
午前の為替予想は… ドル/円148円台 円売り継続、ドル売りも継続の公算
作成日時 :2025年9月4日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
ドル円予想レンジ
147.500-148.800円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は、先月1日以来の149円台を回復する場面もあったが、米7月JOLTS求人件数の減少を受け一転して147円台に下落。約0.2%安の148.10円前後で取引を終えた。足元の市場では、日本の政局不透明感を背景とする円売りと、米国の労働市場悪化を意識したドル売りが交錯している。昨日、自民党の麻生最高顧問は総裁選の前倒し要求を正式に表明し、「石破おろし」の旗幟を鮮明にした。総裁選前倒しの是非を党として判断する8日に向けて円が売られやすい地合いが続きそうだ。一方、昨日の7月JOLTS求人件数も含めて、米国の労働市場に関するデータはこのところ弱めの結果が目立つ。
本日の8月ADP全国雇用者数の市場予想は6.8万人増、明日の8月非農業部門雇用者数も7.5万人増の予想にとどまるなど、市場の期待値は低い。ドル安地合いも継続しそうだ。本日のドル/円は、20日移動平均線(147.63円前後)付近がサポート、200日移動平均線(148.82円前後)がレジスタンスと見ており、148円台中心の値動きが予想される。
今朝 最新のドル/円チャート
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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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ドル円午前の為替予想 148円台 円売り継続
週間の予想レンジの下限は、心理的ラインの145.00レベルを想定。ドル円がこのラインを目指すサインとして、7月安値と8月高値の半値戻しの水準146.80レベル、およびフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準145.83レベルの攻防に注目したい。
金スポット価格は1.3%高の1オンス=3578.51ドルまで上昇。この7営業日で約6%上昇しており、連邦準備制度理事会(FRB)を巡る先行き不透明感や先進各国の財政問題への懸念が再燃する中で、安全資産への需要が下支えとなっている。
円相場は上昇。同統計発表前は1ドル=148円台後半で推移していたが、利下げ観測が強まってドル売りが優勢になると上昇に転じ、一時147円88銭まで値を伸ばした。
過去24時間の相関関係を見ると、ドル円と強い相関関係だったのはポンド円と豪ドル円です。 相関関係だったのはユーロ円、弱い相関関係だったのはポンドドルと豪ドル米ドルです。 その一方、逆相関関係だったのはユーロドルです。
過去24時間の通貨強弱分析を見ると、直近で最も強い通貨はポンド、最も弱い通貨は円です。 円はおおむねマイナス圏で取引され、夕刻以降は安定的に推移しました。 ドルは昼付近からマイナス圏で上下動し、この傾向は本日の朝時点で継続しています。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI10月限は、前日比1.62ドル(2.5%)安の1バレル=63.97ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は2.2%下げて67.60ドル。
ISM指数や雇用統計の他、3日には7月JOLTS求人件数、4日には8月ADP雇用統計も発表される。今週の雇用指標が労働市場の軟化を示唆する内容となれば、米FRBの継続的な利下げ期待を高める要因となろう。特に雇用統計が労働市場の軟化を示す場合はこの期待を高め、米金利の低下と米ドル安を促す要因になり得る。
5日の8月米雇用統計が市場予想を大きく上振れる場合は、瞬間的に148.00レベルを突破する可能性がある。このケースでは、8月下旬にレジスタンスラインとして意識された一目基準線までの反発と、このラインでの反落を意識したい。
金スポット価格はニューヨーク時間午後3時5分現在、前日比37.28ドル(1.1%)高の1オンス=3570.44ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、43.30ドル(1.2%)高い3635.50ドルで終えた。
8月以降、上値抵抗線として意識されている148.00レベルを今週の予想レンジの上限と想定したい。ドル円(USD/JPY)が148.00のラインをトライするサインとして、147.40レベルと147.70レベルの攻防に注目したい(いずれも1時間足チャートを参照)。前者のラインは半値戻しの水準にあたり、現在は21日線も推移する。後者の147.70レベルはレジスタンスラインへ転換する可能性がある。
8月を通して、前者の146.80レベルがサポートラインとして意識された。一方、61.8%戻しの水準145.83の上には89日線(現在145.93レベル)が推移している。145.80レベルの下方ブレイクは、145.00をトライするサインと捉えたい。
予想レンジの上限:148.00 今週の雇用指標が総じて予想を上回る内容となれば、米ドルを買い戻す要因になり得る。しかし、米FRBの利下げが意識されている状況を考えるならば、その動きは限定的となることが予想される。
また、28日には中川審議委員が山口県で会見を予定しており、植田総裁の発言を踏襲するかもしれません。さらに、29日には東京都区部8月CPIに続き、9月2日には氷見野副総裁の会見も予定されており、年内利上げ観測が高まるかどうか、為替市場の反応とともに、ドル円は148円台からの戻り優勢の展開となるか注目されます。
3日の米金融市場では、国債相場が上昇(利回りは低下)。長期債の売りに歯止めがかかった。7月の米求人件数が予想を下回り、市場では今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利下げがほぼ完全に織り込まれた。株式市場ではS&P500種株価指数が反発。外国為替市場ではドル売りが優勢となった。
この状況で、前述した米雇用関連の経済指標が雇用の下振れを示唆すれば、「利下げ期待→米金利の低下」により日米利回り格差のさらなる縮小を促すだろう。利回り格差の縮小は、ドル円(USD/JPY)の下押し圧力を高めるだろう。




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