「コメ価格を大きく左右する最大の集荷組織JAには概算金制度がある
新米が店頭に並び始めたが、価格は5キロ4500円前後と高値だという。備蓄米放出で値下がりしたコメが再び高騰すれば、「令和のコメ騒動」復活で小泉進次郎農相のコメ対策が“失敗”のレッテルを貼られかねないが、なぜ、新米が高値で推移しているのか。「コメ価格を大きく左右する最大の集荷組織JAには概算金制度がある。コメが出荷される秋を待たず、農家に『今年は60キロいくらで買う』という前払い制度です。 昨年のコメ騒動の際、JAは民間集荷業者に買い上げ価格競争で競り負けた。その苦い教訓から、JAは今年のコメ買い付けには民間集荷業者より早い段階で動き、かつ民間に負けない高値の概算金を払ったためです」(農業関係者)概算金は、各JA、あるいは都道府県JAで統一するなどケースバイケースだが、概ね一定のラインはあるといい、今年のコメへの概算金は1等米コシヒカリ60キロ当たり2万6000~3万円前後で、昨年より約6割アップしているという。概算金が高くなった背景には肥料代やトラクター、コンバインなどの燃料代、ドローンでの消毒代などの生産コストの上昇があるようだが、当然、JAを通さない集荷業者への対抗意識もある様子。「ここにきて、新米価格がさらに上がるのではという心配が出てきています。今年の猛暑と水不足ですよ。 コメどころの秋田県や新潟県では、出穂時期に深刻な水不足と猛暑に見舞われ、等級を大きく損なうコメが続出し、収穫減は避けられそうにありません」(スーパー関係者)こうしたJAの動向や今年の出来高を踏まえ、今年も昨年以上にコメ価格が高騰すると見込んだ資本力のある民間集荷業者が、JAの概算金を上回る価格で買い付けを始めたという情報も錯綜しているといい、精米業関係者は「まだ今は備蓄米が5キロ2000円前後で販売されているので、一時のコメ騒動は鎮静化している。 だが、備蓄米が底をつけば、新米ではなくとも、5キロ4000円~5000円台の高値に逆戻りするのは必至」と話していると「週刊実話WEB」が報じている。
もっとも、ここへきて米価の高騰と、円高への転換、小麦の国際市況の下落を受けて、コメ需要の増加ペースが鈍化しつつあります(図表6)。コメ高騰により消費者のコメ離れが続けば、需要が後退し、米価の調整につながるとみられます。また、農水省の指針にもかかわらず、地域単位で作付けを増やす動きもみられます。生産者にとって、米価が高止まりすることによる消費者のコメ離れは避けたいところですが、米価下落への警戒感もあり、そうは簡単に増産には踏み切れないのかもしれません。また、増産しようにも、田植えの時期も近づいてきています。今からでは需給状況を一気に改善させるような大幅な増産は難しいと見られ、市場メカニズムが働き需要が均衡するまでコメ価格が高止まりする恐れがありそうです。
〇櫻井6月22日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、前の週より119円下げて5キロあたり3801円となりました。2週連続で4000円を切りましたが、一方で「コシヒカリ」などの銘柄米は4300円台で「高止まり」しています。その一方で、明らかになってきたのがコメ価格の「地域格差」です。農水省が6月27日に公表した全国のスーパーやドラッグストアなどおよそ6000店舗を対象にしたデータを見ますと5キロあたりの平均税込価格で…<東北は3259円><信越が3396円>となっているのに比べて<中国・四国は3976円><近畿が3877円>そして、最も高いのは<東海の4232円>と、実は「西高東低」の傾向が見られるんです。


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