不配の非公表 日本郵便を行政指導

問題のきっかけとなったのは、2022年に発生した空き家宛ての郵便物を郵便局員が細断して廃棄した事案です。本来であれば差出人に返還されるべき郵便物が廃棄されたにもかかわらず、日本郵便は「故意ではなかった」として対外的な公表を見送っていました。

日本郵便は、配達員が故意に隠すなど犯罪と認定した事案は対外公表しているが、誤廃棄など犯罪に当たらないものは公表していない。総務省は２０２３～２４年の定期的な調査で実態を把握。２４年に自主的な改善を求める通知を出したが改められず、行政指導の検討に入った。

総務省は、郵便物が適切に届かなかった事案の一部を日本郵便が公表していなかった問題を受け、月内にも行政指導を行う方針です。この問題は、差出人が不達の事実を知らされないケースがあったことを総務省が重く見ており、日本郵便に対して是正を求める考えです。

総務省は１９日、日本郵便が郵便物を適切に配達できなかった事案の一部を非公表としていたとして、行政指導を検討していることを明らかにした。日本郵便の対応が利用者目線に欠けていると判断したという。

村上誠一郎総務相は１９日の閣議後記者会見で、郵便物を宛先に届けられなかった場合の対外公表の基準が不適切だとして、近く日本郵便に改善を求める行政指導を行う方針を明らかにした。犯罪に当たるかどうかで公表を判断する日本郵便の基準が利用者目線に欠けるとみている。

総務省は2024年に「利用者目線に欠ける」と指摘し、自主的な改善を促しましたが、日本郵便は犯罪と認定された事案以外は公表しないという方針を継続。このため、総務省はより強力な改善を促すために行政指導に踏み切ることを決定し、今後も監督体制を強化する方針です。

一方、国土交通省が9月3日に日本郵便に通知した、軽バンなどによる運送事業を行っていた一部郵便局の車両使用停止処分案については、日本郵便側が処分を受け入れることが関係者への取材で明らかになりました。この行政処分案は、運送事業を行う約100の郵便局のうち、一部車両が対象となるものです。