豪ドル/円 今日の見通し「日本の政治的不透明感と米景気悪化懸念で方向感掴めず」2025/9/8

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豪ドル/円 今日の見通し「日本の政治的不透明感と米景気悪化懸念で方向感掴めず」2025/9/8

【最新号】

短期トレード即効チャージ 豪ドル円

オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉

豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック

・NY原油先物市場は3日続落。終値は前営業日比-1.61ドルの1バレル=61.87ドル(9月5日)。

<WTI原油・商品CFDチャートはこちらはこちら>

・9月4日に発表された豪7月家計支出(MHSI)は前月比+0.5%で市場予想に一致。前年比は+5.1%で予想(+5.0%)を上回った。MHSIは7月分より小売売上高に代わる支出統計となっている。

・9月3日に発表された豪4‐6月期国内総生産(GDP)は前期比+0.6%、前年比+1.8%と共に市場予想(+0.5%、+1.6%)を上回った。

・8月27日に発表された豪7月CPIは前年比+2.8%、7月CPIトリム平均は+2.7%でともに前月(+1.9%、+2.1%)から伸びが加速した。
7月30日に発表された豪4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+2.1%(予想:+2.2%)で前四半期(+2.4%)から伸びが鈍化。また同CPIトリム平均は前年比+2.7%だった(予想:+2.7%、前四半期:+2.9%)。

・8月14日発表の豪7月雇用統計は、雇用者数が市場予想(2.50万人増加)に対して2.45万人の増加だった。失業率は4.2%で前月(4.3%)から改善。労働参加率は67.0%だった。

・8月12日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通り政策金利を3.60%に25bp(0.25%ポイント)利下げした。

今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ

日本の政治的不透明感と米景気悪化懸念で方向感掴めず

金曜日(5日)の豪ドル/円は米8月雇用統計の悪化を受けた米ドル/円の下落の影響もあり、終値ベースで96円台半ばへと下落した。ただ、週末の7日に石破首相が退陣を表明したことで日本の政治的不透明感や財政悪化懸念が生じ、週明けの本日は円が広範に売られたため、97円台まで上昇している。
本日は日本の政治不安による円安が豪ドル/円の下値を支える可能性がある。一方で、米国の労働市場の悪化懸念から米経済の先行き不安もあり、資源国通貨である豪ドルは米国をはじめとした世界の景気動向に敏感なため、米国の株価指数が続落となれば上値を抑えられることも考えられる。豪ドル/円は引き続き96円台~97円台前半で方向感を模索する動きが続きそうだ。

豪ドル/円 最新チャート分析

今後の注目材料

日米株価動向
中国8月貿易収支

「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨がぱらつき、豪ドル/米ドルは雨。

【情報提供:外為どっとコム】

<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>

  • ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
  • ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所に所属する外国為替市場の為替アナリストが、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 豪ドル/円 今日の見通し「日本の政治的不透明感と米景気悪化懸念で方向感掴めず」2025/9/8

豪ドル 円 今日の見通し

今後の豪ドル相場のリスクに関しては、中国の動向への投資家の注目は引き続き高そうです。

もっとも、豪州の労働党政権の下、近年は中国との外交・貿易関係の正常化が進んでいることや、中国の景気支援策への期待から鉄鉱石価格が上昇していることは、豪州にとっての中国リスクの後退を示唆しています(図6)。豪ドル相場は引き続き高水準の資源価格との乖離が残されており、資源高を背景にした貿易黒字は実需面から豪ドル相場を下支えすることが期待されます(図11)。

8/25に95円31銭へ下落後、8/26公表の8/12開催の2会合ぶりに利下げを決めた理事会議事で、「労働市場はタイトでインフレ率は中銀目標の中央値を上回っているものの、景気抑制的な政策金利を踏まえると、今後1年で追加利下げが必要となる可能性が高い」との見解が示されたことが上値を抑制。しかし、?8/27発表の豪7月7月消費者物価指数やコアに相当するトリム平均値がいずれも市場予想を上回ったこと ?フランスの政局不透明感を背景に対ユーロでの豪ドル高 ?トランプ大統領や政権幹部によるクック理事解任を巡るFRBの独立性への懸念 ?9/16-17のFOMCでの利下げ観測などを支援材料として8/29には対ドルで0.6549ドルへ上昇したほか、対円でも96円24銭へ上伸し、96円19銭で取引を終えました。

こうした中、市場では米国との金利差縮小を背景に対米ドルでの豪ドルの上昇が見込まれており、通貨分散先として豪ドルへの見直しが進む可能性があります(図7)。

また、豪州経済のファンダメンタルズの安定も、今後の豪ドル相場を支えると考えられます。

豪中銀は8/12の政策理事会で政策金利を3.60%へ、NZ中銀も8/20の会合で3.00%へ引き下げましたが、NZ中銀は今後も複数回の利下げを示唆。これに対し、豪インフレの高止まりを背景に、豪ドルは対NZドルで今年2月以来の高値を更新し、対ドルでも堅調地合いを維持。こうした中、9/3発表の豪4-6月期GDPが1-3月期から成長を加速させるか焦点となります。さらに、9/5の米8月雇用統計をはじめとする米経済指標の結果が、米経済の楽観的見方を強めれば鉱物資源需要の増加期待や株式市場の支援効果への思惑とともに、高リスク通貨の豪ドルの支援材料となります。一方、米経済指標が弱含めばFRBの利下げ観測が強まり、この場合も豪ドルの支援につながると見込まれます。ただし、9/2の氷見野日銀副総裁の会見で年内利上げ観測が高める場合にはドル円の動向に注意必要です。その上で、日足・雲の上限(96円08銭)を下値支持線として、8/12の96円83銭を上回る上昇基調を続けるか注目されます。

また、市場では2025年にかけて円高・米ドル安の進行を予想する見方が根強い中において、豪ドルは対円でも安定的な推移が見込まれています。このような豪ドル相場の安定は、豪州の株式や債券などへの投資を進める好機に繋がることが期待されます(図8)。

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