
30日の日経平均は3日続落。終値は111円安の44932円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり521/値下がり1040。IHIが日経記事を材料に大幅上昇。半導体関連は濃淡あったが、キオクシアが商いを伴って買いを集めた。三菱UFJ、三井住友、東京海上など金融株が全般堅調。公表された9月日銀会合の主な意見を受けて、早期の利上げが意識されたとの見方があった。上方修正と増配を発表した富山第一銀行が17.7%高と急騰した。
一方、米国ではエヌビディアなど生成AI関連が強かったが、日本で生成AI関連とみられているアドバンテストやソフトバンクGは大きめの下落。フジクラや古河電工など電線株も弱かった。ソニーGからスピンアウトして上場2日目のソニーFGが5%を超える下落。NY原油の下落を嫌気して、INPEXや出光興産が売りに押された。決算が失望を誘ったしまむらが急落。事業パートナーとの提携解消を発表したHeartseedがストップ安比例配分となった。
日経平均は3日続落。プラス圏に浮上する場面もあったが、場中は気迷いムードが強かった。45000円より下では買いが入ったものの、同水準を超えてくると上値が重くなった。一方、プライムで値下がり銘柄が圧倒的に多かった割にはTOPIXは上昇している。9月は月間で日経平均は5.2%高、TOPIXは2.0%高となっており、日経平均優位の月となった。
きょうの動きに関しては、9月最終日にアンワインドの動きが出てきたにすぎないかもしれない。ただ、足元で日経平均の高値警戒感が意識され始めている可能性もあり、そうであった場合には、短期的には生成AI関連は手がけづらくなると思われる。きょうの動きが良かった金融株は資金の受け皿となり得る要素を持っているだけに、株式市場での存在感が高まってくるかどうかが注目される。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 株式明日の戦略三桁下落で45000円を割り込む 日経平均の上値の重さを意識
一足先に、先週の11日(金)に決算を発表した、米金融大手のJPモルガン・チェース(JPM)は、1株あたり利益が市場予想を上回ったほか、業績見通しも据え置かれたことが好感され、この日の株価が4%の上昇となるなど、順調な決算シーズンの滑り出しとなりました。
一般的に、景気が良ければ企業の利益成長への期待も高まるため、PERは高めとなり、反対に、景気が悪くなれば利益が減少する見通しが強まるため、PERは低下していく傾向があり、その期待値は景況感や相場のムードによって上下します。直近10年の平均は14倍ぐらいです。
ただ、逆を言えば、「業績見通しの据置きが好感されるぐらい不安視されていた」という見方ができるほか、大手銀行はクリアできても、景気や金利動向に敏感な中小銀行もしくは地方銀行の決算で冴えないものが相次いだ場合には不安が高まることになるため、注意が必要です。
昨年2024年を振り返ると7月31日に日銀は、政策金利を0~0.10%から0.25%に引き上げた。円安による物価上振れの抑止が引き上げの理由の一つであった。さらに、日銀の植田和男総裁は、見通し通りに景気や物価が推移するのであれば利上げを継続することを示唆したのだった。
そのため、関税交渉の進展、もしくは米中が交渉のテーブルにつく見通しが立たないあいだは、株式市場は不安を抱えながら推移することになりそうです。
それに対して今年は正反対とも言える状況である。日銀は会合で政策金利の現状維持を決めた。その後の記者会見で植田総裁は「物価見通しに直ちに大きな影響があるとはみていない」と語ったことをきっかけに、一段と円安が進んだ。市場は「日銀の姿勢は利上げを急がないハト派的な姿勢」ととらえたのである。


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