(Aさん)「万博は国の仕事だから間違いないというのがあった
マルタとルーマニア、それにドイツのパビリオンの建設工事を元請けとして受注し、セルビアの工事にも関わった「GL Events Japan」は「相手当事者の発信により万博協会や関係者等にご心配をおかけし申し訳ございません。事実に反し、誤解を与える発言が相手当事者からあったことは容認できないと考えております。当社の立場を明らかにするため、相手当事者に対してしかるべき対応を進めております」としています。中国の建設工事を元請けとして受注した国内企業の「中日建設」は「未払いはない」としたうえで訴えが出ている現状について「コメントは差し控える」としています。一方、アンゴラとアメリカでは下請け間で未払いのトラブルが発生しています。アンゴラの工事で未払いを訴えられている「一六八建設」と、アメリカの工事に参加して自己破産し、未払いを訴えられている「ネオ・スペース」の管財人は、いずれも取材を申し込みましたが、きょうまでに回答はありませんでした。
【番組に届いたメール】 「私は内装業を営む代表者です。私も、万博工事に3次業者として携わりました。こんなずさんな元請けとは思わず…多分倒産します」
出迎えてくれたのは内装業を営むAさん(42)。去年11月から今年3月にかけて、万博のパビリオン工事のために千葉から大阪に職人を送り込んでいました。ところが… (工事費の未払いを訴えるAさん)「(工事費の)未払いですね。こんなことがあっていいの?と思っていて。(Qどこの国のパビリオン?)ぼくたちはUSA(アメリカ)ですね」
京都府で会社を経営する男性は、マルタパビリオンの1次下請けとして内装や外装の工事を手がけ、元請けからおよそ1億2000万円が未払いになっているといいます。この男性は去年12月、フランスを拠点とする元請け業者からの発注を受けてマルタパビリオンの工事を担いました。当時は博覧会協会が業界団体に協力を呼びかけていて、男性も「自分たちで万博を成功させたい」という思いもあったといいます。しかし、契約で定められた期日に代金が支払われず、何度も電話やメールで督促したところ、6月に入って「納品の遅れやメンテナンスサービスの不備など、契約の不履行があった」などとして、支払いの拒否と契約解除の意向を伝えられたといいます。会社の資金繰りが悪化し、親族から資金を借りたり、およそ20人いる従業員への給与の支払いを一部、遅らせているということです。また、男性もさらに下位の下請け業者に細かい作業を発注していましたが、このうち1社に対し、あわせて3000万円ほどが未払いになっているといいます。
大阪・関西万博の海外パビリオン計8館の工事に携わった下請け業者が「発注元の業者から費用が支払われていない」と苦境を訴えている。日本国際博覧会協会(万博協会)や大阪府は「当事者間の問題」との態度を崩しておらず、閉幕まで残り2カ月を切っても解決は見通せていない。
大阪・関西万博のアンゴラパビリオンを巡る工事費の未払い問題で、未払い業者の経理担当者が代金など1億2000万円余りを着服したとして28日、大阪府警に刑事告訴・告発されました。 業務上横領の疑いで刑事告訴・告発されたのは、アンゴラパビリオンの工事を担当していた大阪市鶴見区の建設会社「一六八建設」の経理担当者の男性です。 告訴状などによりますと、経理担当者は去年11月から今年5月の間に26回にわたり、会社の売上金など1億2000万円余りを着服した疑いがあるということです。一六八建設は経理担当者の着服が原因で、下請け業者らに対し、1億円を超える代金が支払えていないということです。一方、経理担当者は会社に対し、「一六八建設への貸付金などを返してもらっただけ」と着服を否定しているということです。 一六八建設を巡っては、許可なくアンゴラパビリオンの工事を請け負ったとして、大阪府が22日、建設業法に基づき、8月6日~9月4日までの30日間の営業停止処分を出しました。一六八建設の社長は取材に対し、「今年1月に許可申請を出す予定だったが、この申請も経理担当者に任せていて、結果的に出せていなかった」としています。
大阪・関西万博の海外パビリオンの工事費について、工事関係者から「未払い」被害の訴えが相次いでいる問題で、万博を主催する日本国際博覧会協会は1日、パビリオン11館の工事関係者から国や協会などに相談が寄せられている、と明らかにした。
(Aさん)「万博は国の仕事だから間違いないというのがあった。ちょっと疲れましたね。苦しいです、非常に」
今回トラブルとなっているのは、海外パビリオンの中でも、参加国が独自のデザインをもとに建設工事や内装工事などを発注したものです。意匠を凝らしたデザインから「万博の華」とも呼ばれる一方、資材高騰や人手不足などから建設会社の確保が難航し、工事が遅れるケースが相次ぎました。去年2月に博覧会協会が示したロードマップでは、内装も含めた工事の完了時期をことし1月としていましたが、実際はほとんどのパビリオンで4月の開幕直前まで工事が続けられました。
158の国と地域が参加する大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンの建設工事に参加した下請け業者から「発注元から期限までに代金が支払われていない」という訴えが相次いでいます。


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