健保組合の479が赤字 24年度
このほか、おもな適用状況では、被扶養者数は26万8397人(2.30%)減の1139万3147人。被保険者1人あたり平均標準報酬月額は7246円増の39万1372円。同賞与額は3万4351円増の119万7287円となっている。
本年度(2025年度)は、経常収入9兆3936億円(前年度に比べ3878億円・4.3%増)に対し、経常支出9兆7717億円(同1078億円・1.1%増)となり、健保組合全体で「3782億円の赤字」となる見込みです。前年度に比べて赤字総額が2800億円減少しています。
▼給付費(健保組合加入者の医療費負担)▼拠出金等(高齢者の医療費を支えるための負担)—の2つを「義務的経費」として捉え、「拠出金等が義務的経費に占める割合」を健保組合ごとに見てみると、▼40%未満:28.4%(前年度から3.0ポイント減少)▼40%以上50%未満:61.2%(同10.3ポイント増加)▼50%以上:10.5%(同7.2ポイント減少)—となりました。「拠出金負担が重くなっている」健保組合と「拠出金負担が軽くなっている」健保組合の双方が減少しており、今後の状況を注視する必要があります。
大企業の社員らが加入する全国1378健康保険組合の2024年度決算見込みで、47.9%に当たる660組合が赤字となった。高齢者医療を支援するための拠出額が伸びたことが影響した。前年度の52.6%からは改善した。健康保険組合の全国組織、健康保険組合連合会(健保連)が25日発表した。
保険給付費は、2023年度下半期以降、伸び率が鈍化しており、2024年度もその傾向が続く見込み。
2024年度予算(早期集計)概要は、今年4月1日現在、全国にある1379健保組合のうち、24年度予算データの報告があった1353組合の数値をもとに、全組合の数値を推計した。それによると、24年度予算は経常収入9兆0053億円、経常支出9兆6631億円で、差し引き6578億円の赤字となっている。
またコロナ感染症が落ち着く中で、健保組合加入者においては「患者が医療機関に戻ってきている」状況が伺えます(関連記事はこちら)。患者増は医療費に直結するため、健保組合の支出も増加していくと考えられます。
こうした状況が、4月23日に健康保険組合連合会が発表した本年度(2025年度)の「健保組合予算早期集計結果の概要」から明らかになりました(健保連のサイトはこちらとこちら(概要版))(前年度の記事はこちら、前々年度の記事はこちら)。
他方、協会けんぽの平均保険料率(10.0%)以上の保険料率を設定している健保組合は全体の24.5%で、前年度から0.1ポイントの微減となっています。依然として多くの健保組合が「厳しい財政状況にある」ことが確認できます。
健保組合収入の根幹である「保険料収入」は前年度から3829億円・4.3%増加し、9兆2685億円となる見込みです。大企業を中心に「賃上げ」が進んでいることなどを背景に「保険料収入の大幅増」が続いています(2023年度→2024年度には4.5%増)。
赤字組合の割合は、今年度(2025年度)は76.0%となり、前年度から10.6ポイント減少する見込みです。健保組合財政は若干好転しているようにも見えますが、後述するように少子高齢化が進む中で厳しさを増していくことは確実です。医療保険・介護保険制度の在り方を議論していくことが極めて重要な課題である点に変化はありません。
医療費の増加とともに財政の重しとなっているのが、高齢者への「仕送り」に位置づけられる高齢者の医療費への拠出金だ。支出に占める割合は4割超。健保連は、団塊の世代が、医療機関にかかりやすくなる75歳以上になることから、拠出金は増え続けるとみる。健保連の佐野雅宏会長代理は、増え続ける拠出金負担について、「現役世代の負担軽減と、世代間の給付と負担のバランスの是正を政府に求めていく」と話す。
主に大企業の社員とその家族が加入する「健康保険組合」の連合組織である健康保険組合連合会(健保連)は、本年度(2025年度)予算データの報告があった1368組合の数値を集計・分析し、健保組合全体(1372組合、本年(2025年)4月1日時点)の状況を推計しました。
2025年度以降、高齢者の数そのものは大きく増加しないものの(高止まりしたまま)、▼85歳以上高齢者の比率が大きくなる(重度の要介護高齢者、医療・介護の複合ニーズを持つ高齢者、認知症高齢者などの比率が高まっていく)▼支え手となる生産年齢人口が急激に減少していく(医療・介護人材の確保が極めて困難になる)—ことが分かっています。少なくなる一方の若年世代で多くの高齢者を支えなければならず、来年度(2026年度)以降も「拠出金等の負担は重くなっていく」(=健保組合の負担増)と考えられます。
また、健保組合加入者の介護保険料率(2号保険料)については、全組合の平均で1.74%(前年度から0.04ポイント減)。被保険者1人当たりの年間介護保険料は前年度から151円・0.1%減少し、11万7883円となりました。


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