処理水放出 魚価格大きな変化なし
福島第一原発の処理水の海洋放出が始まって、24日で2年となります。30年以上続くとされるこの放出。漁業関係者は、この2年をどう捉えているのでしょうか。福島県いわき市で聞きました。 【写真を見る】【原発処理水、海洋放出から2年】魚の価格に大きな変化なし 一方、放出中止求めるデモも 福島 水津邦治アナウンサー「いわき市の沼の内漁港では、きょうもいつもと同じように活気のある競りが始まっています」 いわき市の沼之内漁港では、22日朝、港に水揚げされたヒラメやホッキといった「常磐もの」の競りが行われていました。 民宿・海の家鈴亀 鈴木幸長さん「これから9月から底引き船が始まるので毎日仕入れに来ています。新鮮で鮮度がいいので、お客さんには喜ばれます」 ■魚の価格に大きな変化なし いわき市漁協によりますと、処理水の放出前に、1キロあたりおよそ1500円だった魚の取引価格は、直近でもおよそ1400円で推移していて、大きな変化はないとしています。仲買いを始めて半世紀という猪腰洋治さんに、処理水の影響について聞きました。 仲買人 丸十猪腰商店・猪腰洋治さん「当初は心配された形だったが、あれから2年経ったということで、会話の中、言葉の中にも処理水うんぬんという言葉が出てこなくなってきている。それだけきちっとした形で、国でも管理をしながら放水していると思うので今後も大丈夫だとは思います」 今年6月、中国は、処理水放出を受けて停止していた日本産水産物の輸入を一部再開すると発表。しかし、福島など10都県については輸入禁止が継続されています。 猪腰さん「今後は徐々に門戸は開いてはいくと思うが、それを待つしかないでしょうね。あとは政治としても安心安全だというのは常に発信していかなくてはならないことだと思う」 県内の漁業は現在、本格操業に向けた移行期間で、県漁連では原発の半径10キロ圏内の操業自粛を続けています。沿岸漁業の水揚げ量は震災前の4分の1にとどまっています。地元の魚を扱う1人として、猪腰さんは、こう呼びかけました。 猪腰さん「常磐ものの魚は十分に安心なので(漁業関係者は)健康にけがをしないように頑張っていただきたいと思います」


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