
東京市場は軟調か。先週末の米国株は下落。ダウ平均は92ドル安の45544ドルで取引を終えた。中国のアリババが高性能半導体を開発しているとのウォールストリート・ジャーナルの報道を受けて、エヌビディアが3%超下落するなど半導体株が大幅安。関税影響に対する見通しを発表したキャタピラーも3%超下落しており、三連休を前に売り圧力が強まった。ドル円は足元147円00銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが610円安の42080円、ドル建てが590円安の42100円で取引を終えた。
米国株安を受けて売りに押されると予想する。米国動向から生成AI関連や機械関連に特に厳しい展開が想定される。CME225先物は大幅安スタートを示唆しており、値持ちの良かった銘柄には目先の利益を確定させる売りが出てきやすい。下では25日線(42034円、8月29日時点)や節目の42000円がサポートになるとみるが、エヌビディアの決算を消化した直後に半導体株にネガティブなニュースが出てきた上に、本日の米国が休場であすの材料難が予想されることから、場中は警戒ムードの強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは42000-42500円。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
6週連続の値下がりとなり 見通しが悪化している
日経平均に割安感は出ているものの、株式市場には不安材料も多い。日銀の植田和男総裁は、米国で2025年1月20日に就任するドナルド・トランプ次期大統領の政策運営は日本経済にとって不確定要素だとも強調しており、米国の政治経済の動向が日経平均の今後の見通しに影を落とす可能性もありそうだ。
個別銘柄では半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が週次8.22%安と急落し、日経平均を202円押し下げ。英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)を子会社に持つソフトバンクグループ(9984)も6.10%安となり、日経平均の足を引っ張った。このほか半導体基板を手掛ける信越化学工業(4063)も4.01%と不振。6週連続の値下がりとなり、見通しが悪化している。
一方、日経平均をめぐっては円安という追い風も吹いている。20日には一時、1ドル=158円台目前まで円が売られる場面もあり、トヨタ自動車(7203)が週次で2.74%高となる背景になった。円安急進の引き金を引いたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が18日に2025年の利下げペースが鈍化する見通しを示したこと。さらに日本銀行が19日に追加利上げに慎重姿勢を示したことも要因となった。日本の金利上昇が進まないとの見通しは不動産株の上昇にもつながっている。
とはいえ、日経平均上昇の原動力である半導体株の見通しが晴れたとは言い難い。米国の株式市場の20日までの週次の値動きでは、エヌビディアが上昇を確保したものの、ブロードコム(AVGO)やアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)は下落。さらに東京エレクトロンと同業のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は週次3.40%安で4週連続の値下がり。アームは週次13.01%安に沈んでいる。
◆NJS(2325) 6360円(+910円) 上下水道コンサルティングなどを手掛ける。2025年12月期の業績予想を上方修正し、営業利益見通しは従来の30億5000万円から36億円(前期は29億9300万円)に引き上げた。国内コンサルティング事業の受注が順調に推移しているという。改めてインフラ老朽化対策や地震・豪雨などの災害対策で活躍が期待されそうだ(7月31日号など参照)。


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