東京の区民葬 葬儀業者離脱で波紋
«この脱退は大きな挑戦であり、看過できない»。品川区の小芝新区議(自民党)が東京博善の発表を受けX(旧ツイッター)にこう書き込むなど都議や区議が相次いで問題視。国民民主党の山口花都議は「価格の根拠開示の義務化」を議会で提言すると表明した。
離脱の理由に関し、東京博善は「制度設立時の低所得者の負担軽減という本来の趣旨と異なる」などと説明。区民葬を行えるのは、協議会から指定を受けた葬儀業者に限られ、利用者が限定されるとも訴える。そして「当社が負担していた費用に相当する額を利用者に還元した方が適正だ」などとして、来年4月から火葬料金を改定し、還元額(3千円)を引いた8万7千円(大人)で火葬を行うとする。ただ火葬料は、区民葬の場合(大人5万9600円)と比べると、2万7400円も一気に高くなる計算だ。
東京23区の火葬場運営で圧倒的なシェアを持つ東京博善株式会社が、2026年3月末をもって「区民葬儀制度」から撤退することを発表しました。この決定により、区民の火葬料金負担が約2万7千円増加することになります。
東京博善を巡る問題は、単なる経済問題にとどまりません。8月7日には、中国資本とのつながりを象徴する出来事が起こりました。同社のオーナーとされる羅怡文氏を名誉会長に据えた「日本華人上場協会」の設立式が行われ、岩屋毅外務大臣が祝電を送っていたのです。
この問題は単なる料金値上げの話ではありません。その背景には、中国資本による東京の火葬インフラの実質的支配という、極めて深刻な構造的問題が横たわっていると考えられます。
東京23区の全9カ所の火葬場のうち6カ所を運営する東京博善が、低料金で葬儀を行える「区民葬儀」(区民葬)の枠組みから今年度で離脱すると宣言したことが波紋を呼んでいる。
東京博善は、もともと民間企業の経営下で地域に根ざした火葬場運営を行ってきましたが、中国資本が入った企業の子会社となって以降、度重なる火葬料の値上げが行われてきました。今回は、区民にとって最後のセーフティネットであった「区民葬」からの離脱という形で、事実上の独占的な値上げに踏み切った格好です。
区民葬制度は、戦後日本の社会保障制度の重要な一部でした。戦時中の混乱と戦後復興期の困窮状態の中で、「生活に苦しい国民のために費用を安く葬儀ができるように」という理念のもとに発足した制度です。東京23区では、特別区葬祭業協同組合に加盟する指定業者が、祭壇、霊柩車、火葬料金、遺骨容器について協定価格で提供する仕組みを構築していました。
東京博善の区民葬離脱により、都民の火葬料金負担が2万7400円増加することが確定しています。
東京23区では公営火葬場がわずか2カ所しかなく、これらの施設は慢性的な予約待ち状態です。「火葬待ち」が4〜5日、混雑時には10日ほどに及ぶケースもあり、結果的に多くの人が高額な民営火葬場を利用せざるを得ない構造的問題があります。
東京博善は東京23区内の全9カ所の火葬場のうち6カ所を運営し、23区内の火葬需要の約70%を担っています。
東京博善の親会社である廣済堂ホールディングスは、2022年1月に中国出身の実業家・羅怡文氏関連の投資会社が40%以上の株式を取得し、羅氏が会長に就任しています。
東京23区の全9カ所の火葬場のうち6カ所を運営する東京博善が、低料金で葬儀を行える「区民葬儀」(区民葬)の枠組みから今年度で離脱すると宣言したことが波紋を呼んでいる。来年度から6カ所の火葬料は区民葬と比べると、2万7400円割高となる。東京博善を巡っては、中国資本が入った企業の子会社となって以降、火葬料の値上げが相次いでいることが都議会などで問題視されており、今回の「実質値上げ」も論争を呼びそうだ。
東京23区の全9カ所の火葬場のうち6カ所を運営する東京博善が、低料金で葬儀を行える「区民葬儀」(区民葬)の枠組みから今年度で離脱すると宣言したことが波紋を呼んでいます。来年度から、同社が運営する6カ所の火葬場では、区民葬と比べて2万7400円の値上げとなる見通しです。
中国資本参入後、東京博善は明らかに純粋な営利追求企業へと経営方針を転換していると考えられます。従来の公共的責務よりも収益性を重視する姿勢が鮮明になり、今回の区民葬離脱もその延長線上にあると見るべきでしょう。


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