
本日のロンドン為替市場でユーロやポンドは、まずは15時30分から始まる植田日銀総裁の会見を眺めながら、対円を中心とした値動きとなるだろう。日銀は本日、政策金利を0.50%で据え置くことを発表した。5会合連続の据え置きは市場の予想通り。ただ、年内残り2回(10月と12月)の金融政策決定会合で、10月にも利上げに踏み切るとの思惑は燻ったままだ。市場参加者は、日銀総裁が追加利上げについて何らかのヒントを与えてくれるかを期待している。
もちろん、植田総裁が利上げに慎重な姿勢を示したり、または、これまでと同じような文言を使う可能性も十分にあり得る。その場合は、昨日からの円安地合いがさらに強まりそうだ。ポンド円は昨日、2024年7月以来の201円台から失速したが200円台は維持し、ユーロ円が本日も174円半ばで上値を伸ばしている。円相場の勢いにもよるが、欧州通貨は対ドルでも底堅い動きとなるのではないか。
一方、日銀総裁が利上げについて具体的な話をしてきた場合、昨日の円安の巻き戻し、つまり円買いが進むだろう。しかしながら総裁は、昨夏の経験から金融市場の波乱要因には成りたくないはずだ。そうなると、市場を驚かすようなコメントは期待しないほうが良さそうだ。
なお欧州序盤には、8月英小売売上高が発表予定。前年比が前回を下回ると予想されているが、それでもプラスは維持される見込み。ポンドは昨日、英中銀の金融イベントを通過した後だけに、予想から大きく乖離しない限りは動意に繋がりにくいか。ポンドにおいては、英中銀金融政策委員会(MPC)が決めた「量的引き締め(QT)のペース縮小」の影響を依然として見定めることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨日高値1.1848ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.3610ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、12日安値1.1701ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の上限1.3466ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し ロンドン為替見通し欧州通貨 対円が中心の値動きか
円安は日米金利差、貿易収支悪化、世界情勢の不確実性など複数要因が絡み合って起こります。2025年の見通しとしては、米国の金融政策や日本経済の動向によって、円安が落ち着くシナリオと継続するシナリオの両方が考えられます。いつまで続くか見通せない円安には、為替変動に強いポートフォリオ構築と柔軟性のある生活設計が大切です。
FOMC後に円安ドル高が加速しているような場合、植田総裁の為替に絡んだ発言に注目が集まる可能性はあるでしょう。7月会合後の記者会見では、植田総裁が為替の影響について「物価の見通しに、直ちに大きな影響があるというふうには今のところみておりません」と発言し、円安圧力が強まる局面が見られました。


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