
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、21時15分発表の欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策や21時30分発表の8月米消費者物価指数(CPI)に注目する展開となる。
欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利の据え置きが見込まれており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げがほぼ確実視されているため、ユーロ買い・ドル売り要因となっている。
タカ派のナーゲル独連銀総裁は、追加利下げへの「ハードルは高いだろう」と述べ、「金融政策の変更を確信するには多くの根拠が必要だ」と述べている。シュナーベルECB専務理事も「追加利下げのハードルは極めて高い」と述べ、「中期的にインフレ率が目標から大きく乖離する兆しが見られる場合に限り、追加利下げの根拠となり得るだろう。しかし現時点では、そのような兆候は一切見られない」と述べている。
ハト派のリトアニア中銀のシムカス総裁は、12月理事会での追加利下げの可能性に言及している。
ラガルドECB総裁は、「ECBは物価目標を達成した」と述べており、今回は金融政策が「良い立ち位置にいる」との考えを踏襲して、様子見姿勢を維持することが見込まれているものの、記者会見には要注目となる。
米8月の卸売物価指数(PPI)の前月比がマイナスに落ち込んでいたことで、本日の消費者物価指数(CPI)の前月比に注目しておきたい。
コアCPIの前月比ベースでは、5月+0.13%、6月+0.23%、7月+0.32%と伸び率が上昇基調にあるものの、トランプ関税が発動されていた割には落ち着いていた。
8月は+0.31%と予想されており、トランプ関税の影響がどの程度なのかを見極めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1829ドル(7/1高値)
・ユーロ円:173.97円 (7/28 高値=年初来高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1593ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:171.75円(日足一目均衡表・雲の上限)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し ロンドン為替見通しユーロドル ECB理事会と8月米CPIに要注目か
本日の東京市場でも円安地合いが維持されるか。先月末のロンドン・フィキシングや昨日の動向を見ていても分かるように、現行の円売りは「投機」よりも「実需」の円売りが主要因になっている。
2日04:03 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁 「インフレの不透明性評価には時間が必要」 「ECBの仕事は終わっていない。警戒を維持する必要」
ただ、NY市場では上値の重さが目立った。6月米ISM製造業景況指数が予想を下回ったことを受けて一時1.0768ドル付近まで強含んだものの、ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると一時1.0720ドル付近まで下押しした。
ユーロは、ECBの金融政策より以上に今はブレグジットの動向。英国とEU(欧州連合)の離脱交渉が破談になれば、EUも英国と共倒れのリスクがあるわけで、それがユーロの上値を抑えています。9月末に向けてユーロ/円はどうなるか。最新位置情報は「今日の注目通貨」をご覧ください。
また、本日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が欧州中央銀行(ECB)フォーラーム(ポルトガル・シントラ)でラガルドECB総裁とともにパネルディスカッションを行う予定。欧州入り後に相場が急転するリスクも考慮しておきたい。
24時過ぎには一時161.73円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けた。市場では「ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けて、月初や期初に絡んだドル買いが入った」との指摘もあった。フィキシング通過後は若干伸び悩んだものの、下押しは161.41円付近にとどまった。



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