
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米政府機関閉鎖への懸念や日銀の利上げ再開観測、9月米シカゴ購買部協会景気指数や9月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことなどで147.65円と日通し安値を更新した。ユーロドルは予想を下回った米経済指標やトランプ米大統領発言「おそらく政府機関閉鎖が起こるだろう」を受けて1.1761ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、9月調査の日銀短観で今月末の日銀の利上げの可能性を見極めつつ、米政府機関閉鎖の有無を確認することになる。
米議会の共和・民主両党が「つなぎ予算」の成立に漕ぎ着けなければ、米国東部時間10月1日午前0時1分(日本時間午後1時1分)から米政府機関は閉鎖を余儀なくされる。
米政府機関である労働省が閉鎖された場合、3日の9月雇用統計の発表は延期されることになる。
8時50分に公表される9月調査の日銀短観では、大企業製造業業況判断DIの予想は+14となっており、6月調査の+13からの若干の改善が見込まれている。
予想通りに改善していた場合は、10月29-30日の日銀金融政策決定会合での利上げの可能性が高まることになり、10月2日の内田日銀副総裁の講演、10月3日の植田日銀総裁の講演に要注目となる。
昨日公表された日銀金融政策決定会合における「主な意見」(9月18-19日分)では、10の意見が紹介されていた。
利上げに前向きなタカ派的な意見は2つであり、0.75%への利上げを主張した高田審議委員と田村審議委員の意見だと思われる。
「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる。」
「前回の利上げから半年以上が経過していることもあり、そろそろ再度の利上げを考えてもいい時期かもしれない」
2名の利上げ理由は以下の通りとなっている。
高田審議委員「物価が上がらないノルムが転換し、『物価安定の目標』の実現がおおむね達成された」
田村審議委員「物価上振れリスクが膨らんでいる中、中立金利にもう少し近づけるため」
利上げに慎重なハト派的意見は6、中立的な意見は2だった。
「現在の金利水準で緩和的な金融環境を維持し、経済をしっかりと支えるべきである。」
「米国経済の落ち込みの程度の目途がついていないため、当面の金融政策運営は、現状維持が適当と考える。」
「金利の正常化を進める上では、ハードデータをもう少し確認してから判断しても遅くない」
「サプライズとなる現時点での利上げは避けるべき」
「各国通商政策の世界経済への影響、米国の金融政策と為替相場の方向性、国内の物価と賃金の見通しの3点を注視していく必要がある。」
「待つことのコスト・ベネフィットやそれに伴うリスクの比較考量が必要になっていく。」
「ある程度定期的な間隔で政策金利の水準を調整していくべきであると考えている。」
「中立金利にもう少し近づけておくべきである。」
「再び利上げスタンスに回帰し、海外対比で低水準の実質金利の調整を行い得る状況と
考える。」
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ



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