中高年労働者メンタル不調 対応策

継続的に労働者のこころの健康を保持し、メンタル不調の予防・早期発見・早期対応に努めましょう。

本調査の結果を踏まえて、日本の職場と欧米の職場が同じように、中高年労働者に対する偏見や差別がストレスや不安などの精神的負担を引き起こすことが明らかになっています[34]。

結果：回答者における職場満足度の平均値は21.5点でした。さらに、職場満足度が低い中高年労働者は、うつ傾向が高いことが明らかになった。

しかし、先行研究によると、中高年労働者（60歳以上を含む）は職場で満足度を感じると、従業員のうつ傾向が改善することがわかっています[27] [28] [29]。これらの知見は、本調査の職場満足度の低い中高年労働者はうつ傾向が高いという指摘と一致しています。

他方で、職場におけるエイジズムを感じている中高年労働者は、うつ傾向が高いことが示されました。

提案１「職場のエイジズムの現状を把握するための大規模的調査を実施する」について、例えば、本コラムは、中高年労働者を対象に大規模的調査を行いました。

[17] 吉田麻美, & 三木明子. (2018). 若年看護師と中高年看護師におけるプレゼンティーズムに関連する要因. 産業衛生学雑誌, 60(2), 3-40.

事業者・労働者共にメンタルヘルス不調を予防するうえで、セルフケアの方法を覚えておくことが大切です。また事業者は、メンタルヘルスケアの計画づくりおよび従業員への情報共有として、対応方法についても把握しておく必要があります。それでは、メンタルヘルス不調の予防方法と対応方法について解説します。

1990年代より人事労務と臨床心理の両面から行うメンタルヘルス対策を提唱・実践。 IAWBH（職場いじめ＆ハラスメント国際学会）臨床心理グループ創始メンバー。 組織のメンタルヘルス対策やハラスメント対策と並行して、異文化対応スキルを応用したカルチュラル・インテリジェンス・カウンセリングを実践中。

本調査の結果を踏まえて、中高年労働者の雇用形態を検討する際に、安定的な給与制度が導入されることで、中高年労働者のうつ傾向の増悪を抑制する効果があると考えられます。

本調査の結果を踏まえて、中高年労働者のメンタルヘルスを向上させるためには、生活習慣病、老年期の慢性疾患、重大疾患の予防と治療が重要な課題であることが再認識されました。

そこで本記事では、メンタルヘルスケアの重要性、企業に求められる4つのケアと具体例、休職者への対応などについて詳しく解説していきます。

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以上の結果は、先行研究[25]の知見とも一致しており、すなわち、職場における中高年労働者へのエイジズムが問題となっていることが明らかになっています。

本調査において、中高年労働者の職場満足度の平均値は21.5点でした。この結果を踏まえて、日本においては50歳以上の中高年労働者の職場満足度は「中程度」の傾向がある可能性が考えられます。