ＪＲ東日本も空飛ぶクルマの商用運航に向け 取り組みを加速する
大阪・関西万博ではＪＡＬが住友商事と組み、空飛ぶクルマの実物大モデル機を公開している。両社は合弁会社「Ｓｏｒａｃｌｅ（ソラクル）」を２４年に立ち上げた。米アーチャー・アビエーションの機体を活用し、２６年に大阪で試験飛行を実施し、型式証明などが取得できれば、２７年の商用運航を目指す。
ＪＲ東日本も空飛ぶクルマの商用運航に向け、取り組みを加速する。空飛ぶクルマを開発するベンチャー企業のＳｋｙＤｒｉｖｅ（愛知県豊田市）に出資。早ければ２６年に機体の型式証明を取得し、「小岩井農場」（岩手県雫石町）に開業するホテル「ＡＺＵＭＡ ＦＡＲＭ ＫＯＩＷＡＩ」で、送迎や観光などで空飛ぶクルマを活用する。
今後、具体的な航路や離発着場などについて、検討を進める方針だ。空飛ぶクルマにより、新たな移動体験を提供し、地域の魅力を引き出すほか、移動時間の短縮により滞在時間を増やすことで、旅行の新たな価値創造を目指す。喜勢社長は「価値のある宿泊体験、滞在することで、地域の価値を体感していただけるようなプログラムの提供を考えている」と述べた。
2025年大阪・関西万博では、基本計画で万博のコンセプトである「未来社会の実験場」の体現をめざしており、未来社会ショーケース事業の一つとして、「次世代モビリティとして利活用が期待される空飛ぶクルマにより来場者に新たな移動体験を提供することをめざす」とされています。
「eVTOL」は、「空飛ぶクルマ」とも称され、電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機を指す。渋滞の緩和や温暖化への対策など、持続可能な社会の実現に貢献する新たなモビリティとして開発が進められている。
各社は「大阪・関西万博」での商用運航を目指しているが、機体の開発およびサービスの準備に遅れが出ている。丸紅は商用運航を諦め、デモ飛行になる予定だ。他社もサービスの実現を目指して準備を進めているが、「大阪・関西万博」で「空飛ぶクルマ」の商用運航が実現できるのか予断を許さない状況だ。
2025年大阪・関西万博のコンセプト「未来社会の実験場」を体現するプロジェクトの一つである「空飛ぶクルマ」について、二地点間運航の実現とその後の商用運航拡大に向け、国や大阪府、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会等と取組を進めています。
ＪＲ東日本の喜勢陽一社長は「空飛ぶクルマは鉄道と空をシームレスにつなぐ新たな移動の形を実現するだけでなく、地域の抱える移動課題の解決につながる可能性を秘めている」と期待を寄せる。ＪＲ東日本では盛岡駅―ホテル間の送迎や周辺観光のツアーなどに空飛ぶクルマを活用することで、地方の課題となっている、２次交通の解決などにつなげる。
本市においては、万博のレガシーともなる「空飛ぶクルマ」の社会実装に関連し、新たなものづくりやサービスの創出等により、持続的な大阪経済の成長をめざすとともに、都市交通、観光、救命救急や災害対応、地域の活性化など、幅広い分野での行政課題の解決に資することをめざし、「空飛ぶクルマ」の社会実装促進に取り組むこととしました。
2021年度は、大阪での「空飛ぶクルマ」の実現に向けた今後の取組みの工程表となる「大阪版ロードマップ」の策定に向け、4つのワーキンググループを設置して議論を重ねながら、実地での実証実験を行ってきた。2022年度以降は、「大阪版ロードマップ」に基づき、大阪ラウンドテーブの参画メンバーがそれぞれの役割を果たすことで、大阪における2025年の「空飛ぶクルマ」の実現に向け、取組みを進めている。
アーチャー・アビエーションが開発する空飛ぶクルマ「Ｍｉｄｎｉｇｈｔ」は５人乗りの機体。最高速度は同２４０キロメートル、航続距離は１６０キロメートル。米国で試験飛行を重ねており、２５年末までに米連邦航空局（ＦＡＡ）から型式証明を取得し、２６年の商用運航開始を目指している。ＪＡＬと住友商事も当初は大阪・関西万博での商用飛行を予定していたが、アーチャー・アビエーションとの調整がつかず、実機の展示にとどまった。
今後、丸紅は航空業界におけるネットワークや多角的な事業活動を通じて培ったノウハウを活用し、日本における「空飛ぶクルマ」の実装に向けた取組みをVertical社と連携して推進するという。
日本航空と住友商事が出資する「空飛ぶクルマ」の運航事業者Soracle（ソラクル、東京）は10日、一般客を乗せて飛ぶ商用運航について、大阪・関西地域で2027年中の実現を目指すとする計画を発表した。機体は大阪・関西万博で実物大模型を初披露した米アーチャー・アビエーション社製を想定。万博のレガシー（遺産）としたい考えだ。
ＡＮＡＨＤは８月に空飛ぶクルマの商用化に向け提携する米ジョビー・アビエーションと合弁会社設立の覚書を締結した。両社は２２年から提携し、２７年度以降に首都圏を含む日本全国で都市間を結ぶエアタクシーサービスを計画している。ＡＮＡＨＤの芝田浩二社長は「エアタクシー事業は社会課題解決に貢献する空の移動革命。パートナー企業とともに航空機の安全運航のノウハウを生かして、新たな空の移動を創造していきたい」と意気込む。
空飛ぶクルマの商用運航はいつ実現を目指している？
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