
「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha
最新のマーケット情報まとめ
<今週のドル円相場の振り返り>
・ドル円は150円を突破できず下落
・野口日銀審議委員のタカ派発言(「政策金利調整の必要性が高まりつつある」)
・米政府機関の一部閉鎖(つなぎ予算否決)でドル売り反応
・ADP雇用統計が予想より悪化し、労働市場の減速を示唆
<日米金融政策の市場見通し>
・日銀の利上げ観測: 10月は6割弱、12月は7割強を織り込み(先週からほぼ変わらず)
・FRBの利下げ観測: 10月はほぼ100%織り込み、年内2回、来年末までに4〜5回を予想
・来週の植田日銀総裁の講演や自民党総裁選の結果が影響する可能性
<自民党総裁選の円相場への影響(最重要ポイント)>
・投票日: 10月4日(土曜日)13時〜
・高市氏が総裁になった場合 予想: 円安方向
金融政策について「責任ある積極財政へ移行」「金融政策の方向性も政府が決める」と発言、利上げに否定的と市場は見ている
・小泉氏など高市氏以外が総裁になった場合 予想: やや円高方向
<結論>
来週のドル円相場は自民党総裁選の結果が最大の焦点。高市氏が総裁になれば円安(150円方向)、それ以外なら円高方向に動く可能性が高い。土曜日の総裁選結果を受けて月曜日は窓開けオープンが予想されるため、週末のポジション保有には注意が必要。加えて、米雇用統計の結果(つなぎ予算成立が前提)や植田日銀総裁の講演も相場の方向性を左右する重要材料となる。
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『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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自民党総裁選で円安円高 ドル円相場の行方を徹底解説 来週のFX予想
来週– FOMC(9月16-17日)、日銀金融政策決定会合(9月18-19日)両中央銀行の政策決定が今後の相場の方向性を決定づけることになりそうです。
27日の東京外国為替市場で円が対ドルで急騰し、一時1ドル=142円台後半を付けた。同日実施した自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出された。市場では日銀の利上げ停止を求めていた高市早苗氏が勝利するとの思惑から事前に円売り・ドル買いの動きが膨らんでいたため、石破氏の勝利で巻き戻しの円買いが生じた。日経平均先物も夜間取引で2000円超急落した。
本日夜(日本時間22時30分)– 米8月消費者物価指数(CPI)発表前日の生産者物価指数が予想外の低下となったことで、CPIの結果が来週のFOMCでの利下げ幅を左右する重要な指標となります。
円は石破氏の選出が決まる直前には1ドル=146円台前半で推移しており、3円超の円高・ドル安が進んだことになる。石破氏は円安に伴う物価上昇を問題視する姿勢を示していたこともあり、日銀の金融正常化路線が維持されるとの見方が円買いを促した面もある。
株式相場は下げで反応した。27日夕方の大阪取引所の夜間取引で日経平均株価先物が急落し、12月物が3万7700円前後と、27日の清算値(3万9850円)から2000円超下げた。対ドルの円相場の上昇で輸出企業が主力の日本株の売り姿勢が強まった。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは「短期的には1ドル=140円を突破する水準まで円高・ドル安が進む可能性もある」と指摘する。来週には米雇用統計など市場の注目が高い経済指標の発表を控えており、市場の注目が日本の政治情勢から米景気動向に再び移る可能性を指摘する声も多い。
自民党総裁選の行方10月4日の投開票に向けて、候補者の政策スタンスが為替相場に与える影響に注意が必要です。
27日の外国為替市場は自民党総裁選を巡る思惑から円相場が乱高下しました。 利上げに否定的で積極財政派とされる高市氏が自民党総裁選で優勢との見方から、為替市場では円を売る動きが強まり、一時1ドル=146円台半ばまで円安が進みました。 しかし、石破氏が新総裁に決まった直後の午後3時半ごろ、急速に円高が進行し、午後4時ごろには1ドル=142円台をつけました。 今後、利上げなどで金融政策が正常化するとの見方が強まったためとみられています。 三菱UFJ銀行の井野鉄兵チーフアナリストは「『高市ヘッジ』で進んでいた円売りのポジションがすべて巻き戻された」として、今後は円高基調に変わるのではないかと分析しています。 来週は石破新総裁が描く組閣や解散戦略に加え、アメリカで発表される雇用統計などの経済指標が為替相場を左右する材料になるとみています。




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