政策判断については「利下げのタイミングとペースは今後入手するデータ、進展する見通し、そしてリスクバランスによって決まる」と語り、市場に対して明確な手掛かりを示すことはありませんでした。
その後、2024年9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが行われ、続く11月、12月のFOMCでも25bpずつの追加利下げが決定されました。今回のパウエル議長の講演では、物価と労働市場の現状および今後の見通しについて、パウエル議長がどのような見解を示すか、また、それを踏まえた上で、どのような金融政策スタンスを示すか、これらが主な注目点と考えます。
12日発表の米7月CPIは、前年比+2.7%と前月と同じで、前月比+0.3%も予想ほど上昇しませんでした。一方でコアCPIは前年比+3.1%と予想を上回りましたが、トランプ関税の影響は懸念していたほど消費者に転嫁していないと市場は捉えたため次回9月の利下げ観測が強まり、148円台前半から147円台半ばまで円高にいきました。
ドル/円は147円台を中心に146円台半ばから148円台半ばのレンジで推移しており、22日のジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演待ちとなっている状況です。それまでは、まだしばらくこのレンジは続きそうです。
8月21日(木曜)のドル/円相場の終値は、前日比1.04円「円安」の148.38円。1日のレンジ幅は1.16円だった。
昨年は8月23日のジャクソンホール会議で、「利下げの時が来た(Time Has Come for Fed to Cut Interest Rates)」と発言し、9月利下げを示唆したため、円高に動きました。
次回のFOMCは9月16日、17日に開催されますが、その前に、8月分の米雇用統計と米消費者物価指数が、それぞれ9月5日と11日に発表されます。パウエル議長が今回の講演で、利下げの判断にはさらなるデータが必要との従来の見解を維持した場合、フェデラルファンド(FF)金利先物市場で9月に25bpの利下げが8割強織り込まれている現状(図表1)から、市場はタカ派的と受け止め、長期金利上昇、ドル高、株安の反応も予想されます。
米7月雇用統計の非農業部門雇用者数が+7.3万人と予想10~11万人を下回り、さらに過去2カ月分が▲25.8万人と大幅下方修正となったことは予想外の出来事でしたが、大幅な下方修正の背景にはこのような事情があるようです。
2025年167営業日目は147.26円からスタート。安値は147.24円とほとんど下がることはなく未明には前日の高値(147.82円)を超えて148.41円まで上昇した。
22日には、日本の7月CPIも発表予定(午前8時30分)なので注目です。日本のCPIは低下予想(3.0%、6月は3.3%)となっていますが、4-6月期GDP(1.0%)が予想を上回る結果となったため、CPIが大きく低下しなければ、日銀の経済・物価の見通し(2025年度GDP0.6%、CPI2.7%)に沿っていることから利上げ期待が高まり、円高に動く可能性があります。
日本時間、8月22日、23時のパウエルFRB議長講演の注目ポイントをお伝えします。昨年、パウエル議長は「政策を調整すべき時が来た」と述べ、9月の利下げ開始を示唆しました。実際、9月には0.5%の大幅利下げが実施されました。今年も、9月以降の緩和観測が根強い中で、市場に対して、どのような指針を示すのか注目です。
8月22日の日本CPIとジャクソンホール会議がドル/円を動かすか?


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