「かつてここにはトヨタ自動車東日本の東富士工場がありました
インベンターは、この街で生活する“ウィーバーズ”(住民やビジター)らに実証に参加してもらい、実生活の中でのリアルなフィードバックをもらう。ほかにもトヨタのモノづくりの知見やWbyTが持つツールやサービスも活用して、社会課題の解決や未来に向けた新たな価値創造に向けた実証を進めていく。
トヨタの豊田章男会長は記念式典で「未来のためのテストコースだ」と意気込みを語った。始動に合わせ、1人乗りの新型3輪モビリティー(移動手段)や、クルマを目的地まで自動搬送する新しいカーシェアサービスが報道機関に公開された。
モビリティのテストコースであるWoven Cityは「自分以外の誰かのために」という思いをもつInventors(インベンターズ/発明家)が「モビリティの拡張」を目指し、自らのプロダクトやサービスを生み出し、実証を行う場です。InventorsはトヨタやWbyTを含むトヨタグループ企業だけでなく、社外の企業やスタートアップ、起業家など同じ志をもつ企業や個人も含まれます。トヨタが長年培ってきたものづくりの知見やWbyTがもつソフトウェアのスキルなどの強みを生かしたツールやサービスなどのしくみを社外のInventorsにご活用いただき、社外のInventorsによる社会課題の解決や未来のための新価値創造をサポートしていきます。また、住民やビジターからリアルなフィードバックを受けながら、様々なInventorsとのコラボレーションを通じて、未来につながるイノベーションを生み出していきます。
最終的に「街」は29万4000平方メートルに拡大する見通しだ。トヨタは製品やサービス発明の進展に応じて街の形を変える考えで、建設費や完成時期は明示していない。現在第1期エリアに数世帯が住み、今後約300人が入居する。街の拡大に伴い、居住者は2000人程度となる見通しだ。
ウーブンシティは「モビリティのテストコース」として設計され、最新の自動運転技術やエネルギーマネジメントが実際のヒトの暮らしのなかで検証されます。また、AIが住環境を自動で調整するスマートホームや、ロボットによる生活支援、オンデマンド型の移動サービスの実証が進められ、トヨタグループをはじめとする企業やスタートアップの研究者が、実際に暮らす住民と共に新たなプロダクトやサービスを開発・検証する場です。
「未来の当たり前」をつくる街ウーブン・シティは、2025年秋からトヨタ自動車の社員や関係者の入居が始まり、本格的に稼働する。
例えば公道では法的かつ安全面の問題から、実験中の自動運転車を自由に走らせることができませんから、こうした場所では実証実験を行うことが難しいです。一方で東富士の「ウーブン・シティ」であれば、この街はトヨタの私有地ですから、どんなモビリティを走らせても法令に触れるようなことはありません。ウーブン・シティでは街路には自動運転のクルマが行き交い、家のなかや商店においてサービスを提供するのはロボットやAI―といった将来像が示されています。
「かつてここにはトヨタ自動車東日本の東富士工場がありました。その閉鎖を決断した2018年、私は工場で働く仲間たちと直接対話をしました」
ウーブン・シティは、トヨタの豊田会長(当時は社長)が2020年に「ゼロから『街』を作る」と表明して打ち出した建設構想が原点だ。今回始動したのは、第1期エリアの約4万7000平方メートル。食品企業や教育事業者、宇宙関連企業、製薬企業などと協力して準備を進めた。
ウーブン・バイ・トヨタは、トヨタグループの一員として、人を想うイノベーションを生み出し、モビリティの変革に挑戦しています。人、モノ、情報、エネルギーの移動を進化させ、モビリティの常識に挑み続けることで、人の可能性が拡がる世界を創造します。自動運転・先進運転支援技術、車両ソフトウェア開発プラットフォーム「Arene OS(アリーン OS)」、モビリティのためのテストコース「Toyota Woven City(トヨタ・ウーブン・シティ)」、トヨタのグロースファンド「Woven Capital」を通じて、安全でよりつながる社会の実現と幸せの量産をお届けし、移動の未来を紡いでいきます。
トヨタのCESにおける発表によりますと、ウーブン・シティにおける住宅開発については、住宅の構造は主に、木材を使用したカーボンニュートラルを実現し、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境配慮を行った戸建て住宅を整備するとしています。木材中心で、高い省エネ性能および創エネまで踏み込んだ環境性能については、ミサワホームの既存の技術で十分対応可能でしょう。
トヨタ自動車が建設した実証都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)が25日、始動した。トヨタの社員らが居住しながら、新たな製品などを生み出すための実験場と位置付ける。自動運転技術など自動車関連だけでなく、高齢化といった社会課題の解決に向けた乗り物やサービスの発明を目指す。
2020年1月、アメリカ・ラスベガスで開かれたCES(家電見本市)2020において発表されたトヨタ自動車の「コネクティッド・シティ」プロジェクト。後にウーブン・シティと命名され、2021年に静岡県裾野市で建設が始まった。2024年10月にはフェーズ1の建物が竣工し、2025年にはいよいよ稼働日を迎える。
トヨタグループの12社に加え、ダイキン工業や日清食品など、外部企業8社も実証に加わる。自動車に関わらず、幅広い分野で将来をみすえた研究・開発につながる実験を行う。
ウーブン・シティはなぜ生まれ、そこでは何が行われるのか。総面積70万8000平方メートルという壮大な未来の町づくりを決断した豊田章男トヨタ自動車会長の発言も振り返りながら、その全貌を読み解いてみよう。


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