FX個人投資家動向「トランプ大統領のクック理事解任表明で米トリプル安に‼ドル円は1円急落‼ドル円一極‼」2025年8月26日

オーストラリア・コモンウェルス銀行のストラテジスト、キャロル・コング氏（シドニー在勤）は「米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の政策決定に影響を及ぼそうとする、トランプ大統領によるまた一つの試みだ」とし、クック理事を解任すれば「トランプ氏は利下げに前向きな人物を後任に充てる機会を得るため、ドルにとってネガティブ要因だ」と話した。

円は対ドルで一時急反発。トランプ大統領がＦＲＢのクック理事を即時解任する意向を表明し、ＦＲＢの独立性に対する懸念や利下げ観測からドル売りが強まった。

26日の日本市場では株式が大幅に下落した。トランプ米大統領が連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のクック理事解任を表明したことで米株先物が値下がりして重しになった。円は一時大幅高。

ナショナルオーストラリア銀行（ＮＡＢ）ストラテジストのロドリゴ・カトリル氏（シドニー在勤）は、クック理事即時解任はドルにマイナス材料との見解を示した。米連邦準備制度の独立性に懸念を強め、トランプ氏の見解に同調する理事が４人になる可能性があるとしている。

ガマ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ラジーブ・デメロ氏は、トランプ大統領によるクック理事の解任表明はクーグラー理事の突然の辞任に続いて「中央銀行の独立性に対する政治的干渉の重大な進展を示す」と指摘。「こうした行動は制度的信頼性を目に見える形で損ない、ドルに持続的な下押し圧力をかける可能性が高い」とみている。

ドル買い戻し、クックFRB理事は辞任しないと表明 ドル円147.70円クックFRB理事が辞任しないと表明したことでドルが買い戻されている、ドル円は147.70円に上昇。法的には何の理由もないのに私を“ 正当な理由”で解雇しようとしたが、トランプ氏にはそうする権限はないとクック氏の広報担当者が述べた。

ジャクソンホール会合でパウエルＦＲＢ議長がハト派化したのに続いて、トランプ氏の意向は金融市場の米利下げ観測を後押しする要因になる。米利下げの有無や幅に影響を与えるインフレや雇用指標は週末から出てくる。

東京株式相場は反落。トランプ大統領のクック理事解任意向を受けて円が一時大きく上昇したことで輸出関連株が値下がりした。医薬品への関税についても迅速に進めると表明したことから医薬品も大きく下げた。

債券相場は長期債が下落。長期金利（新発10年債利回り）は1.62％と2008年10月以来約17年ぶりの水準を更新した。米長期金利の上昇に加え、この日の流動性供給入札の結果が弱かったことを受けて売りが優勢だった。超長期債は月末のインデックス投資長期化の買いが入ったとの声が出ていた。

インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは、トランプ大統領によるクックＦＲＢ理事の解任表明は「中央銀行の独立性に対する信頼を揺るがすイベント」と指摘。過度な金融緩和によるインフレ圧力によってドルの価値が損なわれるリスクがあるとし、ドル安は日本株の重しになると話した。