執筆：外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は97.41円前後で、ニュージーランド（NZ）ドル/円は86.48円前後で週初を迎えました。24日に発表された豪8月消費者物価指数（CPI）が市場予想を上振れたことや、24日と25日の米経済指標が上振れたことで米ドル/円が150円手前まで急騰したことを背景に、豪ドル/円は98.22円前後まで上昇しました。一方でNZドル/円は前週に発表されたNZ4-6月期GDPがマイナス成長に転じた影響が残ったことで上値は重く、24日には86.23円前後まで下落しました。なお、世界的に知名度が高く取引量の多い（G10）通貨の中で週を通して円よりも弱かったのはNZドルのみとなっています（執筆時）。
RBAは次回利下げのヒントを示すか？
24日に発表された豪8月CPIは前年比+3.0%と市場予想（+2.9%）以上に前月（+2.8%）からインフレの伸びが加速していました。ただ、これは一部の州で州政府により実施されていた電気料金割引プログラムが終了したことが影響しています。そのため、コアCPIにあたるCPIトリム平均は前年比+2.6%と前月（+2.7%）から伸びが鈍化しています。もっとも、コアCPIは7月からは鈍化したとはいえ、6月は+2.1%でした。そのため、市場では豪準備銀行（RBA）の追加利下げに対して慎重な見方が浮上してきています。RBAは8月の金融政策会合で25bp（0.25％ポイント）の利下げを行いましたが、追加利下げについては「引き続き慎重な姿勢を維持する」との認識を示していました。そのため、市場では来週（30日）の金融政策会合では政策金利を据え置くと広く予想されています。そして、8月CPIの高止まりを受けて次々回（11月4日）の会合での追加利下げ織り込みも約70%から約50%へ低下しています。11月の会合前にはRBAが重視する四半期CPIである豪7-9月期CPIが発表（10月29日）されるので、その結果を見極めてからの判断になると考えられますが、追加利下げに向けてRBAがどのような立ち位置にいるのか確認することになります。
【豪月次CPIの推移】
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円は8月後半からサポートとして機能していた日足一目均衡表の転換線をいったん下抜けました。当面は同線をこれまでのような「強いサポート」として意識しなくてよさそうです。目先の下値目途は先週末から3回（19日、23日、24日）下値を支えた97円24銭前後が意識されそうです。その下の水準では日足一目均衡表・基準線や雲上限が意識されそうです。一方上値は、近い水準では9月12日高値の98.42円前後が意識されているようです。その上の水準では年初来高値（1/7、99.16円前後）が視野に入ってきました。同水準のほかには心理的節目となる100.00円が意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】
予想レンジ：AUD/JPY：96.00-100.00、NZD/JPY：85.00-88.00
9/29週のイベント:
09/30 (火) 09:00 NZ 9月ANZ企業信頼感
09/30 (火) 10:30 中国 9月製造業購買担当者景気指数（PMI）
09/30 (火) 10:30 豪 8月住宅建設許可件数
09/30 (火) 10:45 中国 9月RatingDog製造業購買担当者景気指数（PMI）
09/30 (火) 10:45 中国 9月RatingDogサービス部門購買担当者景気指数（PMI）
09/30 (火) 13:30 豪 準備銀行（RBA）、政策金利発表
10/01 (水) 06:45 NZ 8月住宅建設許可件数
10/02 (木) 10:30 豪 8月貿易収支
一言コメント：
先日、ビーチサッカーというのをやりました。裸足で砂場を走るので普段と違う筋肉を使い、翌日は久々に筋肉痛でした。
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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来週の為替予想 豪ドル 円
2027年10月の豪ドル円予想。当月始値 103.15、最低 103.15、当月最高 106.64。平均 104.50。月末 105.06。変更 1.9%。
2028年5月の豪ドル円見通し。当月始値 105.09、最低 103.50、当月最高 106.66。平均 105.08。月末 105.08。変更 0.0%。
予想レンジは、85～102円で想定したいと思います。
2028年12月の豪ドル円予想。当月始値 105.39、最低 103.12、当月最高 106.26。平均 104.87。月末 104.69。変更 -0.7%。
2029年4月の豪ドル円予想。当月始値 107.62、最低 107.62、当月最高 112.51。平均 109.65。月末 110.85。変更 3.0%。
米国・豪州の中銀が今後の利下げに慎重な姿勢を維持する中では、トランプ政権下での基軸通貨米ドルの方向性が豪ドル相場を左右する要因になりやすいと考えられます。
2027年11月の豪ドル円見通し。当月始値 105.06、最低 102.13、当月最高 105.25。平均 104.03。月末 103.69。変更 -1.3%。
最新の豪ドル円為替レート 97.8562円。日の範囲の 97.8562 - 97.8562円。前日 97.8562円。前日比 0.00%。
もっとも、米国と並んで豪州の高金利環境が続いていることは、海外投資家の豪州への債券投資流入の活性化に繋がっています（図6）。10年国債利回りで比較した豪州と日本の金利差は依然として3％程度の開きがあり、豪州の金利の投資妙味の高さは今後も豪ドルの対円相場を下支えすることが期待されます（図7）。
2024年末からの豪ドル相場は、対米ドルで軟調な推移が続いてきました。特に2024年11月の米大統領選挙以降、トランプ政権の関税政策などをめぐる不透明感から米インフレ懸念が台頭し、主要通貨に対する米ドル高が進んだことが豪ドルの下落要因になったと考えられます（図1）。
豪州は中国との貿易関係が強いことから、豪ドル／米ドルは上海総合指数など中国株との間に一定の相関関係が確認できます（図表3参照）。中国株の長期下落傾向が、小動きが続く中でも豪ドルの下落要因になっていた可能性はあるでしょう。
2029年7月の豪ドル円見通し。当月始値 110.74、最低 110.74、当月最高 115.77。平均 112.83。月末 114.06。変更 3.0%。
豪ドル／円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル／円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル／円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル／円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました（図表5参照）。
2028年9月の豪ドル円見通し。当月始値 103.09、最低 103.09、当月最高 107.41。平均 104.85。月末 105.82。変更 2.6%。
9月29日(月曜日)の豪ドル円見通し： 為替レート 97.75、 最高 99.22、最低 96.28。 9月30日(火曜日)の豪ドル円予想： 為替レート 97.69、 最高 99.16、最低 96.22。 10月1日(水曜日)の豪ドル円見通し： 為替レート 98.28、 最高 99.75、最低 96.81。 10月2日(木曜日)の豪ドル円予想： 為替レート 98.20、 最高 99.67、最低 96.73。 10月3日(金曜日)の豪ドル円見通し： 為替レート 98.17、 最高 99.64、最低 96.70。
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