
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値や仏独ユーロ圏の製造業PMI改定値を見極めつつ、複数のECB高官の講演で金融政策の行方を見極めて行くことになる。
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+2.2%と予想されており、8月の同比+2.0%からの上昇が見込まれている。コア速報値の予想は前年比+2.3%で8月と同じ伸び率が見込まれている。
ラガルド総裁は昨日の講演で「インフレに対するリスクは、いずれの方向にもかなり抑制されているようだ。政策金利は現在2%にあり、インフレリスクが変化した場合や、目標を脅かす新たなショックが生じた場合にも対応できる態勢にある」と述べていた。
上振れリスクとして、欧州の政府支出急増による物価上昇の可能性、下振れリスクとして、欧米間の貿易摩擦を巡る緊張の再燃を挙げており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
本日は、カジミール・スロバキア中銀総裁、コッハー・オーストリア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、デギンドスECB副総裁の講演が予定されており、先日の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げサイクルの停止に関する見解を見極めることになる。
また、米国の政府機関が閉鎖に追い込まれたことは、短期的なドル売り要因となることで、「つなぎ予算」に関するヘッドラインにも警戒しておきたい。過去の米国政府機関の閉鎖期間は、最短が1日、最長が35日間となっている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1820ドル(9/23高値)
・ユーロ円:175.13円(9/29高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1625ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:171.88円(日足一目均衡表・雲の上限)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し ロンドン為替見通しユーロドル 9月ユーロ圏消費者物価指数
日本国内では、29日に8月の東京都区部CPIが予定されている。この指標は全国CPIの先行指標として注目されているが、7月の2.9%からの伸び率鈍化が見込まれている。ただ、日銀の展望リポートでの2025年度の物価見通し(+2.7%)を上回っている限りは、市場の利上げ観測は後退しないと思われる。また、日本の政局については、8月末を目処に自民党総裁選前倒しの意思確認が行わる予定となっているが、過半数が賛同して総裁選が行われることが決定した場合や、石破首相が総裁選を前にして辞任するような状況となった場合には、次期政権への期待感から日本株高・円安が見込まれている。


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