江口寿史氏イラスト巡る問題 対策
漫画家・イラストレーターの支持を多く集める江口さん。そういったフォロワーたちの作品は、「江口寿史の影響を受けている」と肯定的に受け取られることもあれば、「パクリ」と否定的に呼ばれることもあります。はたしてその違いはどこにあるのか? 江口さんの考えを聞きました。
以上の理由により、漫画家が途中でイラストレーターを目指すのはかなり冒険なはずです。ましてや江口氏の場合はすでに人気漫画家になっているわけですから、わざわざイラストレーターを目指す必要性はないはずです。
江口氏の現在のイラストレーションからは、とても想像できない絵のスタイルばかりで、その片鱗すらありません。また当時の漫画(結構ギャグ漫画も多い)の絵とも違います。 図1に示すように、それぞれの作品のスタイルの振れ幅が大きいのは、スポンサーの意向に合わせたためというよりは、自分のスタイルを確立しようと試行錯誤している最中のように思えます。
1月21日に投稿した江口寿史展の記事、その1では、「線スケッチ」に役立つ江口氏の漫画作品の鑑賞という私の立場からの一方的な記事を書きました。
実際、江口氏は漫画を描いていない現在も、漫画を描きたい意欲はあるようなので、よほど強い思いがあるにちがいありません。
江口寿史(以下「江」):ありましたねぇ(笑)。
この構図は江口氏独自のものかどうかは分かりませんが、官能性を引き出すための工夫と思われます。
ところが会場を出ようとしたときに作者の挨拶文を読み、江口氏が世田谷文学館で展示しているのは、「漫画を描きながら並行して描いていた時代のイラストのみ限定している」こと、そこに強い思いを込めていることが語られていることを知り、あらためて作家本人の意図を汲むために展示作品を見直すことにしたのです。今回その結果をその2で記事にします。
図3では、図2の状況をさらに発展させて、女性の全身像のいろいろなポーズ、背負われた女性の男女像の、二人の気持ちのやり取りを感じさせる描写など、まだ試行錯誤の状態ですが、最近の江口スタイルの片鱗が見え始めています。
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楠:描いてる自分がどこに到達したいか、じゃなくて、観る人をどこに連れて行きたいかを見せて欲しいな、って僕は思いますね。さっきの江口さんのビデオテープのイラストはリキテンスタインみたいなんだけど、いま見て思ったのが、鼻と口が隠れてますよね。これは『マスク姿の少女』にもつながりますし、あるいは画集『彼女』の表紙のいままでにない角度の横顔みたいな、そういう新しい題材に、いつも江口さんなりに挑戦しようとしていることの現れです。その意味では、リキテンスタインみたいなんだけどリキテンスタインよりも先に行ってると思うんです。見事に。
しかし私は漫画をまったく知らないだけでなく、江口氏の著作やインタビュー記事も読んでいないので、作者がこれまでどのような思いや考えを持っているのか、私はまったく白紙の状態です。
まず前もってお断りします。 私はこれまでイラストレーターとしての江口寿史氏しか知りませんでした。氏の漫画家とイラストレーションを両立して描いていた時代を知る昔からのファンならば本展覧会の江口氏の意図をおそらく読み取ることができるでしょう。



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