
9月に入り1日の日経平均は大幅続落。終値は529円安の42188円。米国株安を嫌気して、寄り付きから300円を超える下落。米国でエヌビディアなど生成AI関連が大きく売られたことから、アドバンテストやソフトバンクグループなどの下げが大きくなった。全面安とはならず、内需株には買いが入った。それでもしばらくは下値模索が続き、800円を超える下落で前場を終了。42000円を下回り、41800円台まで水準を切り下げた。一方、後場のスタート直後に安値をつけた後は、売り圧力が和らいで緩やかながら値を戻す展開。結局、500円を超える下落とはなったものの、終値では42000円を上回り、大引けが後場の高値となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0200億円。業種別では電気・ガス、医薬品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、証券・商品先物、電気機器などが下落した。インターネットイニシアティブ(IIJ)が急伸。ゆうちょ銀行がデジタル通貨を発行するとの日経観測記事の中で、同社グループが開発するデジタル通貨を導入すると報じられたことが買い材料となった。半面、上述のアドバンテストが7.9%安と派手に下げており、1銘柄で日経平均を250円近く押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり750/値下がり806。主力どころではサンリオ、東電HD、良品計画などが上昇。半導体関連が嫌われる中でキオクシアHDは3%超上昇した。エーザイ、住友ファーマ、協和キリンなど薬品株が全般堅調。足元の動きが良い大阪チタニウムが騰勢を強めた。暗号資産の購入を発表したgumiや、ミツヤグループ本社の完全子会社化を発表した六甲バターが急伸した。
一方、ソフトバンクGが4.8%安。アドバンテスト以外の半導体株もディスコやソシオネクストが派手に下げたほか、古河電工、フジクラ、住友電工の電線大手3社が大幅安となった。株安局面でSBIHD、野村HD、大和証Gなど証券株が全般軟調。1Qが減益となったラクーンHDが急落し、下方修正を発表したトリケミカルがストップ安まで売り込まれた。
日経平均は大幅安。月初や本日の米国が休場という点がボラティリティを高めた可能性はあるが、生成AIに絡む銘柄が崩れると下に値幅が出ることが改めて印象づけられた。ただ、後場に持ち直したことで、終値(42188円)では42000円だけでなく25日線(42063円、1日時点)も上回った。今年の6月以降は25日線に接近、もしくは割り込んだところで切り返すことが多いだけに、今回もそうなる展開に期待したい。米株休場であすは材料難となるが、その中で再び42000円を割り込んでしまうようだと、センチメントの悪化が懸念される。きょうの弱さが目立ったアドバンテストとソフトバンクGの動向には注意を払っておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ


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