シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円

ポイント
【円ネットロング大幅に減少】
9月16日時点で円のポジションは、ドルに対して約6.1万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に取り崩され、ショートが大きく積み増されたことから、ネットロングは前週から約3.0万枚減少した。ネットポジションの増減幅としては今年3月以来の大幅な変化だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ再開への思惑からドルが売られたほか、日銀の年内追加利上げ期待による円買いもあり、約1カ月ぶりとなる146.28円前後まで下落した。
ただ、日本の政局の先行き不透明感が日銀の早期利上げの足かせになるとの観測や、市場がすでに米連邦公開市場委員会(FOMC)の年内3回(25bp=0.25%ポイント×3)の利下げを織り込んでいたことなどから、投機筋は円先高観を後退させたとみられる。

ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント
【ユーロネットロング減少】
9月16日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約11.8万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたことから、ネットロングは先週から約0.8万枚減少した。
期間中のユーロ/ドルは、欧州中銀(ECB)が2会合連続の金利据え置きを決定し、その後のFOMCでの利下げ再開が見込まれていたことから、約4年ぶりとなる1.18ドル台後半まで上昇した。
欧米の金利差は縮小する見込みとなっているが、約4年ぶりの水準まで上昇したことで投機筋はユーロロングポジションの調整に動いたようだ。

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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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