
中東に位置するトルコの通貨リラを取り巻く環境を分析し、トルコリラの今後の値動きを予想した。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也 X(Twitter)
インフレ鈍化も中銀予測の達成は不透明…大幅利下げ強行なら信認低下も
3日に発表されたトルコの8月消費者物価指数(CPI)は前年比+32.95%となり、前月(+33.52%)からいくぶん鈍化。伸び率が33%を下回るのは2021年11月以来、3年9カ月ぶりとなった。ただ、トルコ中銀は年末のインフレ予測を25-29%に引き上げながらも目標は24%に据え置いており、今回のCPIは、目標達成が困難であることをあらためて示す結果となった。そればかりか年末時点のインフレが予測レンジ内に収まるかさえ不透明と言わざるを得ない。こうした中で中銀が大幅利下げを続ければ、市場の信認が再び揺らぐことになりかねない。なお、前回7月会合で中銀は政策金利を300bp(3.00%ポイント)引き下げて43.00%とした。次回、今月11日の中銀会合に注目したい。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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トルコリラの焦点 インフレ鈍化も中銀予測の達成は不透明大幅利下げ強行なら信認低下も FX予想
トルコ中銀のデータによると、6月のトルコの経常収支は34.6億ドルの赤字です。8カ月連続の経常赤字ですが、直近12カ月で327億ドルの赤字に達しています。
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この数字の信ぴょう性は低く、実際のインフレが100%を超えていることを当コラムで指摘してきましたが、これが正しいと仮定しても80%近いインフレ環境での利下げは狂気の沙汰としか言いようがありません。
もちろんこれをトルコ中銀が言っているのか、エルドアン大統領が言っているのかわかりませんが、おそらく後者です。
カラハン総裁は7日、中銀の最新のインフレ報告発表に際して「われわれは自動操縦ではない。インフレ見通しが悪化するなら、あらゆる選択肢を検討する」とイスタンブールで発言。選択肢には利下げペースの変更、あるいは休止が含まれると、総裁は述べた。
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「今年3月、4月とトルコは「2つのショック」に見舞われました」
TUIK(トルコ統計局)が今月(8月)初めに発表した7月のCPI(消費者物価指数)の上昇率は前年同月比でプラス76.9%でした。
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事前の市場予想は据え置きでしたので、この利下げはサプライズとなりました。トルコ中銀は昨年(2021年)後半から利下げをはじめ、今年(2022年)1月までに5%の利下げを実施しましたが、2月以降は金利を据え置いていました。
利下げ後のトルコリラは対米ドルで大きく下がって、米ドル/トルコリラは18.10リラを超えました。一方で円安の進行を受け、対円ではほとんど動いていません。
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これを受けて、実際にトルコリラの実質為替レートはすでに反転上昇が始まっている。
トルコ中銀は先月、政策金利を2.5ポイント引き下げていた。
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